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復活!「むかし昔の天聖界」について語ろう!!

95UQ ◆C.WMPm2y0Q:2005/08/20(土) 02:25:31
虚空が広がり天となり塵芥が定まり大地となった時間域で、超聖動使命を完遂せし光群から一つの光が離脱した。
離光は、球形をした新生大地層の衛星軌道を周回し続けた。
光群が何処かへ消隠し、大いなる意思の残滓が夢の記憶のようになって、新世界を包み込むようになっても、離光の軌跡はとどまることを知らずに飛びつづけた。
離光の眼下で、大地は変動を続け、山や川ができ、海や雲ができた。
いつ、いかなるきっかけがあったのかは定かではないが、神々しいし光を纏った巨大な鳥が、まるで離光の真似をするかのように、新しき世界の大空を滑空していた。
大鳥は、一羽のようでもあり、また千羽のようでもあった。
光のようでもあり、影のようでもあった。
大鳥の飛来した後には、その羽毛が残され、羽毛はそのまま大地や海へと融合するように消滅したり、時にはひとつの命になったりした。
また、その頃には、異なる世界からやってきた者達も増え、新しき世界に己の領域を確立しつつあった。
離光はゆっくりと速度を落とし、光を弱めながら、やがて、大地へと降り立った。
大地に降り立ったその姿は、竜頭人身であった。
全身を覆った新緑の竜鱗は、陽光を反射してきらめき、熱い情熱を思わせる赤き髪は、草原を渡る風になびいている。
蛇にも似ている竜頭を彩るのは、黄玉と紅玉の輝きを放つ両の眼であった。
竜人は、足下に広がる草原をゆっくり見回し、満足げに笑みを浮かべた。
「はらはら〜」
奇妙な掛け声ととともに、仁王立ちになった竜人へ近づくものがあった。
幼げな少女の姿に、おおきな羽を二枚背中から生やしたその姿は、とても愛らしい。
「はじめましてですの〜」
「お前は、あの大鳥から生まれた衆の一人だな。」
竜人は、少女に向かって、やさしく尋ねた。
「はいですの。私の名前はフェザー・チャイルドと申しますの。」
「フェザー・チャイルドか。よい名だ。」
軽やかに風に舞い、彼のまわりを飛ぶ少女に、竜人はそう言ってうなづきかけた。
「あなたのお名前は、なんですの?」
「俺か?俺は、ジュラフュスティオスというものだ。」
「じゅ、じゅらひゅすてぃてぃす?うー。呼びにくいですの〜。」
「ははは。」
「ジュラさんって呼んでもいいですか?」
「ん?かまわんぞ。ジュラか。よし、今から俺の名前は、ジュラにするぞ。」
「はらはら〜。そんなに簡単に名前変えちゃってもいいんですの?」
「かまわんさ。名は体を表す。あの頃の俺と、今の俺は違うからな。」
そう言って、ジュラは莞爾と笑った。
「今日から、俺は、ジュラだ。そして、フェザー・チャイルド、俺のはじめての友人になってくれないか?」
ジュラは、大きな手を、その中にすっぽり収まりそうなほど小さな体のフェザー・チャイルドに差し出した。
「きゃーの、こちらこそですの。」
フェザー・チャイルドも、その小さな手を伸ばして、ジュラの手に触れた。
「よろしくな」
「はいですの〜」
二人は御互いの顔を見合わせて、笑い声をあげた。


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