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架空の軍隊がファンタジー世界に召喚されますた 2

1タイフーン ◆sePHxJrzaM:2007/02/28(水) 21:36:35 ID:eImMvDlU0
架空の軍隊がファンタジー世界に召喚された場合のスレです
議論・SS投下・雑談、全て大歓迎

近代兵器VS剣と魔法
近代兵器VS近代兵器
剣と魔法VS剣と魔法

枠に囚われないで新たなジャンルを開拓すべし

・書きこむ前にリロードをしてください。
・SS作者は投下前と投下後に開始・終了宣言を。
・SS投下中の発言は控えめに。
・支援は15レスに1回くらいでお願いします。
・嵐は徹底放置。完全無視でお願いします。脳内あぼーんで。
・SS職人常時募集中です。
・以上を守り、楽しくスレを進行していきましょう。

578ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2015/12/05(土) 00:19:57 ID:RFdlCuco0
遅ればせながら、投稿乙であります。
この国家元首。非情ながらも出来る人間のようですね。
敵で厄介なのは頭が回り、程よい行動力を持つ奴ですから、シーポ連邦相手に
この後も苦戦を強いられそうだ。

しかし、シーポ連邦は海軍も有しているのかな。
海軍があれば、アイオワ級やデ・モイン級でしゃぶり尽くしたい物です(外道

579名無し三等陸士@F世界:2016/01/04(月) 18:53:37 ID:slWvxhaw0
他人の戦争に、自分たちだけ真面目に戦争をする意味がわからない
どんな魔術的拘束をはめられているか、はたまたどんな人質を取られているかの説明が無いと
どんなクズぶりで、どんなクズすぎる手で、ヘイトを貯めても暴発させられないのかを

>>578
全部、シホット以下のルケンのクズどもがフレンドリーファイヤで台無しにしてくれるような気がする
1話も、敵弾よりも、味方に下劣な目的で打つときだけ当たる弾が怪しい

580外パラサイト:2016/01/11(月) 15:16:21 ID:rrOxNttA0
投下します

581外パラサイト:2016/01/11(月) 15:17:13 ID:rrOxNttA0
「ザッケンナコラ――――――――――ッ!」
お花畑に出かけたくなるくらいよく晴れたある日、カレアレク宮殿に野獣の咆哮が木霊した。
もっとも宮殿内で野獣を飼っているワケではない、正確には怒り狂ったミレナ・カンレアクの野獣の如き叫びである。
「あのホモ野郎!梅毒で色キチのコミュニストのビチグソがぁ――――――――――ッッ!」
例によってレッシ大統領からの書簡―その内容は「お前らが頼りないせいでルネリア半島から追い出されそうだどうしてくれる、カレアントは責任を取ってルケン亡命政府を受け入れて王宮を明け渡すべき」という身勝手極まりないものだった―を一読して怒髪天を突いたカンレアク女王はミニスカートとオーバーニーソックスの間の絶対領域も悩ましい(サービスその1)ナイスバディを独楽のように旋回させ、鍛え抜かれた四肢をもって室内の家具を破壊していく。
「こっちは10年越しの大戦争をやっとのことで終わらせて動員解除の真っ最中だったのよ!いきなり異世界に呼び出されて戦えって言われて一日二日で戦時体制に戻せるワケないでしょーがっ!」
カレアントが<こちらの世界>に召喚されて一か月と二週間が経過していた。
訳も分からないうちに「とにかく助けてくれ」と泣きつかれ、持ち前の義侠心から参戦を決意したカレアント軍はルケン民国軍がまるでアテにならないため、戦線の崩壊を食い止めるべく大隊から連隊規模の部隊を五月雨式に派兵している。
間の悪いことに<こちらの世界>に召喚されたときのカレアントは対シホールアンル戦争終結後しばらく平和が続いたこともあって動員解除を進めている最中であり、陸海空軍の総兵力は最盛期の五分の一以下に削減されていたうえ、実戦で鍛えられた将兵の多くは除隊して町や田舎や森の中に帰っていた。
幸い余剰兵器の大半は「壊すのも手間だし第一勿体無い」というミレナの言葉により破棄されることはなかったものの、多くは野ざらしに近い状態であり再整備には多大の時間と労力が必要だった。
戦力の逐次投入は下策であることは百も承知だが、再招集に応じた予備役兵を大急ぎで再装備して用意出来次第半島に投入せざるを得ないカレアント軍は、兵力で勝るドルカヴ人民共和国軍の怒涛の攻勢の前にルネリア半島の戦場で後退に次ぐ後退を重ねていたのである。
自国軍のふがいなさを棚に上げ、カレアントの事情など知ったことではないとばかりに非難の言葉を浴びせてくるルケン政府の態度を思えば、ミレナが爆発するのも無理はない。
周囲に控える侍従や親衛隊員は横倒しにしたテーブルを盾にして吠え狂う女王の狂態をただ見守るだけ。
やりたいようにやらせてストレスを発散させたほうが早く落ち着くことを、女王との付き合い方を熟知する彼ら彼女らは心得ていた。
それにしても「シャーマン戦車が乗っても大丈夫」という触れ込みでアメリカから取り寄せた最高級事務机を「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」とドスの効いたシャウトを放ちながら空手チョップで“解体”していく女王陛下というのもいかがなものであろうか。
「ハーッ、ハーッ、ハーッ……」
疲れ切ったミレナが動きを止めたところで親衛隊員の一人が素早く沈静効果のあるジコン茶を差し出す。
大きく息をつく度に、シャツを盛り上げるマスクメロンの如き二つの膨らみがたゆんたゆんと扇情的に揺れた(サービスその2)。
「アリガト、落ち着いたわ」
お茶を飲み干したミレナはかーべータンの152ミリ榴弾を喰らったかような室内の惨状に目をやり、ちょっとだけ「またやっちゃったか」という表情を浮かべると、すぐさま自信に満ちた女王の顔を取り戻す。
「ココは“少し”散らかってるから場所を移しましょう」

582カレアントの異世界戦争:2016/01/11(月) 15:18:18 ID:rrOxNttA0
「じゃあ始めて頂戴」
女王執務室から2ブロックほど離れた会議室で、着席したミレナは円卓を囲んだ閣僚たちを見回した。
円卓の上には木の実やら干し肉やらチョコバーやらを山盛りにした皿がいくつも並んでいる。
人生を楽しむことを自重しないカレアント人は、国家の命運を左右する重要会議の席でもおやつは欠かさないのだ。
ちなみにチョコバーとアイスクリームは女王の肝いりで対シホールアンル戦争中から国産化が進められていたりする。
分厚い書類の束を手にして眼鏡をかけた猿顔の閣僚が立ち上がった。
「まず“この世界”のおおまかな成り立ちについてこれまでに判明した事実をご説明いたします」
カレアント公国が召喚―より正確かつあからさまな表現をするなら“拉致”―された<こちらの世界>は、西のムノベス、東のセボンジという二大陸と周辺の島々で構成されている。
科学文明は地球基準でおおむね1930年代後半から40年代前半といったところだが、科学で実現不可能な分野を補完する形で魔法文明も存続している。
この辺りはアメリカの影響で機械文明化が進んだ<元の世界>に似ていなくもないが、厄介なのは<こちらの世界>の文明国家の構成員が全てヒト種で占められているということだった。
エルフとダークエルフは辺境に追いやられ、砂漠の遊牧民かエスキモーのような生活を強いられている。
獣人に至っては百と十三年前に“絶滅”していた。
<こちらの世界>の歴史書には獣人は劣等種族であるが故に滅亡したと記されているが、実際は獣人の純朴さにつけ込んだヒト種が裏切りとだまし討ちを重ねて滅ぼしたのである。
「つまり<こちらの世界>では私たちは対等な取引相手とは見なされないということね?」
「よくて奴隷、下手をすると家畜でしょうな」
「ザッケンナコラーッ!」
「スッゾオラーッ!」
激昂する閣僚たち。
ミレナほどあからさまに暴力的ではないとはいえ、カレアント人の沸点はおしなべて低い。
勢い余って脱衣&マッスルポーズを決める閣僚もいる。
お前らとりあえずもちつけ。
「ハイハイ、暴れるのは会議が終わってから!」
すでに暴れるだけ暴れてスッキリしている女王が声を張り上げて場を収める。
「では続きはワタクシが」
いち早く理性を取り戻した狸顔の閣僚が説明を引き継ぐ。
「我々を拉致――もとい、召喚したルケン民国、そしてルケン民国と交戦状態にあるドルカヴ人民共和国はもともと<ルネリア王国>という一つの国家でした」
だが二十年前、西の隣国スバルヘで赤色革命が起こり、皇帝一族を処刑してシーポ社会主義連邦共和国の建国を宣言すると、これに呼応するかのようにルネリア国内でも共産ゲリラの活動が活発化する。
ルネリア王家は海を隔てた西の大国セフンテに援助を要請、ルネリア国内の共産ゲリラは当然のごとくシーポ連邦に支援を求め、共産主義VS資本主義というどこかで見たような対立軸に沿ったゴタゴタが一年半ほど続いたあと、ルネリア半島を均等に二分して大陸側にドルカヴ人民共和国、海側にルケン民国が成立したのが五年前のことである。
それからの五年間は国境を挟んでの挑発合戦こそあったものの、シーポ連邦とセフンテ連合王国という二つの大国の力の均衡によっておおむね平和は保たれていた。
保たれていたのであるが、半年前に事態が急変した。

583カレアントの異世界戦争:2016/01/11(月) 15:19:27 ID:rrOxNttA0
行き過ぎた自由主義経済によって貧富の差がシャレにならないくらい拡大したセフンテでは国民の九割以上を占める貧乏人の不満度が高まり、国内は気化したガソリンが艦内に充満した珊瑚海海戦のレキシントンみたいな状況になっていた。
そこに首都マプチークで失業者のデモに軍隊が発砲するという特大の火花が投じられたのである。
暴動は瞬く間にセフンテ十六州に拡大、事実上の内戦状態に陥ってしまった。
泡を喰ったのがルケン民国である。
一応自前の軍隊を持ってはいたものの、その実態は張り子の虎であった。
機甲兵力としてはセフンテから輸入したヘリック・ダーリ社製T03戦車があるが、これは我々の世界でも第二次大戦前に流行した二人乗りの豆戦車で、武装は機関銃と対戦車ライフルが一丁ずつ、装甲は当たり所によってはライフル弾にも貫通されるというシロモノである。
航空戦力としてはやはりセフンテのメダコリヤ社から購入した単発複座の多用途機Dk42を保有していた。
これは「一機で戦闘機と軽爆撃機を兼ねるうえ財布にも優しい優秀機」という触れ込みだが、しょせん二流メーカーが小国向けに開発した機体であり、その性能は練習機に毛が生えた程度のものでしかない。
そのうえ軍も役所も汚職の巣窟なので、せっかく買った重装備も中抜き&共食い整備によってあっという間に使い物にならなくなってしまう。
シーポ連邦から優良装備を潤沢に供給されたうえ、スターリンと毛沢東が超神合体したような恐怖政治によって練度はともかく鉄の規律と旺盛な戦意―その原動力は自分たちより“いい暮らし”をしている者に対する怒りである―を持った人民軍を作り上げたドルカヴ共和国とは実に対照的である。
ドルカヴ軍が国境を突破して南下してきたとき、ルケン軍装甲車両の稼働率は四割以下、空軍機の稼働率に至っては二割以下という数字を上げればその情けなさがお分かりいただけるだろう。
セフンテの内乱によって同盟国の援軍を当てにできなくなったルケン民国は大いに焦った。
ルネリア半島統一の野望に燃えるドルカヴ共和国の独裁者クマンタがこの機に乗じて軍を動かすであろうことは確定的に明らかである。
このピンチにルケン民国が取った手段は「頼れる味方がいないなら他所の世界から引っ張ってこよう」というものであった。
どこまでも他力本願な連中である。
かくしてカレアント公国はある日突然ルネリア半島東方海上に転移させられた。
地理的にはルネリア半島が朝鮮半島で、日本列島の位置にカレアントがあるとイメージしていただきたい。
これらの情報は主に陸軍情報部第5課の工作員たちがルケン国内における立ち読みや古紙回収などの危険な諜報活動によって収集したものである。
これまでカレアント首脳部が交渉相手としてきたルケン民国の行政官たちは要求だけは多いが情報は出し惜しみするわ約束ははぐらかすわと、誠意の欠片も見せない態度を貫いていた。
そこで女王の下知を受けた陸軍情報部第五課は特命調査班をルネリア半島派遣軍に紛れ込ませ、独自の情報収集を始めたのである。
「なるほど厄介な状況ですなあ」
そう発言した出席者中唯一のアメリカ人に、ミレナは殊勝な顔で頭を下げた。
「申し訳ありませんディヨー提督、わが国の面倒ごとに巻き込んでしまって」
「お気になさらず、こうなったら一蓮托生ですよ」
モートン・ディヨー中将は鷹揚に頷いた。
アメリカ・カレアント相互防衛協定に基づく軍事援助の一環としてカレアント海軍に譲渡される戦艦サウスダコタと随伴の小艦隊を率いるディヨーがクズツォネフに到着したのはカレアントが転移するちょうど前日だった。
艦隊は転移直後に起こった潮位の急激な変化によって岸壁に激突したサウスダコタが船体を損傷、駆逐艦三隻が陸(おか)に乗り上げるといった被害を受けている。

584カレアントの異世界戦争:2016/01/11(月) 15:20:46 ID:rrOxNttA0
「海軍工廠からの報告ではサウスダコタの修理は今週末には完了するそうよ、艦(フネ)を預かってもらえるかしら?」
「感謝の極みにございます」
根っからの大砲屋であるディヨーはまた実戦で16インチ砲をぶっ放す機会を得たことであからさまに昂ぶっている。
「いっそルケン民国を武力で占領したほうが話が早いのでは?」
そう発言したのは北大陸での戦功が認められて陸軍大臣に就任したばかりのフェルデス・イードランク。
普段は温厚だがここぞというときには猛牛のごとき迫力を見せる漢である。
その言葉に我が意を得たりと頷く閣僚も少なくない。
最初はかつて自分たちもアメリカに同じことをした―主犯はミスリアルだが―という負い目もあり、ルケン民国に対して同情的なカレアント政府だったが、相手のクズっぷりが分かるにつれ同情は嫌悪に、そして怒りへと急速に変化していった。
今では「ドルカヴ共和国を打倒してルネリア半島を統一したら元の世界に送り返す」というレッシ大統領の言葉なぞカレアント政府の誰も信用していない。
なにしろ「戦争中で忙しい」と言って合意文書の調印すら拒んでいるのだ。
一瞬心を動かされたミレナだが、すぐに考えを改める。
「流石にソレは不味いわ」
残念ながら<こちらの世界>では「獣人も亜人もダイオウグソクムシも、みな平等に価値が無い」という価値観がスタンダードである。
一時のノリと勢いに任せて召喚主を武力でいてこましてしまえば「飼い主に牙を剥く狂犬」と見なされ、周辺諸国から寄って集って袋叩きにされかねない。
そして当然ながらカレアントにはこの世界全てを敵に回して勝ち抜くだけの国力はない。
対シホールアンル戦争中から女王が先頭に立ち国策として工業化を推進した結果、自国軍が保有する米式装備-軍艦や装甲車両や航空機-の整備と補修、および消費する燃料弾薬の製造はどうにか自力で賄えるようになってはいるものの、無線機の真空管やエンジンの点火プラグといった核心技術は未だアメリカからの現物輸入に頼っている。
そのアメリカの存在しない異世界に来てしまったカレアント軍は転移前に輸入した戦略物資の備蓄が尽き、<こちらの世界>に対するアドバンテージである―といってもせいぜい3年から5年の技術的優位だが―機械化された軍隊が機能しなくなる前にどうにかして元の世界に戻る方策を独力で探り出すか、最悪こちらの世界で独立国家としての主権の維持を助けてくれるような同盟国を見つけなければならない。
「つまり当面はルケン民国の要請に答えて戦いを続けながら情報収集を続けるということですな」
持病の腰痛をおして会議に出席したカラマンボ元帥が一同を代表して意見を纏めた。
「貴女の役目は重大よ」
カンレアク女王は円卓の対面に座る狐耳の美女に鋭い視線を投げかけた。
健康的なお色気を振りまく猫耳女王とは対照的に、黙って夜の繁華街に立っているだけで軽犯罪法違反になりそうなインモラルなアトモスフィアを纏うその美女は、他の閣僚がエキサイトする中で氷のごとき落ち着きを保っている。
「私たちを元の世界に送り返すことは出来るのか?それが不可能ならこちらの世界で味方になってくれそうな国はどこか?“どんな手を使っても”いいから調べ上げて頂戴」
「よろこんで」
カレアント諜報機関のボスにしてミレナの次に怒らせてはいけない人物として知られるリヒテリ・ハイアウォサは「微笑む毒蛇」という異名の由来となった、見るもの全てをゾッとさせるあの有名な笑顔を浮かべた。

585カレアントの異世界戦争:2016/01/11(月) 15:21:44 ID:rrOxNttA0
投下終了

オマケ ttp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=54661506

586名無し三等陸士@F世界:2016/01/13(水) 17:10:32 ID:il6lVK620
投下乙です。
この作品のノリとネタに毎度笑わせられるw

厳しくヒドイw戦いに参加するカレアントに黙祷(´・ω・`)

587ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2016/03/06(日) 00:22:52 ID:xxTn6KSs0
投下お疲れさまであります!
カレアントの同盟国が問題ありすぎて、かなりヤバイですね・・・
ミレナを始めとするカレアント側首脳部も大いに苦労するばかり。

それにしても、サウスダコタがカレアントに来ていましたか!
サウスダコタは本編で活躍したガチムチな英傑艦。
そして、ディヨー提督は対マオンド戦でアイオワ級2隻を用いてゾンビ集団殲滅に
貢献した歴戦の猛者ですから、この戦争でもまたやってくれそうですな。

カレアントに来た米艦艇は他にも(クリーブランド級軽巡等)いそうな予感ですが、果たして・・・
次回も楽しみにしています!

588F世界逝き:F世界逝き
F世界逝き


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