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ライトノベル校資料室(校舎裏)

80第九話終章 ��FpmyYSro:2002/02/24(日) 18:15
―――半年後。放課後の職員室で2人の教師が話していた。
  「あはは〜、しかしどたんばでよく閃きましたね〜。
   あの出来事の記憶を『夢』として彼女に残すとは〜。」
  「うむ。これで意識不明であった彼女の記憶には連続性が保たれ、
   またもう一人の彼女の記憶と経験も矛盾無く彼女の中で生き続ける、という寸法である。」
  「あはは〜、それで?メカの彼女とは、どこまで行ったんですか〜?」
  「ぶっ・・・なな何を言い出すかね全く破廉恥なっ!ラ校は不道徳な行為は禁止でありそのようなムガムガ・・・」
  「あやや〜勿体無い。せっかく全部『夢の中の出来事』にしちゃえたのに〜。
   最近のメカノイドってぇ、かなーり『精巧』だって聞きましたよ〜?」
眉間に立て皺を刻んで黙っている教師の横顔を、女教師がにたにたと覗き込む。
  「・・・この悪魔めが。」
  「あはは〜、恋の天使と言って下さい!それよりほら、あそこ・・・」
見やると、半開きになったドアの陰に、おずおずと挙げられた手が見え隠れしている。
心なしか、半年前よりも恥ずかしがっている様な・・・
  「あはは〜、ま��、少なくとも『悪い夢』ではなかった様ですね〜。
   行け!��負だ不純異性交遊!気にしてられるか懲戒免職〜!」
  「ええい五月蠅いっ!一生言っておれっ!けっ」
毒づきつつ、いそいそと教師がドアに向かう。
取っ手に手をかけた時、その背中が呟いた
  「有り難う・・・!」
2つの足音がぎこちない和音を成して遠ざかって行く。

  「ふう。」
吐息一つ。何とは無しに、出て行った教師の机の上を見る。
小さな赤い座布団に、綺麗に磨き上げられた漆黒の珠が乗っていた。
彼はこの珠をとても大切にしている。一人の哀しい少女が存在した証なのだそうだ。
くるりと白い指先で珠をなで、女教師は独り呟いた。
  「手は届けども、決して掴み取ること叶わず・・・全ては儚き夢の向こう、か・・・。」
キーンコーン、と、古びたスピーカーから予鈴が流れた。
  「あわわ〜っ!今日の授業、私でした〜っ!!」
がばっと身を起こし、ばたばたと教材をまとめて職員室を飛び出してゆく。
ややあって、曲がり角の向こうから派手にバケツをひっくりかえす音が響いた。

今日もラ校は、概ね平和である。

―――了―――


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