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ライトノベル校資料室(校舎裏)
68
:
第九話第九章 ��FpmyYSro
:2002/02/24(日) 18:02
メカ重先生(いや、ナマ重?)と呼ばれたホログラフの男は苦笑したようだった。
「ああ、バレましたか。そう、私は君達がメカ重と呼んでいる教師のオリジナル体です。
そしてここは旧校舎を改造した私のラボというわけです。なかなかのもんでしょう?」
「・・・オリジナル?あなたは、メカ重先生本人ではないんですか?」
「授業の度にメカボディに魂を移しかえるわけにはいきませんからね。
メカ重には君と同じく独立型のコアを搭載しているのですよ。
耐久性とネタレス機能を重視した仕様だから、君の様に流暢にしゃべれませんがね。」
「えっと、どうして生身で授業に臨まないんですか?」
ナマ重はまた苦笑した様だった。自嘲気味に唇を歪め、呟く。
「―――私の長文じゃ授業になりませんよ。脳にブレーキが必要なんです。」
そのいじけたような表情に思わずことりも吹き出してしまう。こんな時なのに、妙に可笑しい。
「笑うことないでしょう?これでも結構切実なんですから。
しかしこれはまいったな。君が私の正体を知らないままなら、悪役がやり易かったのに。
これはやりにくいな。うーん、非常にやりにくい。」
その言葉に、ことらがはっと顔を上げホログラフの方を見る。
「おおう!ならば承諾いただけるか!感謝感激なりオルドメン!」
「オルド・・・いや、あのですね、ことら先生」
ぴくく、とナマ重のこめかみが引きつるが、ことらの喜びは止まらない。
「很好ッ!(大変良い)、助かるぞことり君ッ!ああこの喜びよふぉーえばー!」
「あ、ありがとうございます、ことら先生・・・」
ぶんぶんと両手を握られてちょっとどぎまぎしながらも、ことりの顔からも安心した笑みがこぼれる。
だが。ナマ重は笑わなかった。或いは、笑えなかったのか。どちらにせよ、彼は告げねばならなかった。
「―――残念ですが、決定は覆りません。彼女の記憶は消去させていただきます。」
辛い現実を。
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