したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

文章鍛錬企画【三語即興文】4/12〜

18森羅万象:2004/04/16(金) 03:39
>安息仮面さん
 おしい! というか、文章は好きです。最期だけ、どこか浮いてしまっているような。
 あのままキャラが破綻しないで描けていたら、とてもこわい、いい作品になったかもしれません。

>セタンタさん
 面白い! これはいいですねえ。軽妙で、活き活きしてます。でも、ちょっと小町ちゃんのことだけが若干、謎でしたが。
「秘密扇」は、てっきり時間を戻すものかと思っていたのですが……秘密を暴く扇なのかな、とも思いました。

>Triple-I さん
 SFが謎です。でも耽美な雰囲気もあって、乙な作品でしたが。
 私は歴史にゃ疎くて全然わからないんですが、でも沖田総司(? あってます?)があんまり美男子じゃないってのはよく聞きます。
 ひらめですか(笑。


「チャリ、辞書、ドア」追加テーマ 「伝えたい想い」

 ヒントとなる紙を彼女の机にそっと忍ばせることにした。一日ごとに違う事柄が書かれた紙を。悪戯好きな彼女に仕掛けた、ちょっとしたジョークのつもりだった。「それは図書館にあります」「厚い本です」「あなたが好きな食べ物に関係があります」「藁という言葉が含まれています」「その本には色々な言葉が記載されています」「ビタミンAが豊富です」
 三日目、三枚目のメモをそっと彼女の机に入れたあとのことだ。
「ねえ、あたし、ちょっと気味が悪いんだけど」
 チャリを手で押しながら、彼女が眉をひそめた。部活動が終わり、空はすっかりたそがれている。僕も彼女も同じ剣道部に所属していて、おさななじみの僕らは一緒に帰途につく。
「え、なにが――?」
 最近、誰かの視線を感じる、ストーカーかもしれない、そう彼女が言い出したのは受験からくるプレッシャーだろうとタカをくくっていた。心配なら僕がガードマンになるよ、と言ったのは、そういう気易さもあった。
「机に」と彼女が言った。「机に、なんかヘンなメモが入ってるのよ、最近」
「え――?」
「なんかね、もうキモい。もしクラスメイトだったらと思うと吐き気がする……」
 彼女の家のそばまで来た。僕は「気にすんなよ!」と明るく言って、チャリに乗った。ペダルを踏む足に力を込める。
「ねえ、どこ行くの? 家と逆――!」
「忘れ物ッ!」
 ジョークで始めたことだった。だが、本の山に埋もれた、たった一枚の紙切れだけは、正真正銘の気持ちだった。だからこそ、決して彼女に見つかってはいけないのだ。
 僕は学校までの道程を、息を荒げながら乗り越えていく。学校の玄関が、図書館のドアが、まだ開いていますように――!

(了)


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板