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兄弟姉妹の想い出スレッド

39松男</b><font color=#FF0000>(3myoOG1M)</font><b>:2002/06/13(木) 16:44
3月初めのお話です。
「ただいまー」
玄関が開く音といっしょに、姉の声が聞こえてきました。
「おかえりー」
「松男ー♪」
もそもそと動いていた足音が、急にばたばたするのが分かりました。
「久しぶりー。」
「うん、昨日くらいに帰ってきた。」
「ん、おかえり。」
そう言えば姉と会うのは50日ぶりくらいでした。
僕は普段は月に2回ほど帰ってくるのですが、学年末のごたごたでそれが叶わなかったのです。

「お昼ご飯は?」
「んー、まだ。」
「お腹空いてる?」
「って言うか今からパン食べる。」
テーブルには母が用意してくれていたパンが置いてありました。
「冷蔵庫は・・・あー、なんもないね。
 じゃあたしは白玉団子作ろ。」
そう言って姉は台所で白玉団子作りを始めました。

「白玉団子って、何で作るの?」
「小麦粉と水。」
僕はふーんと返事をして、パンを食べ始めました。
二つ目に食べようとしたのがカツサンドだったため、暖めることにしました。
姉はビニール袋の中で小麦粉と水を練り合わせていました。
「味付けは?」
「きな粉が余ってるから。」
「そか。」

やがてパンが暖まり団子も茹で上がり、2人でテーブルにつきました。
「最近は何やってんの? もう春休みなんでしょ?」
「A大に解剖学習に行ってる。」
姉はB大学の看護学生です。A大というのは近所の国立大学のことです。
「解剖学習?」
頭の中に、理科とか蛙とか例の写真とかが思い浮かびました。
「うん。A大の人たちと一緒に。」
「切ったりするの?」
「そりゃあもう。今日だって太腿の××筋だとか△△筋だとかをこう・・・」
姉はジェスチャーつきで解説してくれました。
「それは・・・どんな人を使うの? 大学病院の患者?」
「いやいや、生きてる人の筋肉とか外せないって。
 あたしのとこは生前に了承が取れた人。まだ死んでそんな経ってないよ。」
「ふーん・・・それって毎回こんな早く終わるもんなの?」
「いや、今日は早く帰ってきたんよ。」
「なんで?」
「財布忘れちゃってさあ、あはは。」
「んー、財布忘れたのと早く帰ってくるの関係がわからないんだけど。」
「だってお昼ご飯のパンが買えないじゃん。」
「・・・」
「あせったよー。昼休みになって無いのに気付いてさ、
 定期だけは持ってたからもう帰ることにしちゃった。」
「・・・いいんですか? そんな簡単に帰っちゃって。」
「たまにだからいいの。自主学習みたいなものだしね。」
「はあ、そんなもんスか。」
「そうだ。財布探さなくちゃ・・・」
そう言って姉は2階へ駆け上がって行きました。
僕はパンを食べ終えて手持ち無沙汰だったため、白玉団子を食べてみました。
見事なまでに無味無臭で、粉っぽくて口が渇いてきました。


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