したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

フリーミッション『前略、』

1『前略、』:2008/04/23(水) 00:59:52

導入なんて要らない。

詳細は >>2

352『病は気から』:2008/05/29(木) 09:20:19
<これまでのあらすじ>

『スキップ』は『親切』だった。
『どんな時も、人を助けなければいけない』。
そんな信念の元、動く人物だった。

そんな『スキップ』が、
小高い山中で迷子になってしまったのも、
『山に迷い込んだ猫を見つけて欲しい』
との、麓の村の住民の要望をほいほいと引き受けたからだ。

『幸い』だったのかは、分からない。
山の中にひっそりと佇む『山荘』を見つけ、
ほとほと疲れた『スキップ』はそこで休憩させてもらう事にする。

6月7日午前11時30分の事だった。少し暑いくらいの『晴れ』。
中では、どこか疲れた表情の『老婆』が、『スキップ』を出迎える。
ささやかな『昼食』、(ごはんと味噌汁、鯖の味噌煮に南瓜の煮物、つけもの。純和風のメニュー)
をご馳走になり、ご満悦の『スキップ』。

『何か困っている事はありませんか?』
一息ついた『スキップ』の口癖が、『老婆』に投げかけられる。
それを聞いた『老婆』は躊躇しながらも、
『スキップ』を、とある部屋に連れて行く。

353『病は気から』:2008/05/29(木) 09:21:08

『ドア』を開けた『スキップ』が目にしたのは、
シンプルな家具の中に、一際目立つ『ベッド』と、
『病院』に設置されているような『医療器具』。

『ベッド』の上には、一人の『人間』が横たわっている。
『人間』には『点滴』や、『酸素』を送り込む『マスク』、
『バイタルサイン』をチェックする『電極』などが
つけられて居る様子だった。
その顔は『ドア』と反対側に少し傾いており、
表情などは確認できないが、その『髪』の長さや、
身体の小柄さなどから『女性』ではないかと推察された。
『ベッド』は『リモコン』がついており
『自動リクライニング』式になっているようだった。


『部屋』の中には『ベッドの人物』の他に、もう一人『老人』が居た。
『老婆』は、『老人』に、『スキップ』についての説明をする。

「『無駄』だとは思うんですよ」

『老婆』は言う。

「この方は『お医者様』には見えないし、
でもね、もしかしたらね。
こんな時に『困っている事はありませんか?』
なんて言ってきてくれた、この方だったらね」

『・・・・・・・・・・・・・・』

『老人』は、軽く首を振る。
それが何を指し示すのかは分からなかったが、
『老人』は、『スキップ』の方へ向き直り、
悪いものを吐き出すかのように、こう告げた。

「『困っている事』……あります」

354『病は気から』:2008/05/29(木) 09:21:39

「あそこに横たわっている『娘』。
あの娘は、私達の『孫』なんです。
元々身体が弱くて、ここで『療養』してたんです。
あの『医療機器』は、ずっと前からここにあるものです。

でも今まで一度もこんなふうになる事はなかった。
ちょうど一週間くらい前からでしょうか?
何をしても少しずつ、身体が『干乾びていく』ように弱っていくんですよ。

私たちは何名もの『お医者様』に来てもらい、診て貰いました。
でもみんな最期には、匙を投げてしまった。
もう、体力的にはどこかに搬送するのすら危険な状態らしいです。
『原因不明』『対処不明』、
ここで出来る事はとりあえず『栄養』を与えておく事だけ。

………ずっと診てきた私には分かります。
もう、あの『娘』の命は幾ばくもないと」

そして、『老人』は、『スキップ』の瞳を射抜くように見つめる。

「『孫』が『原因不明』の『奇病』に侵されている。
それが私達の『困っている事』です。

さて………今の話を聞いたあなたは、
一体何を思い、そして一体、何をして下さるんですか?」

355『病は気から』:2008/05/29(木) 09:22:17
<これまでの登場人物>

【スキピオ・バルトロッツィ(スキップ)】
今回の『参加者』。詳細は>>356

【『老婆』】
『スキップ』が『山荘』で出会った『老婆』。
『スキップ』に昼食をご馳走し、
『女性が居る部屋』まで案内した。

【『老人』】
『女性の部屋』で出会った『老人』。
『困った事』として『孫』の『奇病』をあげてきた。

【『女性』】
『ベッド』に横たわる『女性』。
原因不明の状況に陥っている。

356『病は気から』:2008/05/29(木) 09:23:02
<参加者>

名前:スキピオ・バルトロッツィ (スキップ)
性別:男
年齢:17
職業:旅人(泥棒)
スタンド:???
持ち物:ナイフ 水筒 針金 ボロ布

357『病は気から』:2008/05/29(木) 09:24:02
<地図>

『女性の部屋の図』。
『スキップ』はパッと大体の家具の場所などは把握したが、
それ以上の情報は、本編にて細かく調べないと不明。

ttp://tok0.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/gazouup/img-box/img20080527225040.jpg

358『病は気から』:2008/05/29(木) 09:29:41

『何をして下さるのですか?』

『老人』にそう問われた『スキップ』だったが、
彼の性格から、もう答えは決まっているだろう。

話を聞く限りでは『女性』の状況はすこぶる悪い様子だ。
もし彼女の為に動くのであれば、『原因調査』に
そうそう時間はとれない、と『スキップ』は感じる。

『老人』達への質問、『部屋』内の探索、『女性』の様態の確認、
『推理』の『正否確認』などなど。

全てにおいて、『時間』というものは『無常』に過ぎていくのだ。

359スキップ:2008/05/29(木) 21:06:26
>>358
「無論、この人を治します。」
「…素人がなにをバカなことを、と思ったでしょう。
ですが、僕がここに立ち寄ったのは偶然だ。なにか困っていることはありませんか?と聞いたのも(まあ)偶然だ。
それに、お母さん、あなたが僕にこの話をしようと思ったのも偶然だし、
娘さんがまだ助かるうちにこういうことになったのも偶然だ。
…そこまで偶然が重なれば、これは『運命』だ、と思ってもいいんじゃないでしょうか?」

『娘』の手をとって肌を調べる。『干からびる』というのは文字通りミイラのように乾燥していっているのだろうか?

「一週間前、何か特別なことをしたとかはありますか?いや、特別じゃなくてもいい。
娘さんがどんなことをしたのか僕に聞かせてください。ピアノを弾いたり外に出たり…なにかしたと思うんです。」

360『病は気から』:2008/05/29(木) 22:01:23
>>359

「まあ…」

『スキップ』の言葉に『老婆』が感嘆の声をあげる。

「ありがとうございます。本当に、本当に。
ただ一つ、貴方の言葉に『間違い』があるとすれば、
私は、この娘の『祖母』だって事くらいかしら…。
……そんなに若く見えました?」

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

この非常時になぜか頬を赤らめている『老婆』を無視して、
『スキップ』は『娘』の手をとって『肌』を調べる。

『干からびる』という表現はまさに適切だった。
『スキップ』の予想どおり、ミイラにようになっている、という表現も実に適切。

ふと、『スキップ』は『娘』の右手の人差し指に
『絆創膏』が巻かれているのを発見した。

『・・・・・・・・・・・・・・・・』

「…この娘は昔から『病弱』な子でしてね。
ほとんど家から出ず、いくつかの『趣味』に
没頭する事で日々を過ごしていた。

『読書』に『音楽鑑賞』、『ピアノ』の演奏、
『裁縫』に『植物の世話』、『押し花』に『ぬいぐるみ集め』、
『詩』を作る事や、『絵』を描く事、『彫刻』に『歌』を歌う事……。

具合が悪くなった頃も、そんなたくさんの『趣味』に
『没頭』していたと思いますが…
具体的に何をどうやっていたのかは…残念ながら少し思い出せませんね」

『老人』は、『スキップ』の質問にこう答えた。

361スキップ:2008/05/29(木) 22:18:56
>>360
「ふふ…失礼したしました、『お母さん』。」

「………絆創膏が巻かれていますね。裁縫をしているときに怪我をしたのかな?
なにか娘さんが言ってませんでしたか、この怪我について?
ともあれ、外に出かけていたわけではなさそうですね…いや植物の世話のために出たかもしれませんが、
遠出はしていないようだ。
まさか音楽鑑賞で病気にかかるわけもないし、なにかに接触したりとかの外的要因があるんでしょうけども…。」

ショーケースの中身を見てみる。どのようなものが飾られているだろうか?

「…ここには誰か尋ねてきたりしませんでしたか?
一週間前、もしくはそれよりもっと前に。 ああ、もちろん医者と僕は別ですが。」

362『病は気から』:2008/05/29(木) 22:48:55
>>361

「『絆創膏』…?
ああ、そうね。そういえば、具合の悪くなる前までは
そんなのしてなかったかもしれないわね」

『老婆』が答える。

「怪我については何も言ってなかったし、『絆創膏』で
済むのなら大した事はない傷だったのでしょうねえ。

ああ、『植物』に関しては、あそこ」

『老婆』が指さした先には、『窓』がある。
だが、その『窓』は分厚い『カーテン』で遮られている。

「『カーテン』で見えないけど、あの窓際に
『鉢植え』がいくつかおいてあるのよ。
わざわざ外に出なくても、あそこで『植物』を
育てられるってわけね。

そして『音楽鑑賞』ね…。
あの娘は、『クラシック』とか『ジャズ』とか
そういうのばかり好んで聴いてたから、癒される事はあっても
『病気』になるような事はなかったんじゃないかしら。
今の若者がきくようなうるさいだけの音楽なら別だけど…。

そしてね、最近、特別な誰かが尋ねてくるような事は
…なかったような気がするわ」

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

話しながら『スキップ』は『ショーケース』に目をやる。
そこは、動物やキャラクターものなどの『ぬいぐるみ』や、
『娘』の作品だろうか? 木彫りの『熊』や『キツネ』などが
置かれているのが見えた。

363スキップ:2008/05/29(木) 22:55:34
>>362
「妙な病気が傷口から入って化膿した……いやそれくらい医者も調べているだろうな。」

「外出はほとんど、いやまったくといっていいほどしなかったようですね。
となると、病気の原因は部屋の中にある…そしてまだあると思ってもいい。
…まさかとは思いますが、『お父さん』、この部屋から外になにか持ち出したり捨てたりとかはしませんでしたか?」

『老人』にたずねる。
たずねながら、机の上を、そして机の引き出しを開けて中を見てみる。

364『病は気から』:2008/05/29(木) 23:29:35
>>363

「『外出』は、してないですね。
何せ………『病弱』だったものですから。

持ち出したもの…ああ…生活していてどうしようもなく出る、
『食事』などのゴミなんかはもちろん片付けていますが、
特別なものは一切持ち出したりはしていないです」

『老人』が『老婆』を見やると『老婆』も大きく首を縦に振った。


『・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

『スキップ』は机の方へと赴く。
『机』はかなり広いスペースがとられており、様々なものが点在している。

まず、机の上には簡単な『棚』があり、そこには
『ノート』が何冊も置かれており、『表題』は『詩』と書かれていた。
『ノート』に紛れて『スケッチブック』もある。
また、『フォトファイル』と書かれた『アルバム』もあった。

『机』の右端あたりには何冊かの分厚い『本』が重ねて置かれている。
よく見ると下に『新聞紙』が置いてあるようだ。

『机』の左端には『ミシン』や『裁縫道具』が、設置されている。
縫いかけの桃色の『膝掛け』(おそらく)が、
無造作に机に置かれたままになっていた。

『引き出し』を開けていく『スキップ』。
ざっと見るに『筆記道具』や『文房具』の類、
『絵の具』に『彫刻刀』、『工具』など…。
『娘』の『趣味』に使うのであろう『道具』が多く入っていた。
まさに『趣味』に生きる女性であったのであろう。

365スキップ:2008/05/30(金) 21:27:35
>>364
「日記のようなものがあればいいのですが…。
……このノートらは中身を見てもよろしいですか?」

許可が下りたなら中身を見る。一週間前に書かれたあたり(日付がなければ当て推量)を読んでみる。
降りなければ棚にしまう。

「…なんで新聞紙を下に引いているんでしょうね。
……ああ、押し花かな。

366『病は気から』:2008/05/30(金) 23:04:17
>>365

『老人』達は『スキップ』の言葉に頷く。

『日付』などは特に書かれて居なかったので
一番端の『詩』と書かれた『ノート』をパラパラとめくっていく。

中にはいかにも『少女趣味』の、読んでいて
恥ずかしくなるような『詩』が書き連ねていた。
その一冊の『ノート』にさえも、かなりの量の
『詩』が書き込んであり、ずいぶん前から書き溜めている事を窺わせる。

この『ノート』では、残り10ページほどを残して『空白』が続いている。
どうやらこれが最新の『ポエムノート』らしい。
最後の『詩』は………これだ。

『同化する。共有する。分かち合う。愛し合う。

私を取り囲む全ての声を聞きたい。

取り囲む全ての立場になってみたい。

そうすれば、少しは争いだって、なくなるはず。

生き方さえも、生きる基準でさえも

相手の事が分かれば、あなたたちの事が分かれば

そうすれば、少しはこの苦痛も消えるはず」

最後の『詩』は他のものとやや傾向が違うような気がした。

『スキップ』が、更に調査したいのなら『フォトアルバム』、
あるいは『スケッチブック』の類も『棚』にはある。

367スキップ:2008/05/30(金) 23:23:06
>>366
「ふむ…いつ書かれたものかまではわからないが…。」

文字がヨレていたり筆圧が薄かったりはしないだろうか?
『詩』のノートはひとまず置いて『フォトアルバム』と『スケッチブック』も見てみる。

368『病は気から』:2008/05/30(金) 23:37:01
>>367

『詩』の文字はいたって普通だ。

『スキップ』が『フォトアルバム』を覗いてみると、
『娘』の小さいときからの写真が、貼られている。
数自体は少なく、ある程度の厚さはあるとはいえ、
一冊に全ての『写真』が納まっている様子だった。

時折、一緒に写る『男女』が居る。
…見知らぬ顔だが、推察するにおそらく『娘』の『両親』だろう。
『フォトアルバム』に出てくる登場人物は『娘』とその二人の『三人』のみだ。

『スケッチブック』には、主に風景画、
おそらく窓の外から見える風景だろう、が季節ごとに描かれている。
その他、ぬいぐるみや部屋の中の小物、自画像などが
小奇麗なタッチで描かれている。

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

それらをチェックしていく『スキップ』。
と。

『ガタンッ』

突如、『窓際』から音がした。
外から『何か』がぶつかったような、そんな音。

369スキップ:2008/05/31(土) 00:12:36
>>368
「なんだ?!」

窓際に走りより、窓を開けて外を見る。

370『病は気から』:2008/05/31(土) 00:30:12
>>369

『・・・・・・・・・・・・・・・・』

『スキップ』は『窓際』の『カーテン』を開け、外を見る。
するとそこには………。

『に ゃ 〜 〜 ご ぉ 』

『ネコ』が居た。
さっきのは『ネコ』が『窓』にぶつかった音らしい。
大方、どこかの『ネコ』が餌でも求めて、彷徨ってきたのであろう。

大したものではなく、『スキップ』は安堵の吐息を漏らす。

371スキップ:2008/05/31(土) 00:57:07
>>370
「ふう、ネコか…。飼い猫だったりするのかな。
そうじゃなかったら窓にはぶつからないだろうし、それに人にも慣れているな。」
「『お父さん』に『お母さん』、娘さんが猫を飼っていた、
エサをあげていたとかでもいいですがそういうことはなかったですか?」

二人に尋ねる。

「…そういえば、迷い猫を探しているんだったな。すっかり忘れていたが。
こいつは特徴に当てはまるかな…?」

猫を抱きあげる。そして、『山沿いの町の住人』の依頼にあった『迷い猫』の特徴に当てはまるか見てみる。

372『病は気から』:2008/05/31(土) 01:08:34
>>371

「『エサ』…。どうでしょうね?」
『老人』達は顔を見合わせる。
「ああそうだ、『スキップ』さん、『カーテン』は早くし…」

『スキップ』は『窓』を開け、『ネコ』を抱き上げようとする。
急な事件に巻き込まれて忘れそうだったが、そもそもの『目的』は、
『迷い猫』探しだった事を『スキップ』は思い出していた。
そして、この猫が『迷い猫』の特徴に合致する事も。
おそらく、間違いは無いだろう。

『フギャァァァァァ』

『スキップ』が『ネコ』を抱きかかえようとすると、
『ネコ』は急に暴れ始め……、

あろうことか『娘』の『ベッド』の上を
最初の足がかりにして、部屋中を駆け回り始めた。

『PIIIIIIIII PIIIIIIIIIIII』

『医療機器』が音を立て始めた。
どうやら『酸素』を送り込んでいる
『マスク』が外れてしまったらしい。

373スキップ:2008/05/31(土) 01:15:14
>>372
「あ…、くそっ、しまった……。」

窓をすばやく閉める。

「『医療機器』を治してください…すみません。猫は僕が捕まえます。」

上着を脱いで、それで猫を包みたい。
上着を広げて猫を部屋の隅に追い立てるようにすればすぐに捕まえられるだろう。

374『病は気から』:2008/05/31(土) 01:32:50
>>373

「あ、ああ…」
『老人』が『酸素マスク』を『娘』に付け直す。

その間に、『スキップ』は迅速に『上着』で、
『ネコ』を捕獲する。心なしか『ネコ』は
足をひきずっているように思えた。

『サァァァァァァァァーーーーーーーーーーー』
『老婆』が『窓』を閉め、『カーテン』を閉じるのが見える。

375スキップ:2008/05/31(土) 01:37:39
>>374
「ふう…、あまり暴れてもらっては困るな。」
「………それで、聞きたいことがもうひとつ出来ましたが……、
『お母さん』、なにかカーテンを開けてはいけないことがあるのですか?
日光が駄目だとか、特には聞いていませんでしたが…。」
「外の空気が病気にさわる、というわけではないですよね。カーテンを閉める理由…なんですか?」

猫の足に怪我がないか見ながら『老婆』にたずねる。

376『病は気から』:2008/05/31(土) 01:49:06
>>375

「ああ、すみません」

『老婆』が答える。

「言ってなかったですね、大事なことかもしれないのにね…。
この『娘』、幼い頃から肌が弱くて…。
貴方の言うとおり『日光』にはできるだけ当てないようにしているんです。
だから外には殆ど出さないようにしていました」

『スキップ』の予想通り『ネコ』は足に怪我をしている様子だった。

377スキップ:2008/06/01(日) 00:11:52
>>376
「…ふむ。
…『お父さん』。いつも娘さんのそばにいるのでしょうか?今は…、それと昔は?」
「おそらく、一週間前まではそれほど容態を…四六時中見ているということはなかったと思うんです。それで、一週間前、なにか容態が急変することがあった。それで『お父さん』は娘さんの容態をずっと見守るようになった。
…推測ですが、どうですか?」

378『病は気から』:2008/06/01(日) 03:59:05
>>377

「この娘の容態が『急変』してからはずっと見ていますが。
そうでなければ、確かに。四六時中見ているという事は無かった」

『老人』は答える。

「『一週間』ほど前……、『娘』が『苦しい』と訴えてきて、
私が看病にあたったのですが…全く『快方』には向かわなかった。
元から『ぜんそく』も持っていたので、その発作かな、とも思い、
すぐに、『酸素』を送り込む装置、今ついているもの、をつけて
様子を見たのですが…、悪化するばかりで。

『意識』に関しては、そうですね、
『三日前』くらいから完全にないです。
それまでは、まだ何とかなっていたんですけどね」

『うう………』

と。

『老人』と『スキップ』が会話していると、
どこかから『うめき声』が聞こえる。
思わず『老婆』の方を見る二人。

「わ、わたしじゃあ、ありませんよ!
あ、あの娘ですよ! 香澄(かすみ)ちゃんですよ!」

そう。
よくよく音の出所を確認すると『ベッド上』から
『うめき声』は聞こえてきていた。

379スキップ:2008/06/01(日) 23:27:57
>>378
「なるほど…。」

「…時間がもう無いのかもしれないな。
申し訳ない、お二人とも、部屋の外に出ていただきたい…
精神を集中する必要がある、声や物音が聞こえないくらい遠く…部屋と言わず家の外くらいの方がありがたい。」
「それほど時間はかからない、と思う。それに危険のあることじゃない。」

二人に言う。
それと、猫の怪我をもう一度よく見る。どのような怪我をしている?

380『病は気から』:2008/06/01(日) 23:38:53
>>379

「ん……」
『老人』が『スキップ』の言葉にやや躊躇したが、

「いいじゃあない、もう、私たちじゃあ何もできないんですし…。
この人に賭けてみましょう…? 何か、きっと何かあるんでしょうし」

『老婆』の言葉に、『老人』が頷き、二人は部屋の外へと出て行った。

『ネコ』は、何かで摺ったような『傷』を負っている。
血が流れ、非常に痛そうな状況だ。

381スキップ:2008/06/02(月) 00:14:12
>>380
「………さて、あんた起き上がれるか?
お二人さんはもう話が聞こえないところに行った。内緒話も好き放題できるってワケだ。」
「一週間前、それはよくわからんが、あんたは急に容態が変化した。
それはその絆創膏に関係しているのか?俺にはよくわからんが…。
ともかく、『高熱』だか『ぜんそく』だか知らんが、今の病気とは関係ないなんらかの容態変動があって、
あの老父が、常にあんたのそばにいることとなった。」

「それは、あんたにとっては『致命傷』だった。夜な夜な…まあ昼かもしれんが、
あんたは一人になってある行動をする必要があったんだ。
それはあの二人には知られたくなかった…知られれば、二人に相当なショックを与えてしまうから。」
「例の『詩』の最後のヤツ、どうにも「お互い分かり合えれば」という意味に取れたぜ。
逆に言えば現状は分かり合えない、さらに言えばずっと分かり合えないけれどいつかきっと…、
というような願望が現れていたのか。
そして、『干からびる』という症状…最初は奇病奇病言われていたから病気だと思いこんで気づかなかったが…、
気づいてみれば古典的な症状だな。病気ではなく、ある種族が特定の状況に置かれるとそうなる。

俺は『ブラム・ストーカー』とかよく読んでいたぜ…あんた『吸血鬼』だろう?
じいさんがずっとそばに居たから『血』が『吸えなかった』。ゆえに『干からびた』。
…といっても、あんたは善良な『吸血鬼』みたいだが、な。
二人に対しての態度もそうだが、『血』を『吸い』過ぎるということがないらしい。
猫も死んじゃあ居なかったしな。」

382『病は気から』:2008/06/02(月) 00:45:24
>>381

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

『スキップ』は『女性』に向かって訥々と語りだす。
しかし……事態は何も変わらない。
女性の『うめき声』が辺りにわずかに響くのみだ。

『駄目…デスナァ』

不意に。
不意に、『スキップ』の『内部』から声が聞こえる。

『ご主人ノ推理……駄目駄目デスワ。
ソモソモサッキ少シトハイエ「カーテン」ヲ開ケタンデス。
「日光」ハ入ッテキテイタ…ナノニ彼女ハ無事……。
マア、「ウメキ声」ヲ アゲテイタカラ
ソレヲ 誤解シタノカモシレマセンガ……。
コノ「ウメキ声」、「ダメージ」ヲ受ケタカラ、ナンデスカネェ?
後ハ 猫ノ「怪我」モ「擦リ傷」ダッタシ…
「ヴァンパイア」ナラ噛ミ傷ジャナイデスカネェ…?』

『「吸血鬼」ナンテ「御伽噺」ノ世界ジャア アルマイシ…。

サテ…違ウトナッタラ カッポレカッポレ
次ノ証拠 ヲ 探シマショウ。
必要ナラバ『老人』ト『老婆』ヲ呼ビ戻スモ良シ。
マダ調ベテイナイトコロヲ調ベルノモ良シ。

残リ時間ハ アマリ無イデスヨ』

383『病は気から』:2008/06/02(月) 00:53:19

<<(もしかしたら居るかもしれない)『読者』の皆様へ>>

「前略、『読者』様

いかがお過ごしでしょうか?
どうやら『スキップ』君の最初の推理、
『吸血鬼』説は、間違いだったようです。
当フリミGMが適切なヒントを出しているかは、
非常に不安なところですが、
今の時点で、足りない所を想像力で補うならば、
一応、ですが『このミッションは解決可能です』。

ただし、まだまだ材料は足りない状況。
よほどGMとの相性が良くなければ、
GMの考える正答を導ける人間は、
100人に1人程度程度でしょう。

もし『参加者』以外に奇特な『読者』が居るのであれば、
この先もこの謎に挑戦してみるのもいいでしょう。

GMが納得出来る結末を用意している事を信じて…。

                      2008年6月2日 『前略、』GM」

384スキップ:2008/06/02(月) 01:16:40
>>382
(何だ今の声…! いや、そんなことより、違うのか……)

「………気を取り直そう。
まずは…うめき声か?なにが原因なんだろうか…。」

女性に近づいて様子を伺う。
痛そうな表情をしているのだろうか?
それと、女性の絆創膏を剥がして傷口を調べてみる。

385『病は気から』:2008/06/02(月) 01:50:27
>>384

『スキップ』は気を取り直し、『女性』の様態を調べる。
『うめき声』はなおも続き、表情もあまり芳しくは無い。
しかし…、そもそも、この『女性』は、
『意識』すらなかったのではないだろうか?
とすると、むしろ…。

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

少しの間、考えている内に『うめき声』は、消えた。
どうやらまた意識はどこかに飛んでいってしまったようだ。
まだ生きているとは思うが…もう時間がないのは確かに事実のようだ。

『スキップ』は絆創膏を剥がして傷口を見てみる。
傷は治りかけてはいたが、何か『尖ったもの』で
刺さってしまったような傷があるのが認められた。

『「スタンド」ノ仕業ジャナイカ? ト、思イマス。
ト、ソウイウ「ワッシ」モ
ゴ主人ノ「スタンド」ナンデスケドネェ』

再び『スキップ』の脳裏に『声』が響く。

『信ジテ頂ケレバ嬉シインデスガネ。
「スタンド」トハ…「超能力」ノ事デスワ。
何カシラノ「スタンド」ノ「力」ニヨッテ、
コノ「娘」ハ、苦シンデイル…。

「スタンド」ノ「能力」ニ「常識」ハ当テハメナイ方ガ イイデス。
「能力」ニヨッテハ 何デモ出来ル。
トハイエ何カシラノ「法則」ニハ確実ニ基ヅイテイマス。
ソノ「法則」ヲ見ツケダシ、 

「何ガ彼女ヲ 苦シメテイルノカ」?
「何ガ彼女ヲ 救ウノカ」?

ゴ主人ハ、ソレヲ見ツケレバ イインデスヨ』

386スキップ:2008/06/02(月) 23:18:45
>>385
「………スタンド。 病原体とか体質とかなどとは、根本的に考え方を変える必要がありそうだ。」
「となると、やはり情報が少なさ過ぎる。なにか見のがしていることがあるな…。
ともかく、二人を呼び戻すか。仕切りなおしだ。」

二人を部屋に呼び戻す。
ちょっと気付けをやっていたとかなんとか言って、出てもらった理由は誤魔化しておく。

387『病は気から』:2008/06/02(月) 23:53:10
>>386

「………まだ、なんとかなりませんか?」
再び部屋に呼ばれた『老人』が『スキップ』に尋ねる。

「駄目よ、そんな言い方しちゃあ。
『スキップ』さんだって一生懸命やって下さってるんですよ」
『老婆』がフォローに回る。

『ネコ』はまだ傷が痛むのか、その場で横になってしまっていた。

『デ、ドウシマス? ゴ主人』
『スタンド』…と自ら名乗った『声』が頭の中で響く。

388スキップ:2008/06/03(火) 00:06:35
>>387
「だんだん解決に向かっていると思いますよ。」
「それで、『お父さん』、特になにか出来ることはなかった、とのことですが、
本当に何もしなかったわけじゃないと思うんです…例えば濡れタオルを当てたりとか。
そういったことで、娘さんが反応したりとかはありましたか?気持ち良さそうにしたり、もしくは嫌がったり。
…何かしたこともそうですが、「やらなかったこと」も聞きたいですかね…。
先ほどのカーテンもそうですが、これはやらなかった、これは嫌がった、などがあれば。」

そういえば猫に首輪とかはあるのだろうか?

(まずは情報集めだ… ところで、『お前』のことは何と呼んだら良い?
 名前が無いとお互い分かりづらいだろう)

389『病は気から』:2008/06/03(火) 00:28:59
>>388

「ふむ…」
『老人』は少しだけ考えた後、口を開く。

「そもそもこの娘が身体が弱かった事は説明しましたよね。
だからこそ、この『医療機器』はずっと前から用意してありました。
具合が悪くなった時の為に…という事ですな。

『急変』が起こった時も、初めはいつもの
『延長上』での『様態』の悪化だと私は思いました。
ですから、いつもの『延長』で『点滴』や『酸素』の配給を行った。
『カーテン』をきっちり閉めておくのもそうです。
『熱』が上がった、という事はなかったので
特に『濡れタオル』などは用いませんでしたが…。

ああ、しかし、『水分』はよくとらせました。
一番初めは具合が悪いとはいえ、『意識』はかろうじてあった。

そういえば…『水』を飲んでいる時は、
かなり状態が良好だったかもしれないな。
『意識』がなくなり、それも出来なくなりましたが」

『ネコ』に『首輪』は無い。

『スキップ』は、『声』に心で語りかける。

『…「ワッシ」ノ「名前」〜カ。
ソウデスナァ。「バックヤード・ベイビーズ」トデモ
呼ンデクダサイナ。別ニ「複数」居ル訳ジャアナイケド
「複数形」デ 頼ミマス』

390スキップ:2008/06/03(火) 00:53:36
>>389
「好みの五月蝿いヤツだな……。
おっと失礼、こちらのことです。」
「それで、娘さんは水を好んで飲んだ、ということですかね?「喉が渇いた」とか何とか言いながら…。
たしかに症状を見れば水が欲しくなるのは分かる気がします。
……いや、もしかして、意識を失って水が飲めなくなってから、この『干からび』が加速したとかありますかね?
まさかとは思うが一応…。」

「それと、日光は今までろくに浴びさせていなかったようですが…火傷の様な日焼けがするとか、
そういったことがあるんですかね?」

391『病は気から』:2008/06/03(火) 01:09:51
>>390

『スキップ』の言葉に『老人』は続ける。

「水を好んで飲んだ……、そうですね。
いつもよりは飲んでいたかもしれない。

そして、確かに意識を失ってからは『加速度的』に
『干からびて』はいきましたが…。
それが『水』に関係するのは、分かりませんね。

『日光』に関しては、『日焼け』というより、
気分がクラクラする、という事で避けさせていました」

『スキップ』は『老人』の話を聞き続ける。
今までの話…『何か』が繋がりそうで繋がらない。

話を頭の中で『整理』すれば、
その『何か』は見えてくるのだろうか?

と。

「……なんだかおかしいわ!
二人とも、来てください!」
『老婆』が『スキップ』と『老人』に声をかける。
見ると、『老婆』は『娘』の近くに駆け寄っていた。

392スキップ:2008/06/03(火) 01:29:00
>>391
「なるほど……と、どうしました?!」

『娘』に駆け寄って様子を伺う。
走る最中に本棚の中身をちらりと見ておきたい。どんな本がある?

393『病は気から』:2008/06/03(火) 01:44:26
>>392

『スキップ』はチラリ。
『本棚』を覗く。

『本棚』には、『文学全集』と『実用書』が並べられていた。
『文学全集』は和洋問わず代表的な文学者・文豪の作品が置いてあるようだった。
『実用書』は、
☆『ピアノの弾き方ABC』『クラシック音楽の歴史』『楽譜』『歌の歌い方』
  といった『音楽がらみ』のもの、
☆『裁縫入門』『スペシャル!ミシンの裏技』
  といった『裁縫』にまつわるもの、
☆『園芸のススメ』『ガーデニング特集』『簡単に出来る押し花』
  といった『園芸』や『押し花』に関するもの。
☆『彫刻大全』『初心者にこそお勧め彫刻刀』
  といった『彫刻』に関するもの。
☆『水彩画の描き方』『油絵の描き方』『スケッチ入門』『20世紀の画家』
  といった『絵』に関するもの。
☆『ぬいぐるみカタログ』は名前の通りだろう。

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

『娘』は、深刻な顔色だ。
そしてその様子には『生命』の鼓動が、殆ど感じられない。

「香澄ちゃん! しっかりして! 香澄ちゃん!」

『老婆』の悲痛な叫びが響く。
おそらくだが、特別な何かがあったわけではなく、
単純に彼女の体力の『限界』が近づいているのだろう。

何か、 何か、 何か、

『対処』が求められている。

『今の彼女に何が必要か?』

394『病は気から』:2008/06/03(火) 01:59:20

『ココガ「正念場」トイウ奴デスナァ、ゴ主人』

『声』………『バックヤード・ベイビーズ』の言葉が脳裏に響く。

そんな事は『充分』に分かっている。
そして、『スキップ』は今までの情報をまとめる。

まずはこれは『常識的』な『病気』なのではなく、
おそらく『スタンド』というものが引き起こす
『不可思議』な『現象』であるという事。

『不可思議』な『現象』といえども、
『法則』はあるらしい。
一体どんな『法則』が彼女に働いているのか?

『彼女』は『趣味』に生きる女性のようだ。
彼女が持つたくさんの『趣味』を一つ一つ思い出す。
その中のどれかに何か『ヒント』はないのか?

『彼女』の『詩』、一つだけ『毛色』の違う『内容』。
果たして今回の事件に関係があるのか、ないのか?

そして、あの一連の『ハプニング』。
『ネコ』が持ち込んだのは『幸』か『不幸』か?

『老人』の数々の言葉に『彼女』に
『必要』なものの『ヒント』はあったのか?

『スキップ』には『答え』を出す『権利』と『義務』がある。

395スキップ:2008/06/04(水) 00:10:14
>>394
「分かってるぜ…思いついたことはあるが、『思いつき』に過ぎない…、
確かめたかったが一手遅かった…。
だが、それで行くしか無いな…。」

「おい爺さん!好んで水を飲んでいたんだろう…?いつ起きるかわからねーんだ、『水を用意してある』はずだ。
そいつをちょっと寄越してくれ!」
「それと、一応念のためだ…娘さんに余りのその水をブッ掛けといてくれ!」

(干からびるってのと水を欲しがる…そうしたいのはあの女『だけ』なのか?
 『スタンド』には『法則』があるらしい…俺に『バックヤード・ベイビーズ』がまとわりついているみてーに
 あの女と『病気の元』にもなんらかの『繋がり』があるはずだ…そして、そいつも『干からびている』)
(じゃあ干からびているのはなんだ…? 無生物的なものじゃねー それに『繋がり』があるものだ
 『繋がり』は、あの女が強く思っているもの、大切にしているものに宿るはずだ
 そして、『一週間』も放置されていれば、当然『干からびる』 爺さん婆さんは『世話』してやる余裕はないからな)

「カーテンを閉めておいたのはちょっとばっかりマズかったのかもな…俺も気づかなかった。
だけど、このネコのおかげで『外』に注意が行ったぜ。
『干からびている』のは、娘さんと、こいつだ!」


受け取った水を、窓の外にあるであろう『枯れかけの植木鉢』に掛ける。

396『病は気から』:2008/06/04(水) 00:39:15
>>395

「は……はい」
多少『奇妙』な申し出でも、もはや『老人』達には
頼れるものが『スキップ』しかなかった。
『水』をすぐにとってきて『スキップ』に渡す。

『ザァァァァァァァァッ』

『スキップ』は勢いよく『カーテン』を開ける。
眩しい位の『陽射し』と共に、
『窓際』に並ぶ『鉢植え』の真っ赤な『薔薇』が目に飛び込んでくる。

早速『水』をかけようとするが………、
『スキップ』の予想に反して
枯れかかっている『薔薇』は、一つもない。

何か見落としているのか…、
それとも考え方自体間違っているのか…。
わずかに戸惑う『スキップ』。

397スキップ:2008/06/04(水) 00:49:24
>>396
「なんだと…そんなはずはっ…………。」

「……いや、あの女は衰弱しているんだ…『共生』じゃあないんだ…。
上前ハネてるヤツがいる…『共生』じゃあない、『寄生』か?!
うおお…『バックヤード・ベイビーズ』ッ!グタグタ御託並べてるだけじゃなくてテメーも手伝うんだよォッ!!」


窓から飛び出して『薔薇』を全部引っこ抜く。

398『病は気から』:2008/06/04(水) 01:02:39
>>397

ズバズバズバッ

『薔薇』を引っこ抜き始める『スキップ』。

ちくり。ちくり。

その乱雑な行動に、『薔薇』の『棘』が
『スキップ』につき刺さり、手に傷を作っていく…。

『ゴ主人ノ「考エ方」、「ワッシ」ハ
間違ッテナイト思イマス。 オソラク「スタンド」ハ、
「何カ」ヲ「媒介」ニシテ、「娘」ヲ アンナ状態ニ
シテルンデショウナァ。ソシテ ソレガ コノ「薔薇」ダト
イウノモ 『頷ケル話』ナンデスガ……。
引ッコ抜イテモ何モ起コラナイ……ウウムムム。

コノ部屋ニハ ココニシカ「薔薇」ハ
無イデショウシ…困リマシタナァ』

399スキップ:2008/06/04(水) 01:44:39
>>398
「…いや、もうひとつあるか。『薔薇』はもうないが、『薔薇』の落し種がもうひとつ…。」

部屋に入り、猫を抱く。

「…もうこれくらいしか思いつかないが…あの『薔薇』は、その『棘』で傷つけたものに影響を残し続けるんじゃねーか?
この猫は窓から入ってくるときに『棘』で怪我をしたんだろう、だから、この怪我を治す。」


ハンカチで猫の怪我を押さえて結んで止血する。


「これでどうだ…っと、俺の手も止血しなければな。」

自分の手も止血しておく。

400『病は気から』:2008/06/04(水) 02:13:47
>>399

『スキップ』は、自分とネコの『止血』を行う。

『・・・・・・・・・・・・・・・・』

『何モ起コリマセンネェ』

『バックヤード・ベイビーズ』は言う。
『老人』達は先程からの『スキップ』の行動を怪訝そうに見ている。

『スキップ』は焦り始める。

『手ごたえ』のようなものはある。
正しい道を進んでいる自信もある。
あと一歩、何かが足りないだけなのだ。

『考える』。

『干からびる』という現象から考えて、
この部屋にある『干からびる』もの…『薔薇』は
何かしらの役割を担っている気はする。
『女性』は『薔薇』で怪我をしたのだろうとも推測は出来る。

そういえば。
『スキップ』は思う。

普通に水をやって、『世話』をしているだけで
『棘』による『怪我』などするだろうか。

『スキップ』はこの部屋に入って様々な場所を調べた事を思い出す。
その記憶をもう一度丁寧に辿っていくならば…『答え』は見出せる気がした。

『正しい場所』まで、あとわずか。
ただし、『女性』の弱り具合から考えると
これ以上の『迷走』は文字通り『致命的』な行為と
なってしまうだろう、と思われた。

401スキップ:2008/06/04(水) 22:59:46
>>400
「……なんて性悪な薔薇だ、根絶やしにしねーといけないらしいな。
それとも、前の予想通り、『共生』なのかもな…。
どっちにしろ、『それ』を実際に見てからだ…。」

素早く『机』に駆け寄り、右端に重なっている分厚い本を払いのけ、
敷いてある新聞紙を開く。

402『病は気から』:2008/06/04(水) 23:08:01
>>401

『スキップ』は急いで、
『机』に駆け寄り、
本を払い除け、
『新聞紙』を開く。

『ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ』


果たしてそこにあったのは、
『綺麗』に完成された『薔薇』の『押し花』だった。
一見、何の変哲のない『押し花』に思えるが。

403スキップ:2008/06/04(水) 23:13:27
>>402
「さてどっちだ…と迷ってるヒマはねーな…。
水…はまだ持ってるんだった。コイツを掛ける…。」

『押し花』に水を掛ける。

404『病は気から』:2008/06/04(水) 23:23:50
>>403

『ジョロロロロロロ……』

『スキップ』は持っていた水を『押し花』にかけていく。
『新聞紙』は濡れ、『押し花』もその身を
濡らしていくが…、特に何も起こらない。

405スキップ:2008/06/04(水) 23:50:11
>>404
「……なら、逆だな。」

『押し花』をちぎってバラバラにする。

406『病は気から』:2008/06/05(木) 00:00:48
>>406

『バリィッ バリィ……ッ』

『スキップ』の手が『押し花』を容赦なく破り捨てる。
それと同時に『スキップ』の胸にある種の達成感が生まれる。


そして。

          『ドッギャ〜ムッ』

『押し花』から押し出されるようにして飛び出して来たのは、
『1m』程度の人型の、太い毛糸を幾重にも編んで作られたような
……『怪物』。これが、『バックヤード・ベイビーズ』の言う
『スタンド』というものなのだろうか。

それと同時に…………。

「う………う………ん」

『女性』のうめき声が聞こえる。
「お、起きたのッ!? 起きたのね香澄ちゃんッ!」

『老婆』の悲鳴にも似た喜びの声も、それと同時に響いてきた。

407スキップ:2008/06/05(木) 00:18:08
>>406
「やれやれだぜ…やっとこさビンゴだな。
ところで…コイツは捕まえておいた方がいいんだろうな!おい逃げんじゃねーぜ!」

『怪物』をとっ捕まえる。

408『病は気から』:2008/06/05(木) 00:35:44
>>407

『スキップ』は『怪物』を捕まえようと飛び掛る。
しかし………。

スルリ。

『スキップ』の身体は、『怪物』をすり抜けてしまう。

『フフフ、「ゴ主人」タラ! 「初心」デスネェ〜。
「スタンド」ハ「スタンド」デシカ 触レマセンヨ。

ツイデニ「バックヤード・ベイビーズ」ッテ何ダカ
長イノデ ヤッパリ「ワッシ」ノ事ハ
「ザ・ベイビーズ」ト呼ンデ下サイナ』

唐突の名前変更宣言に憮然としつつ、『スキップ』は、
『毛糸のスタンド』を見やる。
『毛糸のスタンド』は黙ったまま、どこか悲しげに
『スキップ』を見つめていた。

「……何が何だか分かりませんが、
治してくれたのですかな…? この娘を」

と。『老人』が『スキップ』に話しかけてくる。

409スキップ:2008/06/05(木) 00:53:02
>>408
「そうかよ…勝手にしやがれ。」

「…まあ、そういうことになりますかね。
僕もまだはっきりと因果関係がわかったわけではないのですが、
…もうおそらくは、あの干からびる『奇病』が再発することはないでしょう。」
「原因を説明することは難しいし理解しづらいでしょうから、それは聞かないでください…。」

410『病は気から』:2008/06/05(木) 01:00:30
>>409

「そうですか…。しかし、何にせよ
治って『再発』する事がないのなら良かったです。
本当に、良かった」
『老人』が安堵の表情を見せる。

「ね? 言ったとおりでしょう?
この『スキップ』さん、『奇跡』を起こしてくれるって
私、信じていたんですよ」
『老婆』が『老人』に、声をかける。
その顔には笑顔が、浮かんでいる。

二人には『毛糸のスタンド』が見えている様子は全く無い。

「……た……………………」

と。

『女性』の声がうっすらと『スキップ』の耳に届く。
小さな声だ。うかれている『老人』と『老婆』には届いていない。

411スキップ:2008/06/05(木) 01:06:40
>>410
にこにこしながら、女性の方に静かに動いていく。
そして耳を立てる。

412『病は気から』:2008/06/05(木) 01:17:05
>>411

途切れ途切れの『女性』の言葉。
一つ一つ丁寧に聞き取る『スキップ』。

最初は「た」
次には「す」
続いて「け」
最後に「て」

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

そういえば。

『スキップ』は思う。
『スタンド』とは『超能力』の事だと聞いた。
今回の『事象』、そしてあの『怪物』、
あれらも誰かの『超能力』なのだろう。

……一体、『誰の』?

『女性』に対し、これだけの事をするのだから、
『恨み』、それも殺したいくらいの『恨み』を
持っている奴の仕業だろうか?

……『老人』と『老婆』にはあの『怪物』が見えない様子だ。
自分の超能力が見えない…おそらくそんな事はありえないだろう。
とすると、余計に『犯人』が分からなくなる。

何か、何か考えが違うのかもしれない。
『スキップ』は先ほど聞いた『女性』の言葉と併せて、思案をめぐらす。

413スキップ:2008/06/05(木) 01:30:30
>>412
「………残るは、猫かあんたか、もしくは俺だが…。
俺が来る前に事態は始まっていたんだ。それは違う。
それに、猫は…あれはあんたの飼い猫か? あんたに悪意を持っているようには思えないが。」

『毛玉のスタンド』はまだだまったままなのか?

414『病は気から』:2008/06/05(木) 01:38:01
>>413

『スキップ』は『女性』に尋ねるが、
これ以上言葉を紡ぐ体力はまだ回復していない様子だ。
何かを訴えるような目で『スキップ』を見ている。

『毛糸のスタンド』は、じっと様子を窺っているようにみえる。
『ネコ』は実に落ち着いた様子で欠伸なんかをしている。
見る限りだが、『女性』に敵意を持っているような様子は無い。

「………さて」
『老人』が『スキップ』に声をかける。

「本日は本当にお世話になりました。
ささやかながらお礼を用意したいと思います。

『娘』も、まだまだ本調子とはいえないようですし
…こちらへ、どうぞ」

『老人』は『ドア』を開け、他の部屋への移動を促している。
『お礼』の具体的な話をここではしたくない、という事かも知れない。

415スキップ:2008/06/05(木) 01:58:56
>>412
「もうちょっと待ってください。

…なら、あんただな。
あんたが『助かりたくなかった』とも思えないが、だがあんたの『意思』は例の『干からび』を引き起こした…。
矛盾する行動だが…、自傷行動だな、それは。」
「あんたは…健康な体がほしかった。もっといろいろなところに行っていろいろな所に
行ったりしてみたかったんじゃないか?
それが、あの多彩な趣味に繋がったんだろうが、だが趣味は実際の経験とは違う。
そのことに強い落胆を覚えてしまって、ああいうやけっぱちな心境になった、と推測する。」

「…健康な体があれば万事解決なんだがな。」


『女性』の手に自分の手を乗せる。
『干からび』は元に戻りつつあるのだろうか?

416『病は気から』:2008/06/05(木) 02:17:12
>>415

『干からび』ているのは僅かだが和らいでいるように感じた。

『スキップ』は、今回の事件を
『女性自身』の『自傷行為』であり、
『健康な身体』がない為の自暴自棄の行為であると推測した。

『女性』の手に自分の手を乗せる『スキップ』。
確かに『健康』な身体があれば、様々なところへ行けるし、
面倒を見てくれている『老人』や『老婆』と
旅行なんかもいけたかもしれない。
そこで写真でもとって、数々の『思い出』を増やしていく…。
それは実に素晴らしい事であると思われた。


『写真』?


そういえば。
『スキップ』は思う。
この部屋には『フォトアルバム』があった。
そこに写っていたのは『女性』と、おそらく『両親』であろう二人『のみ』。
何か、少しだけ、『違和感』を覚える。
『写真』なんか、何も旅行に行かなくてもとれるのだ。
『女性』にとって、写真に残しておきたい人物は他に居なかったのだろうか。

『・・・・・・・・・・・・・・・』

「もう、いいですかな?」
少しだけ苛立ったような、『老人』の声。

417スキップ:2008/06/05(木) 22:19:43
>>416
「そういえば…、お二人は写真に写っていなかったですね。
写真嫌いというのもよくありますが、一枚も無いというのは重度ですよね。
なにか理由でもあるんですかね?」

『老人』と『老婆』に話しかける。

「それに、まあもう少しくらいいいでしょう…なにか僕をさっさと遠ざけたいような感じもする。
おっと失礼でした。」

418『病は気から』:2008/06/05(木) 23:26:36
>>417

『・・・・・・・・・・・・・・・』

「……『理由』? そんなもの必要ですか?
こんな場所でわざわざ『写真』なんて撮る機会なんてないでしょう」

『一瞬』。
『老人』の顔に何ともいえぬ『不快感』が浮かんだような気がしたが、
それは、すぐに撤回され、『老人』の顔は再び笑顔を取り戻した。

「そうですよ」
『老婆』も続ける。

「私たちは『あの娘』の『唯一』の『家族』なんですからね。
これはゆるぎのない『事実』。
誰にも曲げる事の出来ない『事実』なのよ…!」

419スキップ:2008/06/05(木) 23:53:18
>>418
「……かっこ本人主張、だがな。」
「まあそれはいいです。
ですが、『唯一』の家族なら…なぜ一緒の写真をとらないんです?
普通なら取る、特に両親がいないのであれば、一人残された孫に一緒にいてやろうと、
まず普通はそういった写真を撮る。
それに…フィルムブックにはあなたたちではない二人…両親でしょうか?その人たちが映っていた。
ですが何故かあなた達の写真は一枚もない…なんか不自然じゃあないですかね?」

「そっちの部屋に行くのはもうちょっと待っていただこう。」

420『病は気から』:2008/06/06(金) 00:22:02
>>419

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

「やれやれ。もう、いいかね? 婆さん。
話し合いで何とかできるかもしれないが、
私はもう、疲れてしまったよ」

『老人』の仕草が余りにも自然だったので、
『スキップ』は『それ』を止める事は出来なかった。

「そうですねぇ。こうなってしまうと
この方は少し『邪魔』ですわねえ。
『狡兎死して走狗煮らる』。
って言っても若い貴方には何の事か分からないかしら?」

『老婆』の動作もまた余りにも滑らかで、
『スキップ』は「それ」を止める事は出来なかった。

「うひひひひひひひひひ」
「うふふふふふふふふふ」

おじいさんは『医療器具』の下から『猟銃』を。
おばあさんは『懐』から『包丁』を。

『スキップ』は何が何だか分からないまま、
『机』の隅へ『追い詰められる』。

421『病は気から』:2008/06/06(金) 00:34:46

そこへ、『ザ・ベイビーズ』の声。

『「ゴ主人」、チョット「ピンチ」デスヨ?
「ワッシ」ノ「スタンド」トシテノ「能力」ハ
マダ「不安定」デスガ…一応、オ教エシマス。

「恩返シ」サセル「能力」。

「ゴ主人」ガ「助ケテアゲタ」「親切ニシテアゲタ」モノニ
対シ、「恩返シ」サセル「能力」デス。
タダシ…「恩」ノ「気持チ」ガ 芽生エソウモ無イ相手ニハ「効果」ハ薄イデス。
目ノ前ニ居ル オ二方ニハ…チョット効キソウニ無イデスネェ。
アトハ勿論、当ノ本人ガ弱ッテイレバ、「恩」ヲ返サセヨウニモ
難シイモノガ アリソウデスシ。

……コウ考エルト コノ能力、果タシテ今、使エルンデスカネェ?

「恩」オ返シテ欲シイ相手ガ モシモ居ルノデアレバ
「念ジテ」クレレバ 対応シマスガ……、
自分デ 「何トカスル」場面ナノカモシレマセンネェ」

さて、どうする?

422スキップ:2008/06/06(金) 00:55:57
>>421
「…そういうことは早めに言うんだ、覚えておけ。」
「そして、…ちょっと酷だが、やってもらうしかない。『アイツ』にその『能力』を使ってくれ。
一気に行くぜ…!」

猫に『恩返し』をさせる。
できれば叫び声を上げながら『老人』の顔に飛び掛らせたいが、そこまで指定は出来ないだろう。
ともかく、いきなり猫がどちらかにでも飛び掛れば動揺するはずだ。
猫が『恩返し』するタイミングは分かっているのでこちらの反応の方が早い、
『老人』を蹴り飛ばし、猟銃を奪う。

もしまだ棘の怪我で血が少し出ているような状態だったら、『老婆』に対して手を振って血の目潰しをする。
そうでなかったら、猟銃を奪う際に、『老人』を『老婆』の方向に振り回し障害にしたい。

423『病は気から』:2008/06/06(金) 01:08:38
>>422

『ふぃぎゅあぁぁぁぁぁ!!』

『ネコ』が突然うなり声をあげ、『老人』に襲い掛かる。
余りにも突然の事だったので、完全に不意をつかれる『老人』。
『老婆』も、それに気をとられている。

『ダァムッ!!!』

想定通り。
気持ちよく、『スキップ』の蹴りは『老人』に決まり、
『猟銃』の『奪取』に成功した。

『オオオ!「一瞬」ニシテ「形勢逆転」デスネ!』
『ザ・ベイビーズ』の喜ぶ声。

424スキップ:2008/06/06(金) 01:52:52
>>423
「ヘイ!
手を頭の後ろに組んで跪け。
娘さんからも遠ざかっておくんだ…とっととしねーと耳に穴開けるくらいはあっという間にやってやるぜ!」

二人に銃をつきつけ脅す。
それと、猫への『恩返し』は中止させよう。

「…で、理由を話してもらおうか。」

425『病は気から』:2008/06/06(金) 02:06:30
>>424

『ふぎゃああ』

『ネコの恩返し』は終わりを告げ、
『ネコ』は再び丸くなる。

ぱ……ッ

『老婆』は『猟銃』を構える『スキップ』を見るやいなや、
『包丁』を床に置き、両手を挙げた。
『老人』も同じように両手を挙げ、後ずさる。

「い、い、いやですわ、おほほほほほほ。
『冗談』ですよ? 『スキップ』さぁ〜ん」
『老婆』が引きつった笑いを見せる。

「そ、そ、そうですよ、『スキップ』さん。
あなたは『娘』の『命』の恩人です。
『恩』を『仇』で返すような真似するはずも…」

『老人』の笑顔も、また引きつっている。


『嘘つき……ッ』

と。
突然、どこかで声が聞こえた。
チラリ、と『スキップ』が声の方向へ目をやると………。

話しているのは、『毛糸のスタンド』だ。

426『病は気から』:2008/06/06(金) 02:20:39

そして、『女性』のスタンドである『毛糸のスタンド』は、語る。

『貴方たちは……私の「両親」が亡くなってから、
ひょっこり現れた「祖母」と「祖父」でしたね。
「親戚たち」を「説得」して、私を「養女」にした…。

初めから私は貴方たちが嫌いだった。
だって、貴方たちの目に映っているのは「私」でなくて…、
私が「相続」する予定の「遺産」なんですもの。

18歳の誕生日、あと一ヶ月に迫った、私の誕生日に、
私は「両親」が遺した莫大な遺産を「相続」する……。
それが欲しくて、今まで「私」の面倒を見てくれたんでしょう?

「私」は…自分の体調のせいもあって、
半ば「軟禁状態」でここで時を過ごすしかなかった。
たくさんの「趣味」は、少しでもその現実から逃げたかったから。

そして、残り一ヶ月となって、
「最悪」な「現実」に「絶望」した
「私」から生まれた「超能力」が、「タルサ・シャッフル」…。

その能力を身をもって味わったのは
「押し花」をやっている時に、
つい「棘」で指を怪我してしまった時だった』

427『病は気から』:2008/06/06(金) 02:30:56

『さっきまでは「能力」は知らなかった。
ただもう、「死んでしまいたい」と思っていただけ。
でも、今なら「能力」も理解出来た…。

「タルサ・シャッフル」がとりついた物質が傷つけたものは、
とりついた物質の「生存システム」が付加される。

「植物」の「生存システム」…その一番大きなものが「光合成」のシステム。

必要なものは「水」と「光」と「二酸化炭素」
普段からマスクによって過剰な酸素を取り入れ、日光を避けてきた私には、
「二酸化炭素」と「充分な量の光」を取り入れる事が難しかった。

……………ねえ、『スキップ』さん…というのかしら?
もし、もし、良ければでいいんですけど…。

                         『助けて』」

428スキップ:2008/06/06(金) 23:00:25
>>427
「…まあそれが出来るかどうか知らんが…、
俺にその『タルサ・シャッフル』、そいつを寄生させればいい。
あんた体が弱いんだよな…それは要するに、人としての『生存システム』が弱いってことだ。
例えば食が細いとか貧血だとかいろいろあるが、そういうことが重なって免疫力が低くなったりする。
だから…俺の、健康な人の『生存システム』を付加すれば、今にプラスしてよりメシが食えるようになるだろうし、
新陳代謝なんかも活発になるだろ。
…上手く行くかどうかは知らんが、やるだけやってみな。」

429『病は気から』:2008/06/06(金) 23:32:20
>>428

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

『タルサ・シャッフル』と呼ばれる『毛糸のスタンド』は、
やがて、『スキップ』の方へ、ゆっくりと近づき。

スゥゥゥゥ――――――――――ッ

『スキップ』に触れると吸い込まれるようにその姿を消した。

『老人』と『老婆』には『タルサ・シャッフル』の
先程の話は聞こえていないようだ。
『スキップ』の独り言(に見える)に怪訝そうな表情を浮かべている。

430スキップ:2008/06/06(金) 23:39:25
>>429
「……これでいい、はずだ。」

→エピローグへ

431『病は気から』:2008/06/07(土) 00:21:01
>>430

『スキップ』は、『老人』と『老婆』を
猟銃で脅しつけ、追い出すことに成功する。
そして、その爪でそっと、『女性』の肌を傷つけた。

→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→

『一ヶ月』が経った。
『女性』………『甲元香澄』は無事、誕生日を迎え、
莫大な『遺産』を手にする事となる。
彼女はすっかり『健康』な身体を手に入れ、
今も『山荘』で穏やかに暮らしている。

『スキップ』は『親切』だった。
『どんな時も、人を助けなければいけない』。
そんな信念の元、動く人物だった。

だからこそ『スキップ』は、『香澄』から離れられない。
『タルサ・シャッフル』の『射程距離』は『10m』。
『スキップ』は『香澄』の為、今日も、
影のように、ピッタリと『香澄』の『傍に立つ』。
それはただの『親切』からなのだろうか?
それとも。

「本当に…」
「ん?」
「やまいは き からよね?」
「ああ…『スタンド』は『気』みたいなものだからね」
「そうじゃなくて」
「え?」
「『薔薇』の」
「……………ああ」

何気ないからこそ幸せな会話が、
今日も『山荘』で、ささやかに行われる。

                   エピソード4:『病は気から』⇒『了』

432『病は気から』:2008/06/07(土) 00:24:05

取り付くタイプのスタンド。
毛糸を幾重にも編んで作ったような形状をしている。
スタンドが、何かに触れる事でそこに取り付くことが可能。

『憑依物』が『傷つけた』ものに、
『憑依物』の『生存システム』をなすりつけるのが能力。

この文中の『生存システム』とは、
『憑依物の生命や機能に対して大きく影響する要因』の事。
具体的に言えば『エネルギーの補給方法』、『熱』や『火』、
『酸』『病原菌』など『有害物質』になりえるものへの『抵抗力』などを指す。

『解除条件』として『本体』の任意、『憑依物』の破壊、
『射程距離』からの『離脱』がある。

『タルサ・シャッフル』
パワー:C スピード:C 射程距離:C
持続力:A 精密動作性:C 成長性:A

433『病は気から』:2008/06/07(土) 00:38:00

『魚』の『ヒレ』状の物質を大量に纏う人型スタンド。
『恩返し』をさせる能力。
本体、あるいは『ザ・ベイビーズ』が『善行』を働いたものに対し、
『善行』一種類につき、『一回』だけ、
『恩返し』をしてもらう事が出来る能力。

『恩返し』してもられるものには『自動的』に
スタンドの『ヒレ』の一枚がくっつく。
もし対象が『自力で動けないもの』ならば、
これが『動力源』となり、その対象を動かし、
『恩返し』させる事が可能。

対象は『非生物』『生物』問わないが、
『生物』に関してはその効果は「『恩』を強く感じさせる」と
いった『精神的』なものになり、
その効果は『恩知らず』や『敵対者』には、薄い。

対象にとって『利益』の幅が大きいものや、
『命』にかかわる『善行』ほど、
『恩返し』してもらえる行為の幅や、持続時間は多くなる。

『ザ・ベイビーズ』(『ヒレ』も同様)
パワー:C スピード:C 射程距離:C
持続力:A 精密動作性:C 成長性:A

434『病は気から』:2008/06/07(土) 01:31:40
<『病は気から』のシステムについて>

当フリミは『推理ミッション』である。
いくつかの設問を参加者がクリアしていき、
『エピローグ』までたどり着けるかの、
やや『システィマティック』なフリミ。

『設問』は、

『彼女に何が起こっているのか?』
『その対処法は?』
『押し花から出てきたスタンドは誰のもの?』
『なぜスタンドの持ち主はそんな事を?』
『老人・老婆の対処に「ザ・ベイビーズ」を誰に使うか?』

それぞれを答える場面で『一定』以上の『答え』を
出さないと、フリミは『収束』に向かっていくシステム。
ある程度正解に近ければ、『参加者』の『自動思考』などにより
『ヒント』は提示され、それでも駄目なら『収束』してしまっていた。

435『病は気から』:2008/06/07(土) 01:32:10
【評】

『スキップ』

『調査』における『材料』集めに関しては、
『押し花』『薔薇』を直接チェックしなかった事
以外は、スムーズに行えており、問題はあまり無い。

最初に提示した『吸血鬼説』は、
よくよく検証すれば『調査』とそぐわない事は
分かったであろうからもう少し考えてから
提示した方が良かったかもしれない。

各設問には何度か少しずつズレた『答え』を出していたが、
『ヒント』により『正答』まできちんと辿り着ける事が出来ていた。。
ちなみに一番『収束』に近づいたのは『押し花』の
存在を思い出せなかった箇所。

総評すれば、良くも悪くも『平均的』な『推理力』の持ち主。
まだまだ『思考』や『分析』において磨ける箇所はあると思うので、
よりよりスタンド使いを目指して頑張って欲しい。

追記するならば最後の、「『タルサ・シャッフル』を『参加者』本人に使い、
『女性』の生存システムと高める」という『発想』は高く評価したい。

436『病は気から』:2008/06/07(土) 01:55:35
エピソード4:『病は気から』

『前提・参加希望』【>>340-350
『フリミ本編』【>>351-431
『登場スタンド能力・システム・評』【>>432-435

『総レス』:97レス(本レス含む)
『総日数』:10日 (フリミ本編から評までにかかった日数)

437エピソード5:『そのままの君で』の【前提】:2008/06/10(火) 23:28:55

『基本設定』

名前:参加者次第
性別:参加者次第
年齢:参加者次第
職業:参加者次第
スタンド:参加者次第
持ち物:参加者次第

備考:『二名募集』。『二名』は『前提』により
強制的に『知り合い』以上になってしまうが、それでもよければ。
『自然』な流れならば『知り合い』同士で
応募してもらっても構わない。
ただしその時は事前にどういう『知り合い』か、
遅く書きこんだ者が記す事。

438エピソード5:『そのままの君で』の【前提】:2008/06/10(火) 23:31:16

7月4日、まだ本格的な夏は訪れていないのに、
イヤになるくらいの蒸し暑い日。午後2時半。
『参加者たち』は汗だくになりながら片田舎の畦道を歩いていた。

目的もあても無い、逃避行のような『旅行』。
そして『参加者たち』は、小さな町へと辿り着く。
そこで気さくに声をかけてくる『青年』と仲良くなった。

『青年』と語るうちに一つの話題に行き当たる。
今、この小さな町を揺るがしている『事件』。

→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→

この町の一角に仲の良い老夫婦が住んでいたという。
しかし、ある日、夫が突然失踪してしまう。

夫の死体こそあがっていないものの、
滑り落ちる跡、その傍らに落ちた夫の杖と帽子、浮かぶ夫の靴……。

全ての状況証拠が、夫が「二人の家の裏の『湖』に
落ちてしまった事」を示唆していた。

妻である『老婆』は夫が失踪したその日から、
次第に『家』に引きこもるようになっていった。

夫が亡くなったショックでボケてしまった、
という説が近所で流れ始め、同情的な目で
見られるようになった『老婆』。

439エピソード5:『そのままの君で』の【前提】:2008/06/10(火) 23:32:07

「それだけなら…まあ近所のちょっとした話題、で済むんですが」
『青年』が言葉を紡ぐ。

「近所の子供の中で、なんというか…
『度胸試し』として『老婆』の家に入っていくという
『遊び』が流行ってしまったらしいんですね。

で、ですね。その中の一人が『老婆』の
家から出てこなくなってしまったらしいんです。

無事に帰ってきた子供たちは口々にあそこには
『お化け』が居る、と語ったそうです。
当然、大人たちも初めは信用せずに、数人で
『老婆』の家に入り込んだのですが…
五分もしない内にドタドタと逃げ帰ってきたそうですよ。
そして、その口から出たのは


「あの家は『呪われている』。

それがまさしく今日の午前中の出来事です。
今は…えーと、『お払い』の準備をしているそうですよ。
でも、神主さんが腰痛持ちなので準備にはもう少しかかるらしいですが」

440エピソード5:『そのままの君で』の【前提】:2008/06/10(火) 23:32:28

『その「家」行ってみようか?』

『参加者』のうち、どちらが言い出したのだろうか。
二人は青年と別れ、突き動かされたかのように『家』まで向かう。
『家』は築30年といった感じの佇まい。
昭和の匂いを強く受け継ぐ、堂々たる二階建てだ。
『家』の前にはたくさんの男たちが謎の祭壇のようなものを
作り上げようとしている。これがお払いの準備なのだろうか?

この事件を『スタンド』によるものと睨んでいた
二人はその有様に苦笑しながら、
周囲の目を盗んで、『家』へと侵入していく…。

441エピソード5:『そのままの君で』の【前提】:2008/06/10(火) 23:34:05
【地図】

『老夫婦』の『家』。間取りはPL的にしか知りえていない。
また、家内の『備品』の詳細は、その目で確かめる事。

ttp://tok0.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/gazouup/img-box/img20080610232506.jpg

442エピソード5:『そのままの君で』の【前提】:2008/06/10(火) 23:37:34
【基本設定】(>>437
【前提】(>>438-440
【地図】(>>441

『質問受付』は6月11日(水)22時まで
『参加者募集』は6月11日(水)23時から
と、する。

443新手のスタンド使いかッ!?:2008/06/11(水) 00:40:25
『質問』
・『湖』の大きさ、位置はわかるだろうか?
・『家』の周辺状況。住宅地なのか?
 それとも、周りは田畑か何かなのだろうか?
・『家』への侵入経路(どこから入り込んだ?)
・『家』を外から眺めて、窓に人影などが確認できなかったかどうか
・『青年』とは互いに自己紹介を済ませた?
・子供たちと、逃げ帰ってきた人たちから、
 具体的に中で『何が起こったか』は聞けていない?

444エピソード5:『そのままの君で』の【前提】:2008/06/11(水) 01:02:09
>>443

『参加者』が『家』の周囲を見回すと、
その他の家々がポツンポツンといくつか見えた。
『住宅地』、といえばそうなのだろうが…。
『家』の所在が町外れな為か、
それぞれが広大な土地持ちな為か、
『家』と『家』は離れており、
その間には整備されていない、
『藪』という表現が適した空間が広がっている。

『湖』は、地図上の『勝手口』の付近から
100mほどのところにあった。
余り整備されていると言い難いが、
『勝手口』から『湖』まで、
人が通れるくらいの『道』が存在する。
大きさは見た限りでしか分からないが、
さほど大きくはない、『池』に毛が生えたような『湖』だ。

『家』は、『玄関』からコッソリ、
(といっても見張っているわけではなかった為、
比較的容易だった)入っていった。
今のところ『家』から人の住む気配は感じられない。


『青年』は、『吉川』と名乗った。
近所に住む青年で町役場に勤めているらしい。
『参加者たち』も名を名乗っている。

『何が起こったのか?』については、
これ以上の情報は無い。

445エピソード5:『そのままの君で』の【前提】:2008/06/11(水) 23:01:36

参加者募集開始。

446ステア『ブラック・ヴェルヴェッツ』:2008/06/11(水) 23:13:20
>>445
参加希望です。
 
名前:ステア・フェリシアノ
性別:女
年齢:21
職業:カメラマン
スタンド:『ブラック・ヴェルヴェッツ』
持ち物:財布、携帯電話、手帳とボールペン、キャップ、一眼レフデジタルカメラ
     ショルダーバッグ、ミネラルウォーター(1リットル)、最低限の化粧道具、ビニール袋。
 
『ブラック・ヴェルヴェッツ』 非・人型/人工・機械型
 
能力:『水』にイメージを投影する。
 
パワー:C スピード:C 射程距離:A
持続力:A 精密動作性:A 成長性:C
 
・視界内の『水』の形状を、液体のまま本体のイメージ通りに変化させることができる。
・『水』は、光の屈折によってイメージを忠実に投影し、目視による区別はほぼ不可能。
・最大で、本体を中心とした半径1キロメートルの『水』を操れる。
・一度に操れる『水量』に限界は無い。
・複数の場所で別々に存在する『水』を同時に操る事は出来ない。
・『水』の操作は、最低でも、その一部を視認している必要がある。
・『水』は、真水である必要は無い。

447ノギシ『ターネイション』:2008/06/11(水) 23:27:19
>>445
参加希望です。

名前:ノギシ・レイダーバーグ
性別:男
年齢:22
職業:司書
持ち物:財布、携帯電話、手帳とボールペン、着替え(中学生サイズ)、新書、リュックサック、雨具、望遠鏡、スケッチブック、筆箱。
ステアとの関係:図書館にステアの写真集が寄贈されたことをきっかけとして、出会う。

『ターネイション』
パワー:B スピード:B 射程距離:C
持続力:A 精密動作性:C 成長性:A

殴ったものから『1年〜1秒』の『時』を引き出すスタンド。
『時』が引き出されることで、対象は『過去』に戻る。
引き出した『時』は『球状』になり、誰もが扱うことができる。
『時』を与えると、対象は『未来』に進む。

448ノギシ『ターネイション』:2008/06/11(水) 23:34:49
>>445
「ステアとの関係」は初対面の場合不要のようなので、無視してください。

449『そのままの君で』:2008/06/11(水) 23:52:02

エピソード5:『そのままの君で』

450『そのままの君で』:2008/06/11(水) 23:53:10
<これまでのあらすじ>

7月4日、まだ本格的な夏は訪れていないのに、
イヤになるくらいの蒸し暑い日。午後2時半。
『ステア』と『ノギシ』は汗だくになりながら片田舎の畦道を歩いていた。

目的もあても無い、逃避行のような『旅行』。
そして『参加者たち』は、小さな町へと辿り着く。
そこで気さくに声をかけてくる『青年』と仲良くなった。
『ステアたち』と『青年』は、互いに自己紹介を交わす。
『青年』は『吉川』と言い、町役場に勤めているという。

そして参加者たちは『青年』と語るうちに一つの話題に行き当たる。
今、この小さな町を揺るがしている『事件』。

→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→

この町の一角に仲の良い老夫婦が住んでいたという。
しかし、ある日、夫が突然失踪してしまう。

夫の死体こそあがっていないものの、
滑り落ちる跡、その傍らに落ちた夫の杖と帽子、
浮かぶ夫の靴、そしてその日から消える夫の消息……。

全ての状況証拠が、夫が「二人の家の裏の『湖』に
落ちてしまった事」を示唆していた。

妻である『老婆』は夫が失踪したその日から、
次第に『家』に引きこもるようになっていった。

夫が亡くなったショックでボケてしまった、
という説が近所で流れ始め、同情的な目で
見られるようになった『老婆』。

451『そのままの君で』:2008/06/11(水) 23:53:31

「それだけなら…まあ近所のちょっとした話題、で済むんですが」
『青年』が言葉を紡ぐ。

「近所の子供の中で、なんというか…
『度胸試し』として『老婆』の家に入っていくという
『遊び』が流行ってしまったらしいんですね。

で、ですね。その中の一人が『老婆』の
家から出てこなくなってしまったらしいんです。

無事に帰ってきた子供たちは口々にあそこには
『お化け』が居る、と語ったそうです。
当然、大人たちも初めは信用せずに、数人で
『老婆』の家に入り込んだのですが…
五分もしない内にドタドタと逃げ帰ってきたそうですよ。
そして、その口から出たのは


「あの家は『呪われている』。

それがまさしく今日の午前中の出来事です。
今は…えーと、『お払い』の準備をしているそうですよ。
でも、神主さんが腰痛持ちなので準備にはもう少しかかるらしいですが」


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板