したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

文章鍛練企画【三語即興文】4/4〜

3柿美:2004/04/06(火) 03:19
なんとなく私が尖兵になってみようかと思います。

>風杜さん
仕掛人+のっぺらぼうですか(笑) まさか屋台から別の小説世界に繋がるとは、笑いました。風杜さんは一つの小説世界からもう一つの小説世界にすっと移動させるのが本当に上手いですね。以前の降魔術からお色気悪魔が出てくるお話もすっと頭の中のイメージが切り替わって心地よかったです。
ところでこの設定は仕掛人というより仕事人というかんじですね(わけのわからないことを言ってみたり)。
それと江戸言葉や時代風景がすらすらと生き生きとでてくる、これは本当に羨ましい。私も江戸言葉が好きでしてたまに落語のCDとか聴いたりしてるんですが、聞いていてもとても書けません。

「銀シャリ」「航空便」「活じめ」 追加ルールは「美女が主役」

 海外赴任中の夫から航空便で小包が届いた。包みを開けると発砲スチロールの箱であり、箱の中には小さな女が入っていた。
 カブト虫くらいの大きさの、浅黒い肌をした彫りの深い顔立ちの女。箱に敷かれた綿のベットに脚を崩して座り、怯えた黒い瞳で私を見上げている。一体、夫はなんのつもりでこんなものを送って寄越したのだろう? 同梱された夫からの手紙には『和食でも食わせてやってくれ』とだけある。追記に『誕生日おめでとう』とあった。たしかに昨日は私の誕生日だった。ではこの女は誕生日プレゼントでペットか何かとして寄越したのだろうか。
 ともかくも生き物である以上、なにか食べさせなければならない。和食というと、銀シャリにお刺身、お味噌汁かしら。丁度、今朝ネット通販で届いた活じめのイサキがあったので、捌いてお刺身にすることにする。私の分は平作りに、女のほうは一切れをみじんぎりにした。小皿の端っこにみじんにしたお刺身を山盛りにし、御飯粒を三粒ねじくって女の前に差し出す。みじんにしたのでは魚肉の細胞が壊れてしまって不味くないかしら、と思ったのだが、女は金平糖みたいな小さな手で肉片を鷲づかみにしてぴちゃぴちゃと食べている。私は寝そべって女と同じ目線になり、女を観察した。
 女は遠目に見るとまるでお人形のようだが、間近で観察すると二十代の後半くらいだった。薄い、身体を覆う面積の小さい踊り子のような衣装から浅黒く艶のある太股が伸びている。両手に大きな肉片を一つずつ持ち、交互に口に持っていき貪っている。肉片を頬張る時に少し鼻梁を歪める様は、なにか背徳的なものがあった。
 ひょっとしてこの女は夫の色なのではないだろうか、ふと思った。誕生日プレゼントなどと嘯いて、何食わぬ顔で家で女を飼おうという腹なのではないか。女の浅黒い身体ぜんたいを夫のピンク色の舌がべろりと舐める情景が浮かび、私はにわかにこの女を踏み潰してやりたくなった。しかし、そんなことをすれば私の足の裏に一生嫌な感触が残ってしまうし、第一ヒトの形をしたものを私に殺せるわけがないのだった。私はどっと疲れて、女は放っておいてその日は寝ることにした。
 その晩は嫌な夢にうなされ、パジャマの背中に汗をびっしょりかいて目が覚めた。起きてくると床に置きっぱなしになった箱に女はいない。箱の中とフローリングの床に猫の泥の足跡がついていて、そういえば昨日は窓を閉め忘れていたのだ。
 なにかすっきりとして、すっきりとしたらお腹がすいてきた。私は冷蔵庫にしまっておいた昨日のイサキのお刺身でお膳に二杯もごはんを食べた。

書いているうちに6枚強になってしまい、短く詰めなおしたのでわからない話になったかもしれません。
詰めても長いです。ごめんなさい

次は「ごはん・火力・香辛料」追加「美味しそうな描写お願いします」
お腹がすきました。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板