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文章鍛錬企画【三語即興文】4/12〜

39にゃんこ:2004/05/08(土) 02:11
◆安息仮面さん
う〜ん……、そつなく、三題をこなしています。
この作品ひとつの世界観が確立されています。金色の波が打ち寄せる浜辺に10代の男女。そこに流れてくるアラビアンナイトではなく魔法使いの壷。そして箒にまたがるご老人。
「願いをかなえて進ぜよう」
恋人同士のように思える、少女のほうは少年と「世界が終わるまで一緒にいたい」と願い。少年は、それを受けて、「この世界がすぐに終わるように」と願います。

たしかに、よくできていますし、切れもよいですよ。「星真一」さんが生きていた時代なら、この作品はかなりよい評価を得られると思います。しかし、「安息仮面」さんなら、どう評価するでしょうか。多分ご自分で、この作品の価値はわかっておられると思います。

お題【改札】【制服】【味噌汁】追加ルールは【地下鉄が舞台】

―― メトロポリスにて ――
砂鉄がマグネットに吸い寄せられるように、わたしたちは、地下の入り口に吸い込まれていく。
改札は、昔は行われていたというが、いまは、行われていない。すべての地下鉄が無料になったからだ。
わたしは形だけになった、改札口を通り抜けて、プラットホームへ流れていく。
制服というスーツを着て、毎日同じ時間に、メトロポリスへ向かう。
プラットホームに立っていると、シルバーグレイのトレーンが烈風を巻き起こしながら滑り込んできた。
車内は快適だ、エアコンが18度に設定されている。あれほどの砂鉄がどこへ消えたのか、車内は空いている。無言の中に、トレーンの走行する音だけが静かに聞こえる。
いつからだろうか、通勤ごっこをするようになったのは。わたしたちは整然として、秩序を乱さない。人工物のわたしたちが、表情も言葉もなく、目的地に向かっている。
「ああ……味噌汁が飲みたい……」
誰かの呟きが聞こえた――。
絶滅危惧最高レベル「IA」の人間が、まだひとり混じっているようだ。
「ああ……味噌汁が飲みたい……」
ほかの誰かが、人間のまねをした。
あっちでもこっちでも、味噌汁、味噌汁……、という声が聞こえた。
わたしも、「味噌汁が飲みたい……」と呟いてみた。すると、なんだか、人間に一歩近づいたような気がした。
―― 了 ――

次のお題「電信柱」「ねぎ」「紙芝居」
追加「主人公は警察のひとで、事件とは関係がない話」


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