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文章鍛錬企画【三語即興文】4/12〜

34にゃんこ:2004/04/20(火) 20:14
>>セタンタさん
人様の作品に対してはいたって厳しい、にゃんこです。
これは風杜さんの作品の続きを書かれたものですね。だとしたら、「がりがり」というのをどう理解するのかが、続きの作品を書く場合の指標になると思います。わたしは、「がりがり」を母親が子供に食べさせていないと解釈しました。その子供が、誘拐されて殺された場合の母親の反応をどう描くのかが作者の腕の見せ所だと思います。
セタンタさんの作品の場合は「聡子の痩せた背中を後ろからぎゅっと抱きしめ」と、子供が慕っている描写と、母親自身がやせているところが描かれています。これは、もしかして、仕事をしていなくて、お金がなく、自分も子供も食事をしていないと解釈ができます。それで、手っ取り早くお金を稼ぐために男を連れ込んで売春行為をしたのか知れないと。そう解釈すると、すべてが納得いきます。しかしこの場合は、もう少し説明が要るようですね。主人公は引越しをしているのですから、その費用があるということは食べ物を買うお金があるということですからね。男と売春行為を一度したぐらいでは、引越しの費用は捻出できないと思いますよ。読み手にもう少し情報を与えたほうがよいかもしれませんね。母親と子供が置かれていた立場を。
それから、描写力とか構成とかはよかったですよ、イメージが浮かびました。いままでにもセタンタさんの作品を読んでいて物語を書く技術はかなりある方だとおもっていましたが、今回も感動ものでした。

◆次回のお題は「こいのぼり」「カイト(洋凧)」「漫才」
◆追加ルールは「女の子を主人公にする」


お題は「インク」「スタンド」「地図」
追加ルールは「明るく、楽しく、希望を持って」

―― 家族の地図 ――
「おとうさん、こんどのゴールデンウィークは遠出しょうよ、連休が長いしさ」
居間でビールを飲みながら、テレビの野球中継を観ていると、小学4年生になる娘が連休の話題を提供しに来た。昨年末にカーナビを買ったので、方向音痴の私にも、正月の間は車で家族旅行がすんなりとでき、気を良くしているようだ。
「そうだな、考えておくよ」
ソファにもたれながらテレビを見ていたのだが、「巨人:阪神」戦で、ひいきのチームが負けているので、私も気が乗らない。
隣に座った娘はコップにビールを注ぎ、私の膝に手を置き、ホステスのように様子を伺っている。なんともいえない沈黙が流れている。そのとき視線の先にトラ猫の良助が入った。私の足の匂いを嗅ぎに来ているのだ。良助はおかしな猫で、私以外の足の匂いは嗅ぎたがらない。妻もそうだが、この間娘が自分の足の匂いを嗅がそうとしたところ、怒った良助が噛み付いたので、それ以来娘は良助の相手をしなくなった。
「あっ〜、良助がきたかぁ〜」
私は、良助を膝に抱えると、頭をなでた。娘はあきらめたのか私へのあてつけなのか、「べんきょう、べんきょう〜」とかいいながら、自分の部屋に行った。
その夜、私は書斎で、スタンドを点けて手元を照らしながら、パソコンで地図を見た。ノートを執りながら、連休の計画を練る。ノートには万年筆のインクの匂いがするのか、机の上にあがっていた良助は飛び降りると、さっさと、部屋から出て行った。インクの匂いがきらいな猫なのだ。
私と一緒に娘が旅行に行きたいといってくれるのは、あとどれぐらいだろうか。中学生になれば無理だろうな、と思うと、また、ビールが飲みたくなった。そんな話を妻にすると、大人になったら、飲む相手をしてくれるわよ、と言われた。いつかそんな日が来ることを願いつつ、足の匂いを嗅がれて、猫の良助とはとりあえずスキンシップを結んでいる。

―― 了 ――


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