したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

灼眼のシャナ&A/B 創作小説用スレッド

188名無しさん:2006/02/03(金) 00:35:42
 「っっっ、あ、 う、うるさいうるさいうるさい!」
と、怒鳴り散らし、湖面に、耳まで赤く染めた顔を背ける。だがそれは不快な言葉では無く、彼女が望んでいた物でも
あった。少年は苦笑すると、彼女に習い湖面を眺める。が、そこには先ほどは感じなかった、僅かな違和感があった。
 (何だ?存在の力が近くにある。でも姿は見えない。)
シャナはまだ気付いて無い様だ。少年には時折、フレイムヘイズすら見えない「存在の力」の流れが見える事がある。そし
てその能力が、本能が告げる。危険であると。
 (どこだ?何故、姿を表さない!)
一瞬思考を巡らすその刹那、存在の力が瞬時に高まり、そして-----
 「危ない!シャナ!」
 「っっっ!!」
少女の居た虚空を桜色の閃光が貫いていた。ザブッ、と湖面に僅かな穴を開け、少女が落ちる。少年が、力の爆発する
その一瞬前に、少女の体を突き飛ばしていた。そして、
 「徒か!」
言うが早いか、身の内の存在の力を高める。強大な紅世の王「千変」の存在を一部取り込んでいる彼は、既に並みの徒を
はるかに上回る力を得ていた。爆発的な力を一気に練り上げる。しかし、
 「消えた?」
唐突に存在の気配が消えた。森は元の閑散とした空気を湛えている。そして、
 「どういうことなんだ?ねえ、シャ---」
言葉が詰まる。その傍らに居るはずの少女がいない。か弱い少女ならいざ知らず、彼女はフレイムヘイズ。屈強なる
戦士だ。まだ水面から上がってこないのは、奇妙だった。
 「まさか・・・陽動?僕がシャナを突き飛ばすのを見越していたのか!」
危難に置いて冴え渡る彼の頭脳は、危険を告げている。
 「シャナ!」
少年は叫び水面に飛び込もうとする。彼女がいなくなることへの恐怖心故に。彼女が傍を離れる事は到底考えられな
い。それほどまでに、彼にとって、少女の存在は大きくなっていた。しかし、
 「な!」
 「・・・・・・・・・・・」
それは唐突に、何事もなかったかの様に現れた。手に掻き抱く少女と共に。すらりと伸びた長身。整った眼、鼻立ち。
時代錯誤的なメイド服に身を包んではいるものの、輝く夕焼けの中にたち尽くすそれは、湖の精と見紛うばかりだった。
そして、呆然とする悠二にそれは問う。静に、滔滔と。
 「ミステス。あなたが落としたシャナは、この白いシャナでありますか?それともこの黒いシャナでありますか?」
 「要返答」


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板