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文章鍛練企画【三語即興文】4/4〜

9森羅万象:2004/04/08(木) 01:07
どもども連日の参加です。

>にゃんこさん
 私は性格が悪いもので、書きづらいよう書きづらいようお題を出すのが趣味なのですが、あっさり書かれてしまってくやしいような(笑
 きっちり短く、しっかりとまとめてきますね。お見事です。あ、でも「メンタ」の意味が……おそらく、アレだとは思うんですが、チョイとわかりませんでした。

>のりのり子さん
 うまいですね。ただただ感心します。いやあ、親父、せつないなあ。
 しかし、株で失敗して遁走、となると家族に迷惑かからなかったのか、それもまた気になったり。

「爪切り」「公園」「サラダ」追加「ファンタジー」で。

 アメイモンの神殿にたどりついたのは、闇が空を侵食しはじめた逢魔が刻だった。
「彼岸と此岸を繋ぐ時間……よりによって、なんでこんな時間に」
 <澄ました猫>が呆れたような声を出した。
 俺は苦笑しながら剣を振るう。<竜の爪切り>と呼ばれる業物だ。
 <竜の爪切り>はヴウウウンと唸るように震えた。発光した。
「主が間抜けだとこちらが苦労するな、<猫>よ」
「うるさい。だまれ」
 俺はくちさがない剣を睨んで、神殿へと足を踏み入れた。

 神殿内部は、そこが建物の中だと思われないほどに広かった。<人見知り公園>の軽く五倍はある。膝の高さほどの草におおわれ、それが風になびいている。
 しかも、なぜか空が拡がっていた。青空。まるでピクニックにでも来たような気分になった。
「まやかしよ」と<猫>
「わかってるよ」俺は答えて、さらに歩を進めていく。
 唐突に空が曇った。曇天に、小麦の穂のような光が幾筋も走った。
「それらしくなってきたじゃないか」
 微笑んだ俺に、<爪切り>が呆れたように言った。「主がバカだと――」
 眼が眩んだ。
 衝撃があった。
 気づくとそこには何もない闇が拡がっていた。<爪切り>も<猫>もなくなっていた。
 闇の中に蝋燭の灯りのようなものがともり、それが灯明だとわかったときには、少女は俺のすぐ目の前にいた。
「ねえ、あなた、アメイモンを倒しにきたの? 英雄さん?」
「……ああ、そうだ」
 俺は痛む全身をなだめすかしながら立ち上がった。
 少女が微笑んだ。「人間には無理よ。出直しなさい」
 わかっていた。この少女がアメイモンそのものであることに。
「猫ッ!」俺は叫んだ。
 影が少女に飛びかかった。少女が狼狽した。同時に俺は少女に飛びかかった。抱きしめた。俺の体を<爪切り>が貫いた。それはつまり、アメイモンの体にも<爪切り>が深く突き刺さったということだ。
「……そんな、まさか」少女はいやいやをするように体を動かした。だが俺は抱きしめる力を緩めない。
「あんたには意志はない。ただの鏡だ。人間の理性を反対に映し出す鏡。だから人間には無理だった」
 俺の腕の中で少女は闇の粒子となり、砕けて、消えた。

「よくやったな、<サラダボウル>」
 <爪切り>が言った。
「さすが、ご主人様ね」
 <澄ました猫>がふざけたように言った。
「やめてくれ」俺は苦笑した。「俺もおまえらと同じただの呪具物だ。なんでも雑多に呪具物をほおりこめる、ただの器だ」

 ああっ。オンラインで書いたら短くなると思ったのに!(泣。
 書きづらいので改行多くしたら、こんな事態に。次からは気をつけます。
 お題は事故ってなかったら、次レスで。


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