したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

文章鍛錬企画【三語即興文】4/12〜

9セドナ:2004/04/14(水) 09:58
 しばらくぶりです。

>にゃんこさん
 行間に表れるイメージが綺麗でした。シルビアの表情がありありと浮かんでくるようで。個人的には「2つの月」という題名がすごく好きです。パラレルワールドの比喩にもなっていてかっこいいなと思いました。

>海猫さん
 民族学マニアのお母さんのキャラが、味がでてておもしろかったです。天狗の話以外にもいろんな話を聞いてみたいですね。でも、ソルトクリームって初耳です。塩味のソフトクリームなんでしょうか? ちょっと食べてみたいかもしれないです。
 それと、ずいぶん前ですが石のスープの話、教えていただいてありがとうございます。ためになりました。作品を書くときに一緒にお礼を言おうと思っていたらこんなにおそくなってしまいました。申し訳ないです。

お題「異邦人」「たこやき」「彫刻」
追加ルール「女性が主人公で、京都を舞台にする」


「ちょっといいすか?」
 友達の紀子と京都の街を歩いていると、中学生らしきの男の子に声をかけられた。茶色の地味な学生服を着た男の子で、手には「修学旅行のしおり」と書かれた冊子がしっかりと握られていた。
「金閣寺ってどうやって行くの? 教えて」
 なにこの馴れ馴れしい口調は。それが人にものを訊ねる態度なの!?
 私は少しかちんときたので、不快感を露骨に顔に出して黙っていた。すると、隣にいた紀子が口をひらいた。 
「金閣寺はねぇ、この道を15分ぐらい北に上れば、北大路通りっていう大きな通りがあるから、そこで西行きの206番のバスにのって20分ぐらい行けば着くかな、わかった?」
 彼は軽くうなずくと、礼も言わずに仲間の元へ帰っていった。見ると、彼と同じような制服を着た男の子と女の子数人が道端にたむろしていた。
「生意気な中学生だね」中学生が去ったあと、私は紀子に言った。
「そうねぇ」
「教えてあげることないのに」
「うん、まあでも京都っていっつも観光客がいるから、道訊かれたら誰にでもつい親切に答えちゃう、ってのがクセになってて……」
「さすが、やっぱり紀子は京女だね。私は九州の生まれだから、嫌な物は嫌ってはっきり言っちゃうタチだよ」
 そんな会話を私たちがしていると、さっきの中学生がまた私たちのところに戻ってきた。
「この辺においしいたこ焼き屋ってある?」
 相変わらず彼は生意気な口調だった。けれど紀子はまた親切に説明した。
「たこ焼き? それなら、ここから2筋目の小道をはいって15分ぐらい歩いたところに『蛸安』っていうお店があるよ。目立たないお店だけど、店の前に大きい蛸の彫刻が置いてあるから、たぶんわかると思う」
 紀子は終始満面の笑みを浮かべていた。彼はまた礼も言わずに去っていった。
「京都って、異邦人に優しい街なんだね」
「フフフ……、表面上は、そう見えるかもね」
「表面上?」
「蛸安」が不味くて有名なたこ焼き屋と知ったのは、その後しばらくしてからのことだった。
(了)

 ……なんかわかりにくい文章になってしまった。ブランクのせいにしておこう。

 お題は海猫さんの「信号、満ち潮、後悔」追加「作者自身を登場させる(フィクション、ノンフィクションともに可)」でお願いします。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板