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文章鍛練企画【三語即興文in鍛練場】3/24〜

33風杜みこと★:2004/04/07(水) 06:50
>海猫サン
 石のスープはかつて何処かで読んでいた話だったので、感動はありませんでした。が、語りが慣れてらっしゃって上手い。流石です。

 トリプルの方もお見事でした。これは一つの作品として残しておきたい感じです。イカロスもバベルの塔も懐かしいお話でした。サイコロの使い方が素晴らしい。禁断の木の実を食べてからこの方、誰も楽園に留まれないものなのでしょうか。若者もまた原罪を生き、いずれ神の怒りを買うのかもしれません。長老の無知を嗤い、臆病者と謗った彼の末路が気になります。
 私は長老を嗤う気にはなれませんでした。長老というからには、彼には自分に属する者たちを正しく導く義務があったのでしょう。彼にシンクロしたせいか、自分の想いに正直に飛び出していける若さが少し羨ましかったです。

――お題:「青林檎、野良犬、酩酊」/追加:「渋いキャラクターを登場させる」――

 カララン――。
 ベルの音と共に男がバーに入ってきた。野良犬のような鋭い眼が店内を見回し、他に客がいないのを見てとり緩む。コートの肩が濡れ黒ずんでいた。
 無言でカウンターに近づく男に、バーテンはグラスを拭く手を止めタオルを差し出した。
「雨ですか?」
「ああ……」男はタオルを受け取ると軽く頭と肩にかかった水滴をぬぐい、スツールに腰掛けた。
「いつもの――」
 言い切らぬうちに、男の目の前に青林檎のマークが入ったコースターとワンフィンガーが置かれる。琥珀色の液体の底に日付と数字が浮かび上がった。男はあおるようにグラスを干した。
「ゼロが一つ足りないんじゃないか?」男は苦い顔で煙草に火を点けた。目を細め、紫煙をバーテンに吐きかける。
「さあ――。私はただ指示通りお酒をお出ししているだけですので」バーテンは穏やかな笑みで、グラスを換えた。
「チッ……使えねぇな……。ま、いい……お前に指示を出している奴に伝えてくれ。矢は番えてある、とな」男は二杯目をあおると腰を上げ、カウンターに札を置いた。
「お帰りですか?」
「ああ……。雨男の俺がいると客が入らないだろう。早々に退散するさ」僅かに酩酊を滲ませた瞳をバーテンに向け、男は雨足の激しい外へ飛び出していった。
 カララン――。
 バーテンはグラスを片づけ、カウンターを軽く拭いた後、シンクの中でコースターを焼いた。赤い林檎を見つめながら、バーテンは呟いた。
「グッド・ラック」

 ――了――

渋いですかねぇ……? 
オン書きしているので、また誤字が残っているかもしれませんが、とりあえず書けたのでポスト。
これがトリにならないことを願いつつ――

次のお題は「サリンジャー」「デリンジャー」「炊飯ジャー」
追加ルールは「お笑い抜き」でお願いします。

++2004/04/02(金) 02:55


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