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文章鍛練企画【三語即興文in鍛練場】3/24〜

20海猫:2004/04/07(水) 06:24
お題:「結婚」「潜水艦」「セスナ」+「さくら」「ビタミン」「六本木」
追加:「軍隊の話は出さない」+「冒頭に俳句(オリジナル)を入れる」


「芳しき〜、さくら手折りて春を嗅ぎ〜、うめとつばきと、目もそぞろに〜」
 突如訳の分からない事を言い出したサツキに、オレは可能な限り冷たい眼差しを向けた。
「……何なんだよ、そりゃ?」
「何って、俳句よ俳句。風流よ。風狂の士よ。俳人なのよ」
「黙れ廃人。そりゃ俳句じゃなくて短歌だろ。第一、こんな冬真っ盛りに春の歌なんて歌ってんじゃねえっての」
「はっはっは。馬鹿だねえ。春なら来てるじゃないの。キミにさ」
 そう言われ、オレは何か言い掛けて口を閉じた。下手に何か言おうものなら、数倍の皮肉となって返ってくるに違いない。そもそも、いくら幼馴染だからって、こんな奴にうっかり相談した自分が悪いのだ。
 そう、自分が悪い。
 事の起こりは半年前。六本木のクラブで女をナンパをしたのが始まりだった。こちらは三人。向こうも三人。イーブン。交渉もすんなりといき、オレ達は無事テイクアウト出来る事となった。……までは、良かったのだが。
 ――生理が、来ないんです。
 久々に会ったその娘に、そう言われたのが三日前の事である。
「ま、年貢の納め時だと観念するべきだね。今まで散々遊んできたんだから」
「……やっぱり、責任取って結婚、しかないのか……」
「もし堕ろす、って言うなら、女の代表として私がキミをオロすけど」
 気分は潜水艦。艦名・タイタニック。それに比べてサツキの方は、春の空を行くセスナといった面持ちで、憂鬱の海に沈むオレの顔を楽しそうに見つめている。さっきの短歌(自称・俳句)も、現在オレが三股掛けてる事の皮肉に違いない。
「ああ、頭痛え。胃も痛え」
「そんなの、ビタミン摂れば治るわよ。サプリメントあげようか?」
「いらん! ってか、治るか!」
「治るわよ。リュウマチだろうが冷え性だろうが。ほら、飲んで」
「温泉かよ! もう適当に言葉を吐くな! ビタミンΩって何だコレ!?」
 そんなこんなで、今年も冬は過ぎていく。オレに春が来るかは別として。


 すみません。短歌になっちゃいました。駄目なら無かった事に。
 次回は、
○お題:「最強、盲目、他山の石」
○追加:「お題の各単語を二回以上使う」
++2004/03/30(火) 20:48


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