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ライトノベル校資料室(校舎裏)

63第九話第四章 ��FpmyYSro:2002/02/24(日) 17:59
  「だ、誰!?誰かそこに居るんですか!?」
かろうじて悲鳴を呑み込み、ことりは声のした方を凝視した。
真っ黒な箱が床に転がっており、その中央から扇状に放射された光が、白衣の男性の像を結んだ。
  「ああ、私はこの部屋には居ませんよ。これはホログラフです。カッコよく映ってますか?」
  「あ・・・あなたは、誰、ですか?」
男は一瞬妙な顔をした後、はたと手をついて苦笑した。
  「そうか。そういえばこの身体で君と会うのは初めてでしたね。いや��失敗失敗。」
得体のしれない男はのん気にからからと笑っている。だがことりは威圧され、動けない。
  「とりあえず、それを見られたのは非常に面白くないですね。すみませんが『もう一度』眠ってもらいますよ」
その言葉にことりの金縛りが解けた。すくむ足を叱りつけながら問う。
  「待って!これは何!?なぜ私と同じ顔をした娘がこんな筒の中で眠っているの!?」
  「何って・・・彼女はことり君ですよ?正真正銘。おかしな事を訊きますね。」
  「だって私はここに・・・!!」

  「なぜそう言えるのかね?」

心が凍りつくのが分かった。なぜ?私は・・・その先の思考が空回りする。
  「ま��君がそう思うのも無理はない。そのように『造った』のですから。
   ことり君。―――便宜的にそう呼ばせてもらいますよ。
   ネジ助君から聞いたのですが、君は彼が暴投してしまったボールには『当たらなかった』。
   何故だか分かりますか?」
  「え・・・?それはさゆりん先生が・・・」
  「銃声は聞こえたかね?それにさゆりん先生が姿を隠す必要があるかね?」
  「え・・・え・・・」
  「ふむ。まだ理解できない様ですね。これならどうですか?」
ピ。と音がして。
ボム、と気の抜ける音を残して天井の爆発ボルトが飛び。
巨大な照明装置が降ってきた。

 ガキィィィン。どしゃ。ガラぱりん。

絶対死んだと思った。だけど自分はまだ生きている。―――なぜ?
両腕が、目の前に十字を組んでいた。ことりの意思に関係無く。―――なぜ?
その表面には割れた照明の破片がびっしりと並んでいた。痛くは、無かった。―――なぜ?
こんな時すぐににじんでぼやける筈の視界も、鮮明なままだった。

―――なぜ?


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