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ライトノベル校資料室(校舎裏)

60第九話第一章 ��FpmyYSro:2002/02/24(日) 17:58
地下の保健室を後にしたことりは、得体の知れない不安に苛まれながら廊下を歩いていた
なぜだろう、あの瞬間のことを思い出そうとすると頭の後ろがチクチクする。
さゆりん先生はもう大丈夫だと言ってたけど、本当に自分は大丈夫なのだろうか。
・・・。そもそも、校舎が消滅する程の爆発に巻き込まれて「頭が痛い」だけで済むのか・・・?
第4校舎へ向かう渡り廊下の真中で足を止めた時
  「危ねェ!!」
  「―――え?」
遠くで誰かが叫んでる、と思った時には大きな丸い物がことりの視界を埋め尽くしていた。

 ッパァァン!

強烈な破砕音が窓を振るわせる。
・・・だがそれだけだった。恐る恐る目を開けたことりは、ぱたぱたと身体を見回す。
  「?え、あれ?なんとも、ない?」
その時、だいじょぶかァ〜と、見知った顔があたふたと駆けて来た。
  「いやァ済まねェ。しめじの野郎とキャッチボールしてたらボールがすっぽ抜けちまってよ。
    ことり、怪我ねェか?どっか痛いとこねェか?ん?」
  「ネジ助、君・・・
    あ、わ、私、大丈夫だから。どこもなんとも。ほらほら。」
心配そうに顔色を覗き込んでくる級友にどぎまぎしながら、ぴょんぴょんと跳ねて見せる。
これには何故かネジ助の方がうろたえた。冷や汗を浮かべながら止めにかかる。
  「おォいおいあんまり無理すんなよ。なんたって病み上がりなんだからよ。
    もしまたいつかみたいに倒れたりした―――」
  「倒れた!?私倒れたの!?いつ?ねえどこで?教えてネジ助君!」
一瞬だけしまった、という顔をしたネジ助の肩をつかんで問い詰めるが、
彼はすぐにいつものやさぐれた、しかしどこか優しげな表情に戻って言った。
  「っといけねぇ、めぐみを家に待たせてたんだ。あいつまた熱出しやがってよ。早く帰って飯でも作ってやんなきゃな。」
  「ちょ、ちょっと、ネジ助君!」
  「じゃ��な!ちゃんと保健室いっとけよ!お前ェに怪我させたって、ことらセンセェにボコられンのは勘弁だからよ!」
  「あ、待ってよ!ねぇ!!」
止める間も無い。ネジ助は来た時と同じスピードで駆けて行った。
  「―――倒れた?私が?一体いつ・・・?」
呆然と立ち尽くすことりの横顔をビル風が煽り、さゆりん先生に手入れしてもらった髪が舞い上がった。
咄嗟に髪を抑えたことりの右甲から何か白い塊が剥がれ落ちるのが見えた。
不審に思って拾い上げて見る。それは、薄汚れた白い獣皮の切れ端だった。
縁は赤い糸でまつってあり、ほつれ、千切れている。
  「―――ボールだ。野球の・・・」


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