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F世界との交流その6

1reden:2013/01/14(月) 20:24:19 ID:Gpzc7RXM0
異世界と接触して起きそうな事態を、日常のレベルから適当に
妄想してみるスレです。

エルフ〜癒しの森の音楽集〜とか、コロポックルの「ご家庭用
フキノトウパック」とか、そんなもんが売られたらどうなる
だろ。ってな感じでネタや議論・考察してみませんか?

・荒らしは華麗に異世界へ転送。
・SSでもネタカキコでもなんでもあり。
・息抜きが目的のスレなので、リアルを求めずともよし。

115名無し三等陸士@F世界:2016/05/12(木) 06:31:25 ID:DRqsEcc20
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116名無し三等陸士@F世界:2016/07/10(日) 22:48:32 ID:A.D1FtvU0

 そらのいくさ 第1部「からっぽのたたかい」
 第3章 「九十七式重爆――202X.10第1週目・前編」

 7月12日 投下予告!

 ウニヴェルスム神聖連合帝国 VS 日本 開幕!

 なお、旧世界では人民解放軍との死闘が待ち受けている模様。以上予告でした。

117名無し三等陸士@F世界:2016/07/13(水) 00:04:00 ID:A.D1FtvU0
ほい、投下を始めます。

ちなみに遅れております。
Civ6がでると聞いて、久しぶりにCiv4BtsとCiv5BNW
ついでに、発売したHoi4をやってたら(ry

118名無し三等陸士@F世界:2016/07/13(水) 00:04:53 ID:A.D1FtvU0

  そらのいくさ
  第3章 「九十七式重爆――202X.10第1週目・前編」

  1.
 次々と、光の粒が膨らんでいく。
膨らむ光の粒の分だけ、弾けたとき、激しい光に包まれていく。
光の渦。光の泡。
中心点に輝く光の柱。

「おおおおおっ!」
誰かが、そう口にした。誰かがつぶやいた。誰かが――――

「――皆の者! 動いたぞ! 飛び込め!」
ウニヴェルスム神聖連合帝国の軍勢が光へと流れ込む。
『転移術式』。距離も時間も関係なく移動する『最高の長距離連絡手段』として利用される世界最高至高にして至上の大魔道工学の結晶。
膨大な魔道資源を稼働している限り消費し続け、おまけに転移物の質量によって、消費する資源量がさらに増える。
おまけに、送信側と受信側、双方に巨大な魔法施設と燃料である魔道資源を大量に用意してなければ稼働しない。
その性質とコストパフォーマンスから、通常の大国でも自国内での城塞都市防衛戦に限ってのみ、軍勢の移動に使用するそれ。
軍勢といってもせいぜい、転移物質量の関係から多くても千人ほどのそれ。
にもかかわらず、プラスアルファをつけたうえで三千の兵員を送り込む。それも侵攻作戦に使用する。
それが示すことはただ一つ――――!

「圧倒的な国力! 圧倒的な戦力! 圧倒的な敵の油断! 圧倒的に我らの方が敵地を調べている!」
これこそが! ウニヴェルスム神聖連合帝国!
ゴンドワナ大陸の覇者! 世界秩序の管理者! 
我らはその先兵なり! 覇者の軍勢なり! 王者の兵隊なり! 我らは大陸の統率者!

119名無し三等陸士@F世界:2016/07/13(水) 00:07:04 ID:A.D1FtvU0
「さぁて、行きましょう。我らが全力出して暴れることが出来るのはせいぜい3日。現地での略奪がそれ以上の行動を可能にする唯一の方法です。故に、2日で一定の目的が果たせるようにお願いしますよ」
「分かっている」
今回の軍団は、混成部隊だ。連合帝国に属するいろいろな軍隊の『はみ出し者』が集められた混成部隊。
エミル・ライオーノフ。
ザスティン・ハフレリオ・ダー・グジュラナード。
グラディス・フラドベラーグ・ラーフ・シュタインブリュック。
3人の将軍たち。2人は同格、1人はまとめ役。
ただし、エミル・ライオーノフは間違いなくいわゆる平民階級出身故に、結果的には一番下っ端の将官ということになる。
たった3千の軍勢に3人の将軍。それこそが、軍団の内情をきわめて簡潔に示しているといえるのかもしれない。
そもそも、連合帝国という国はもとが、4か国の大国を中核に出来た巨大な軍事同盟が一つの連合国家となったのが始まりである。
それゆえなのか、ウニヴェルスム神聖連合帝国の軍制は――なかなかにいびつだ。
5人一組の『伍』、その主である『伍長』、10人一組である『火』とその主である『火長』、そして100人一組である『百人隊』と『隊長』そして、3個以上の百人隊を『軍団』と表現し、軍団を指揮するものを『軍団長』と呼ぶというのが――連合帝国の「一部地方軍制」だ。
そもそも連合国家であるがための欠点といえるのかもしれない。地域ごとによって軍制に違いがあるのだ。
あるところでは10個の『大隊(コルホス)』からなる5000〜7千人規模ので1個軍団となるくらいである。
同じ『1個軍団』でも300人から軍団と呼ぶ地域があれば、5000人の兵力でもって軍団とする地域。これほどまでに違いがある。
それでもなお、連合帝国が大陸諸国すべてを相手に戦争を行えるのはバカみたいな過剰な国力とそれ以上に、軍師組織『軍配府(ウィクトール・ヴィア)』という名の参謀本部的存在によるものの影響がきわめて大きいといえるだろう。
『勝利者への道(ウィクトール・ヴィア)』はもともと、軍師たちを育成し、そして軍師たちの考えた作戦実行のサポートを行う組織だった。
かつての時代、世界を相手に覇を唱えた軍事超大国『空の帝国(カウエル)』。そして、それに立ち向かった軍事同盟。
カウエルとの10年以上にわたる大戦争で統一された指揮系統や補給体制、そしてそれを支える根本的な生産力と適切な交通管理の有無が戦争の勝利につながると理解した対カウエル軍事同盟だったが、所詮は同盟軍。ではどの国の指揮官が統一指揮官になるのかともめにもめた。
言葉だって違えば、長年の係争を抱えた者同士というパターンだってあるのだ。そういう選定は厳密に行わないといけない。
とりあえず1か月交代で統一指揮官を各国が務めることになったのだが、いきなりこれでうまくいくはずないという事は各国ともにわかっていたのである。
そういう事から、将軍の選定以上に必要とされたのが恒常的に組織だった作戦計画立案集団である。それが『勝利者への道(ウィクトール・ヴィア)』と名付けられた軍師組織、軍配府である。
それゆえに『軍配府(ウィクトール・ヴィア)』の本義は、多種多様な違いを当たり前としたうえで効果的かつ合理的に勝利得るために準備を行う事。すなわち補給戦の実施と遂行。
そして、将軍たちの補佐と確実な勝利を得るための計画性。
何時しか、作戦の軍師、決断の将軍と呼ばれるようになる体制がここに完成した。

120名無し三等陸士@F世界:2016/07/13(水) 00:08:43 ID:A.D1FtvU0
『軍配府(ウィクトール・ヴィア)』の軍師は必ず2つ以上の選択肢を将軍に提示し、提示したときにはどんな選択肢であろうとも実施に必要最低限の準備をすべて終えている。
将軍はそれを選ぶという決断を行う。そして、軍師の作戦道理に物事は進められ、もしも軍師の作戦にない事態が発生すれば軍師ではなく将軍が事柄を決断する。
それこそが、連合帝国。ウニヴェルスム神聖連合帝国という巨大な戦争機械を動かす仕組み!
庶民でも将軍となりえる国。貴族を将軍とする国。ただの貴族ではなく領主貴族、可能であれば大諸侯と呼ばれる者こそが軍事の本懐であるとする国。
エミル・ライオーノフ。
ザスティン・ハフレリオ・ダー・グジュラナード。
グラディス・フラドベラーグ・ラーフ・シュタインブリュック。
3人の将軍。それらにあてがわれる軍師たちもまた内情を示してるような身分階級であったり出自であったりと様々だ。
『多様性』。それは制御できれば巨大な力となる。繁栄をもたらす唯一無二の種となる。
だからこそ、多様性を尊ぶ声は尽きないのだ。純粋性は確かに強靭だが、何か別の力が外から加われば脆い。
とはいえ、多様性とやらは制御を間違えればただの混沌に過ぎない。
秩序を尊び、純粋性を選ぶか、そして硬直化と外圧の脆さに苦しみながらも繁栄を謳歌するか。自由を尊び、多様性を選ぶか、そして軟弱性と内圧の混沌に苦しみながら繁栄を謳歌するか。
それぞれのお国事情とは深いものがある。
新旧両世界、どこの世界に限らず。

「ライオーノフ卿……と言って大丈夫かな?」  「ハフレリオ卿、お戯れを。ライオーノフでよいですよ」
「ふむ、では、セノー・ライオーノフ。君とはこの作戦に参加するにあたって色々と話をしていたが、それでも立場の違いというのは大きく、色々と見識の違うところがあったからね。だが、今は少しばかし仲良くやっていこうじゃないか。こうも未知の大地だとな」
彼らが見るのは灰色の大地。広大な都市。
『軍配府(ウィクトール・ヴィア)』から派遣された女軍師の一人、エレナ・アビラは覚悟はしていたが、あまりにも現実的とは思えぬ風景にめまいを感じてしまう。
報告は受けていた。常識が通用しないと。だが、こうして建物一つ見ただけでそれを実感してしまった。
だから――――

「――これより、この地を蹂躙し、一時占領地を得るのだ。本国が本格的に動くまで、さて、我らはどこまでやれるかな?」
将軍ザスティンがジョッパーブーツで踏みつけるもの。血に汚れた髪。かつて、この国に秩序を守るものとして存在した命。
刑事さんと皆に呼ばれ、憧れる人。
その、頭蓋――――――――

                   ――守るべき秩序は破られた。
後に残るのは、反秩序の権化たる征服者の雄たけび…………ただ、それ……のみ。

121名無し三等陸士@F世界:2016/07/13(水) 00:09:25 ID:A.D1FtvU0
  2.
 中華人民共和国、人民解放軍北海艦隊。
中国海軍の事実上の主力は前々から南海艦隊と南海第2艦隊であるといわれていた。確かに首都北京を守る様に控える北海艦隊には毎年莫大な予算が与えられ最新の艦影も次々と出ている。だが、中国初の空母――といっても廃棄予定の中古以上のボロ、ワリャーグ――は南海艦隊に配備されたし、そのあとに続く国産空母も真っ先に南海艦隊に配置された。
中国が海洋で起こす国境紛争のあれこれはほぼすべてが南海艦隊が受け持つ範囲である。故に――事実上の主力は南海艦隊と、国産空母を中核に新編成中の南海第2艦隊であるといわれていた。
だが、そんな言葉を言われて黙っている北京軍区と北海艦隊ではない。中華思想というのは大雑把に説明すると中央から離れれば離れれるほど文明の光は薄れ、野蛮な世界が広がっているという価値観だ。
その価値観がまだ強く息づく中華人民共和国。
別にこういう中央万歳な価値観は世界中で見かけるものだ。中には国単位でそういう価値観や偏見を持つものだっている。
一昔のフランス人にしてしまえばフランス文化こそが文明であり、そこから離れれば離れるほどフランス文化という文明の光が薄れ世界は野蛮になっていくという考え方がよくあるものだったし、平安時代の日本を見れば京の都より遠い東北地方の人たちは悪鬼呼ばわりである。
さらにさらに、今の日本国内においてもそうした、価値観が絶対に欠片も残っていないと、誰が言えるだろうか?
首都東京が大都会であり、その経済力やその他さまざまなものがいかに優れていようと、東京の外の人間にとって全国放送、都内でレストランめぐりがどうのこうのゴールデンウィークで都内から距離が云々と、どーでもいいことと、周りの都道府県民は思っていないだろうか。そんな都道府県民の考えを知ったことかと東京都民は持っていないと絶対に言えるだろうか。
他にも都道府県の県庁所在地とそこから離れた小さな村落。さて、彼らを田舎者と言い出す地方都市人。これは自らが優位な存在だという思いだといわれて、どこまで強く否定できるだろうか。
こうしたものは、どこの国でも大なり小なりあるものである。だが、同時に時代や文明の進みによっておおむね都会と田舎の区別程度に収まっていく。
だが、その価値観の強さが中華人民共和国の現指導部は半端ではない。彼らには華夷秩序を再びという野望がどこかにあるのかもしれない。
中国内部の政争は今や銃撃戦が日常的に行われるようになりつつある。ある者が曰く、共和国は事実上の内戦状態だという。中国は今では台湾、ベトナム、インド、インドネシアにフィリピンを敵に回し下手をすればオーストラリアにロシアも中国の敵になりかねない状況になりつつある。
日本ともすでに交戦している。
まさに全方位が敵となり、彼らが目指していた『真珠の首飾り』は明らかに破綻していた。
中国は決定的な弱点を保持している。そう――石油と食べ物がないのだ。
一応油田が全くないわけではない。有名な大慶油田をはじめにカラマイ、勝利、遼河、タリムなど様々だ。だが、それらを一生懸命とっても今の中国には油が足りない。そもそも、それらの油田は質が悪いが故に精製にひと手間かかったり、掘りすぎて出る量が、もう少なかったりとしている。
そのために中国は2010年ごろにはすでに世界でも有数の石油輸入国となっていた。石油だけではない。飢餓は革命を呼ぶ。
今の中国に13億人の人口を抱える食料生産能力はない。
だからこそ、中国は油と食べ物を求めて海の進出を図り、様々な国との軋轢を発生させたわけだが――――。
――――さながら、18世紀、19世紀の植民地帝国主義全快のヨーロッパ諸国のように……。

「だからか……」
転移現象にも巻き込まれず、星の海に取り残された日本による日本国のための日本国の人工衛星から送られてきた画像を前に防衛省の人間はそうつぶやく。

122名無し三等陸士@F世界:2016/07/13(水) 00:10:53 ID:A.D1FtvU0
「三等国(無主地)は先に力で制圧したものが己の領土となるッ! 大昔の国際法理屈を振りかざすつもりかっ!」
「――それだったら、先に発見した我が国のものだ、奴らは何を考えている?」
分かっている事だ、奴らの狙いは新列島の自噴するほどの大油田と肥沃な大地。

「……所詮、野蛮人共か! 中国人どもは!」
人工衛星には、それが移っている。
北海艦隊の揚陸大部隊の姿が――――。
――既に陸上自衛隊西部方面隊の12式地対艦誘導弾を運用する第5地対艦ミサイル連隊が新列島には展開しつつある。新列島は今までの日本列島と若干形状が異なり、「く」の字を逆に、そして3つほど重なったような形状をしている。
そこに様々な付属の島々が並んでいる形状だ。
とはいえ、今までの日本列島を考えるとちょうど中国地方と新潟のエリアに中国軍は上陸を図っている。
既に上陸第1陣が降り立っているが、そこから先は既に現場に到着していた陸上自衛隊の奮闘によって何とか食い止めている。だが、この状況で第2陣が降り立てば拮抗は崩れることはだれの目にも明白だった。

123名無し三等陸士@F世界:2016/07/13(水) 00:12:36 ID:A.D1FtvU0
「分かっていると思いますが、いったいいつになったらいつも威張っている人たちは活躍するんでしょうかね?」
「…………」
何処の国でも陸軍と海軍というのは仲が悪いのが結構ふつうである。それでも国防のために団結し、優秀な数々の政治家たちの導きにより陸海空は祖国を守るために邁進する――というのがあるべき形のはずであるのだが……

「すでに第4護衛隊群が出発いたしました。問題はないはずです」
旧帝国陸軍と旧帝国海軍の再来かといいたくないほどの険悪なムードが陸自と海自の幕僚たちの間に流れていた。
最もすべての陸海幹部がそういう状況というわけではないが、それをおいてもという奴である。
その間をおろおろする空自幹部の幕僚が1人。ほかの空自幕僚はもうどうにでもなれ〜といった態度で溜息をついていた。
旧世界の海ならともかく新列島周辺の海底地形やらなんやらの情報は急ピッチで進められているが、それ以上に、赤いオーロラの向こうに広がる旧世界と新世界と2つの世界で詳細かつ安全な海図を作るのには少々手間暇がまだかかる。
そもそも海上自衛隊第1護衛隊群は中国の潜水艦が跋扈する東南アジアを経由して入ってくる日本のタンカーを防衛するために出払っている。第1護衛隊群に所属する艦船はローテーション? 何それ、食えんの? といわんばかりに横須賀より出払っている。
というよりも、新世界の未知の海、新列島以外は既存の知ってる海である旧世界のアジアの海。どちらが安心して航海出来るか――という問いに対し旧世界という答えが真っ先に出るが所以である。
それが結果として、旧世界の外洋では積極的に活躍するくせに、日本国領土にはなかなか近寄らない海上自衛隊といういびつな構造が発生した。
そもそも、海軍の役割は現代においては大雑把に三つ。
一つ目は『沿岸防衛』、二つ目は『上陸作戦』、最後に『核抑止力』。
日本が非核保有国なので、三番目の核抑止力に関しては仕方ない。日本には海外領土があるわけでも大規模な海兵隊的組織があるわけでもないので上陸作戦に関してもある程度限定的な規模であるのは仕方ない。
となれば、必然的に海上自衛隊が目指すものは一つ目、『沿岸防衛』。
だが、

124名無し三等陸士@F世界:2016/07/13(水) 00:14:09 ID:A.D1FtvU0
「あなた方はいったいいつになったら、日本領土の海を守ってくれるんでしょうかね?」
その嫌味な陸自幕僚のセリフが海上自衛隊側の自衛官たちに突き刺さる。もしも、これが第3次世界大戦の真っ最中でなければ、おそらくそんな責め立てるようなセリフは出なかっただろう。
だが、あいにく今は戦時であり非常時であり有事なのだ。
新列島の海域はまだわからないことだらけだ。自信満々に出港して座礁などしたくない。新世界の海は何があるかわからない。本当の日本列島を取り巻く海がちゃんと安全な海底地形をしているのかもわからない。
何もかもがわからないからこそ、海上自衛隊は動けない。
というより、自衛艦隊よりも地方隊所属の掃海艇やミサイル艇以外ろくに使い物にならないのが現状である。海上自衛隊の花形であった自衛艦隊などよりもはるかに国民の目には地方隊の頑張る姿が映っている。
だからこそ――――活躍が――――
――千葉県の鉄道車両基地から、続々と出発する電車があった。それらに乗せられているのは国内の精製プラントで持って生成されたガソリンやガス、そして大量の5.56mmNATO弾。
アメリカが役に立たない今、日本の補給は日本がやるしかない。鉄のレールの上を走る鉄の車両が向かう先――そこには赤いオーロラに覆われた場所。
地上にまで降りてきて、いまだに消えぬ赤いオーロラは太平洋北半球に広がっている。
しかし、一部のオーロラが房総半島太平洋側に突き出ているのだ。常時。
それを利用した。本当は鉄道などではなく、アスファルトの舗装道路を通すべきなのだろうが、あいにく2か月で新列島への道のりのすべてを舗装する事など、かなわず、ましてや戦時の影響で資源統制が加わっている現状。
新列島そのものの舗装だってまだまだ進んでおらず、砂利道レベルなのだ。
そもそも、まだまだ未踏エリアのほうが圧倒的に多い。全体の90%はいまだどんな空間なのか把握できていない。
そういう状況下、軍事的な物資やらなんやらを鉄道という安くそして確実性の高い手段での輸送に行きつくのはある意味仕方ないのかもしれない。
だが、遠からず舗装は行われるだろう。それまでの代替手段だ。
そして、鉄道車両に行先は決まっている。
そう――『反撃の補給所』だ。
陸上自衛隊は新領土に侵入してくる愚か者どもを撃破するために牙を磨く――――。
――ところで、今、日本が相手をしている戦線はいくつあるのだろう?
東シナ海や南シナ海におけるシーレーン防衛と台湾海峡、そして、旧宮古海峡防衛のために活動していた、第4護衛隊群に属する艦艇が次々と北上を開始する。
松島で、百里で、横田で航空エンジンが唸り声をあげ、その独特な金属音を振り撒きながら、飛び立っていく。
『空自補給本部(AMCH)』のおかれた十条では、次々と幕僚や幹部たちが書類を持って走り回る。日本全体が、戦争を遂行するべく動き回るその中で……。

「失礼します。九州各地で異常事態が発生したという一報が――――」
――武力攻撃事態法。日本国有事の法律でありそれに基づき、中国軍の新列島への侵入を排除する。
それが閣議決定したのとほぼ同時刻に交わされた会話はのちに情報公開された議事録によって国民から大きな失笑を買うことになる。
あきれ半分、戸惑い半分といったものだ。
同時に、当時は仕方なかったという援護の声もいっぱい出ることになった。その会話というのがこうである。

125名無し三等陸士@F世界:2016/07/13(水) 00:14:45 ID:A.D1FtvU0
「謎のコスプレ武装集団ごときに、自衛隊の派遣など! 何の意味があるのですか! 第一彼らは外国の武装勢力と決まったわけではない」  「しかし、彼らは刀剣類で武装し!」
「銃に大砲! 戦車に軍艦と戦闘機! 下手をすれば何万の兵士がやってくる! ゾンビメイクの群衆、武装といっても、弓矢と剣! 精々数百程度! 早急に対処すべきなのはどちらか、明らかでしょ! みょうちくりんなコスプレ連中なんて警察で対応が十分可能なはずです!」
そう、この時点では連合帝国軍の軍勢は、『謎のコスプレ武装集団』という扱いでしかなかったのだ。
実際、目の前に強盗がいる状態で遠くの場所で妙な伝染病に苦しんでいる人が倒れている風景など気に留めることは出来ない。
潜在的な脅威度では伝染病のほうが高くてもだ。
だが、そんな理屈。真正面切って戦う警官たちにしてしまえばクソ食らえだろう。
村松巡査部長は赤黒く染まっていく鮮血の海に沈むかつての部下の姿を発見する。

「……ッ…………」
だが、どうすることも出来ない。何故ならば彼自身、腹に大穴をあけろくに呼吸もできないからだ。
村松の睨みつける先には――――全長2メートル以上はある真っ赤な目をした真っ黒い犬の様な生き物が鎮座していた。
『死を告げる妖大犬(ヘルハウンド)』。
連合帝国軍の妖術師が操る魔物たちが、そのつながれた鎖のくびきからすべて放たれようとしていた――――。
――旧世界の摂理に従い、旧世界の戦いに動く日本。しかし、足元に新世界の戦理が転がっている……。

126名無し三等陸士@F世界:2016/07/13(水) 00:17:30 ID:A.D1FtvU0
今日はここまで! 日本VS連合帝国と言いながら、本格交戦とはまだ言えない状態ですねぇ……

ちなみに最後の瞬間は派手に吹っ飛ばすつもりですので……






民主主義大東亜共栄圏で対ソ戦プレイをしようと思って、経験値稼ぎに軍閥殴ったら予想外に泥沼化してんじゃねーよ!
少し、次回遅れます。

127F世界逝き:F世界逝き
F世界逝き

128名無し三等陸士@F世界:2017/02/10(金) 15:34:35 ID:PYGWWUS20
h ttp://ux.nu/zxhL2

129F世界逝き:F世界逝き
F世界逝き

130名無し三等陸士@F世界:2023/03/03(金) 19:09:25 ID:ElezjSws0
日本とF世界が戦争になる理由を考えてみた


日本国領事館の前で、様々な服装の男たちがマスケット銃や手斧などの武器を手に殺気立った怒声を浴びせる。
「この1年で魚の値段が4割も下がったんだ!」
「商売あがったりだ!」
「日本のお役人はワシらに死ねというのか!」

対して、領事館を警備する領事館警護官の海兵隊員は自動小銃を抱えて“衛兵の如く”静かに佇んでいる。
もう、このような抗議活動が毎日のように、3ヶ月以上も続いている。
領事館へ向けての直接的な発砲こそ無いが、石やら何やらを投げてくるものは大勢居るし、拳銃で自決するものは居た。

日本の民間船舶が多く出入りし、日本軍が錨泊地としても活用する港町であるので、地元住民の日本国や日本人への憎悪は日に日に強くなっている様子だ。

市場では値崩れが問題になっているが、実は日本は“法外に高い”魚介類を主に輸出している。むしろそちらが主力だ。
水産庁や経産省は、日本の高品質な輸出品をブランドとして確立させたいので、安価な製品の輸出には慎重である。
日本の品質管理基準で漁獲から加工までされた新鮮かつ美味な魚介類は、この世界の美食家をして「私は今まで本当の魚の味を知らなかった」と言わしめたほどだ。

一方で高価なブランド製品でないもの。日本国内では商品にならない規格外の魚介類も比較的安値で輸出している。
魚を食べているのか金貨を食べているのかわからないと言われるほどの法外な値段に比べれば安値という意味で、決してこの世界の相場に比べて安値というわけではない。
それに日本国内では商品にならないといっても、冷凍冷蔵設備を備えた近代的な漁船による漁獲だ。この世界の既存の漁船によるものに比べれば品質は段違いに良い。
輸出したもので何かあれば安かろうとブランドに傷つくのだから、基本的な品質管理は当然で、それまでなら缶詰にするようなものを一尾単位で売っているだけだ(缶詰自体は物珍しもあって銀貨や金貨で取引される。鯖缶1個1万円は冗談ではない)。
しかも漁獲量も桁違いに多い。日本側からすれば比較的少量の輸出であっても、現地の物価を乱すには十分すぎる量だ。
日本側としても、水産関係者が今までどおりの収入を維持するには、半分押し付けだろうが売らないわけにはいかないので、自由貿易という名の下に輸出を強行している。
実際日本産の食品は値段の割に高品質なので需要はあり、自由な貿易という意味ならばもっと多く輸出しても買い手はつくだろう。
水産業の場合は内需が主力なので輸出量が元々それほど多くないというだけだ。

現地の市場に並ぶ魚介類の量が急に3割増えて、しかもその3割が今までより少し高いくらいの値段で今までより遥かに高品質となれば、新たな3割の人気と反比例して既存商品が値崩れするのは当然の成り行き。
質で対抗できないから価格で対抗するしかなく、薄利多売の値引き合戦から、遂に赤字確定でも売るという段階まで来ている。
ライバルが廃業して供給が3割4割減れば価格がある程度落ち着くだろうという過酷な消耗戦である。

しかも、困ったことにこのような事態は別に水産関係者だけの話ではない。
ほぼ全領域の産業で似たような事態が起きている。

日本国内での内需が主で輸出品の量が相対的に低い農業や漁業はまだいい方なのだが、それでも自動車や半導体、化学製品などの輸出がほぼ封じられた分を、食品や軽工業製品の輸出で支えようとすらしているのだから、財務省や厚労省まで輸出圧力をかけてくるのは当然と言えた。

転移初期の、燃料が無いから操業できないという苦から、燃料事情が安定してきたら現地への供給過剰で不満噴出という苦へ。

今に……。
この実弾が込められたマスケット銃が領事館に向けて火を噴く日が来るかもしれない。
標的は門番として立つ自分かもしれない。

そんな不安が的中するのは、それから暫く経った日の事だった。

131名無し三等陸士@F世界:2023/09/12(火) 19:29:32 ID:0VKeZKa60
面白そうなスレだけど、ここって止まってるっぽい?
稼働してる時に来たかったな

132名無し三等陸士@F世界:2023/12/25(月) 09:47:55 ID:zhzU3pYE0
再稼動を期待してage

133名無し三等陸士@F世界:2024/01/03(水) 23:58:23 ID:ukOAuRgg0
ちょっとした短編を思いついた時とかに使えば人が集まってくるかも?

134名無し三等陸士@F世界:2024/01/07(日) 23:46:11 ID:V6RiJjsg0
ああ、ここでそらのいくさ連載していたのか
久しぶりに作品名見た気がする

135名無し三等陸士@F世界:2024/04/05(金) 17:20:38 ID:fWZ.Msk20
投稿サイトが充実してるから掲示板に投稿する人が減ってきたのかもな

136名無し三等陸士@F世界:2024/04/27(土) 23:43:32 ID:LqTNlpgQ0
掲示板だと誰も守ってくれないし作品も保護されてないから


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