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文章鍛錬企画【三語即興文】4/12〜

7にゃんこ:2004/04/14(水) 02:10
たびたびすみませんヽ(^。^)ノ

セタンタさん
追加の「時間に意味を持たせる」が見事に描かれていますね。それに未来のデジカメはすごいです。画面の中の時間を変えるのですか。お話のストーリもいいですね。ラストもよかったのですが、問題は主人公の「俺」の「死」ですね。たしかに薬を酒で飲むところなども書かれていますが、主人公が死に近づいていくところの書き方が弱いですね。ここがしっかり書かれていれば、良かったのにと思いました。

おづねさん
ラストのところが、さりげなくいいですね。カードゲームについてはあんまりわからないので、知っている人だったら、もっと楽しめるかもしれません。だから雰囲気だけ楽しませてもらいました。この作品、人物の描写の仕方がお上手なので楽しめるのかもしれませんね。裏を返せば、おづねさんの筆の力で読ましたという感じでしょうか。前作などと比べちゃうと、手を抜いたなと思います。

お題は「ソルト」「錆び」「娘」で、追加ルール「天候に触れてください」

―― 二つの月 ――
「広島に原爆を落としたときは、曇り空から晴れ間が見えたから落としたんだと、いっていたよ」
「長崎に原爆を落としたときはどうだったんだ」
「晴れていたといっていたよ。だからモスクワが晴れていたから私は、錆びたボタンを押したんだ」
男は精神病棟の一室に隔離されていた。暴れても怪我をしないように床も壁もクッションが入っていた。そして、壁の四隅には監視カメラが付いており、男を監視していた。
「どうだ、あいつは」
モニターを見ているシルビアのもとに上司が来て尋ねた。
「いつもと変わりません。独り言をぶつぶつ呟いています。それよりもどうしてあいつを死刑にしないのですか。あいつのために第三次世界大戦がおこり世界は滅んだのですよ……」
男はポラリス型原子力潜水艦の艦長だった。すなわち男の潜水艦は核弾頭を積載しており、大統領の命令しだいで、核ボタンを押せる立場にあった。
「あはは、ソルトがなんだ。米ソの間で戦略核兵器の制限だと、ばかを言うな。原爆は落とすために作ったんだ」
ベトナム戦争の帰還兵に男の娘は惨殺された。そのときに男は、心の平静を保つために、自己保全をするようになった。その結果精神に異常をきたし、部下を先導して核のスイッチを押せる状態を作ったのであった。モスクワに大陸核弾頭が炸裂した直後に、ニューヨークの空には原子雲が浮かんだ。
シルビアの家族も核戦争のために死んだのだ。その原因の男が、モニターの中にいる。そう思うとシルビアは吐き気をもよおし、窓の外に目をやった。そこには二つの月が見えていた。
「これがパラレルワールドで、本当の世界は平和だったらいいのに……」

「これがパラレルワールドで、本当の世界は平和だったらいいのに……」
イラクの惨事を見て、日本の少年は呟いた。しかし窓からは、月はひとつしか見えていなかった。

―― 了 ――

いままでは書いてくれた批評に返信をしていませんでしたが、今回からは返信を書くことにします。失礼していました。

次のお題は「異邦人」「たこやき」「彫刻」
追加は「女性が主人公で、京都を舞台にする」


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