したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

文章鍛錬企画【三語即興文】4/12〜

22セドナ:2004/04/18(日) 00:41
>森羅万象さん
 彼のキャラがなかなかいいですね。彼女は気持ち悪いって言ってますが。こういうイタズラっぽい告白の仕方の方が、かえってあとあといい思い出になったりするんじゃないでしょうか。遙か昔のことなので思い出すのに苦労しましたが、思春期の頃って、電話のベルを一回だけ鳴らして切ったりとか、帰り道を待ち伏せしたりとか、けっこうみんなストーカーじみたことしてましたよね。彼にはこれに懲りず、また新たな手を考えてもらいたいです。
ただ、彼が机の中にひそませた数々のヒントがいったい何の本を表しているのか、私にはわからなかったのですが、それが少し心残りでした。

お題「ごま豆腐」「チュロス」「デザート」(注:デザートはどんな意味でも可)
追加テーマ「ハードな感じ」


 スフレと俺はアンコーの街の同じスラムで育った。親のいない俺たちが住むことを許されたのは、スラムの中でももっとも寒い、工場裏のパイプ置き場だった。一日中働いて、給料の代わりに一つまみの金平糖をもらい、帰りに豆腐屋でもらったごま豆腐のクズをおかずにして、二人でなんとか食いつなぐ生活だった。
「いつかチョコレートをどっさり食べてみたいね」「ああ、そうだな」
 舌の上で溶けてなくなるまで金平糖をころがしながら、俺たちはいつまでもそんな夢を語りあった。
 しかし、そんな俺たちにも転帰が訪れる。
 南の海に浮かぶ「デザート・アイランド」と呼ばれる島。何でもそこに行けば世界中のスイーツにただでありつける、という夢みたいな話が俺たちのスラムに入ってきた。
「世界中のスイーツかぁ……僕は栗まんじゅうが食べてみたいよ」「俺はチュロスだな」
 俺たちに迷いはなかった。スフレ、俺たちの夢を叶えに行こう。いざ、デザート・アイランドへ。

 デザート・アイランド。世界中のスイーツが集まる島。
 夢を抱いて、その島へ降り立った若者たちは皆、口を揃えてこう話す。
「あそこには何もなかった。ただあるのは見渡すかぎりの砂漠だけだ」
 デザート・アイランド。見渡すかぎりの砂漠の島。
 その島が大きな砂糖菓子でできていることはまだ誰にも知られていない。
(了)

 ……お題の「ハードな感じ」を意識して、硬質な文体を目指したつもりが、あらすじみたいになってしまいました。反省。

次のお題「銀河鉄道の夜」「注文の多い料理店」「雨にも負けず」 追加ルール「一行詩のようなタイトルをつけてください」でお願いします。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板