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カント私的忘備録

1:2002/06/28(金) 04:31
12月の修論完成まで忘備録として使わせてください。
かつて部室でしか本が読めなかったように、他人の目がないと
何もできないタチのようなので。
横レス歓迎。

2:2002/06/28(金) 04:42
・解明すべき概念群の相関関係
『純粋理性批判』「理性の仮説的使用」と
『判断力批判』「目的論的判断力」との関係
あるいは
「理性の格率」/「理性の主観的原理」と
「判断力の格率」との関係
あるいは
1「([純粋]悟性概念としての)カテゴリーの演繹」と
2「(理性概念としての)理念の演繹」と
3「(反省的判断力の原理としての)自然の合目的性の演繹」との関係

3:2002/06/28(金) 05:31
各相関の前者は後に後者において展開される問題系を既に、萌芽的ではあれ含んでいる、という解釈
→発展史的解釈における整合性は確保されるものの、反省的判断力のもつ固有性に関して、
なんら説明したことにならない

4くどう:2002/06/29(土) 04:10
>Hくん
ここのサーバはときどきぶっとぶことがあるので、ログを他のところにも
残しておくことをすすめます。知り合いの掲示板がそれで一度、なくなった
ことがあるので。

5:2002/06/30(日) 23:32
>くだうさま
そうですね。
確かに12月ぐらいに飛んだらすこし泣くかも。
コピペしてフロッピーにでも随時落としておきます。

6H:2002/07/01(月) 19:30
・目的と意図の区別。より正確には自然目的と自然意図の区別。

自然の合目的性/自然の技術が(反省的)判断力の超越論的原理である。
つまり何かあるもの(例えば有機体の肢体構造や食物連鎖関係、自然地理学的
諸事実[])について我々が目的という述語を付け加えうるためには、言い換えれば
目的論的判定が成立するためには、自然の側が我々のある能力のために自らの形式を
その問題となっている能力に適合して秩序だてている、という前提が必要である。

7H:2002/07/01(月) 19:54
もちろん自然が我々の自然研究に沿う形式をとって自らを提示してくれる、
というこの前提は、一見すると、自然研究者が演繹的確実性をもたない諸問題、つまり帰納的な問題を
解決する際に自然に「もちこむ」原理、即ち便宜的に立てられる仮説であるようにうつる。
例えば解剖学者は、「すべての部分は器官である」という前提を立てて研究に臨むはずである。
器官とは全体あるいは機能との関係においてのみ意義を有するものである。
だから「なんの役にもたたない器官」というのは語義矛盾である。
その限りで一見役に立たない盲腸のような部分も、単なる部分ではなく器官として再検討
されるに値することになる。
「身体におけるすべての部分は何らかの役に立つ」という理念が、「発見的原理」として
具体的観察に先立ち、その上で研究を指導するのである。

8H:2002/07/01(月) 20:08
しかしこのような「自然の合目的性」という理念が、仮説というレベルにおいて
「超越論的」原理としての審級を獲得するためには何が必要であろう?
アリストテレス=スコラ的自然研究の原理、すなわち「自らを自由に産出する自然」
という目的論的原理は、単純に自然科学のうちへと直ちに再召喚され得るものではない。
目的を扱うには問題のフェーズを変更する必要がある。

9H:2002/07/01(月) 20:17
心の全能力[心の能力]/認識能力[上級認識能力]/アプリオリな諸原理/…へ適用[産物Produkte]

認識能力/悟性/合法則性/自然
快不快の感情/判断力/合目的性/技術(Kunst)
欲求能力/理性/究極目的[同時に法則である合目的性(拘束性Verbindlichkeit)]/自由[人倫Sitten]

*[]は「第一序論」における表記

10H:2002/07/01(月) 20:35
これは『判断力批判』冒頭に本文に先立って付された序論末尾に登場する有名な表である。
哲学の、というより正確には広義の「純粋理性の批判」の全見取り図となっている。
哲学史教科書的に平板化されたカント理解をあえて援用しよう。
つまり我々が理解し得るのは我々が産出したものだけである、という解釈である。
カテゴリーが普遍的、必然的な妥当性、即ちアプリオリテートを持ち得るとしたら、
それは悟性が自らを自らが産出した範囲内(可能的経験)に制限する場合である。

11H:2002/07/01(月) 20:44
この表右上の「…への適用」、第一序論では「産物」、とはこのような事情を考慮することで
初めて理解可能になる。
一番上の「認識能力」の行を読み解いてみよう。
「認識能力」としての「悟性」は「産物」として「自然」を有する。この産出のモメントが
若干背景に退くと、悟性が自然「へ適用」される、という局面だけが残るのである。
そして悟性の原理としての「合法則性」が「アプリオリな諸原理」というアプリオリテート(普遍性・必然性)
を持つのはこのような過程から理解できる。具体的にそれが遂行されたのが「演繹」論だった。

12:2002/07/24(水) 15:24
********************************
久々に更新
********************************

13:2002/07/24(水) 22:11
・快、不快の感情の、体系的地位に関する『純粋理性批判』の記述
(方法論第二章「純粋理性のカノン」B829ff.)
「一切の実践的諸概念は適意、不適意の、すなわち快、不快の対象に関わる、
従って少なくとも間接的に我々の感情の諸対象に関わる。しかし感情は諸物を表象する
能力ではないので、全認識能力の外部に存するのである、従って我々の判断の諸要素は
それらが快、不快に関する限り、実践的哲学に属するのである、単にア・プリオリな
純粋諸認識に関わるところの超越論的哲学の総括のうちには属さない」

14:2002/08/26(月) 21:00
KU61節に関する覚え書き

・自然研究に目的論的判定を導入するにあたりカントが列挙するその条件
①蓋然的性格
②諸目的に従う原因性との類比
③自然をerklaerenするのではないという点
④規定的判断力ではなく反省的判断力に所属

15我が輩は名無しである:2002/08/26(月) 22:29
自然目的の概念が規定的判断力に属するものと解される場合

「…この場合には自然目的の概念は実際に判断力に本来属するのでは全くなく
(形式的な主観的合目的性としての美の概念のように)、理 性 概 念として一つの
新しい原因性を自然科学に導入することになるだろう…」

16:2002/08/26(月) 22:34
目的、目的[原]因、合目的性に関する、第一序論第9節でのカントのコメント①

「…自然における目的原因の概念は悟性あるいは理性に属する概念ではなく、
単に判断力に属する概念である…」(ということを証明するのが課題)

17:2002/08/26(月) 22:36
①の補足1;目的と意図のカントによる分離

「…経験は諸目的を提示することはできるが、しかしこれらの目的が同時に意図でもあることを
なにによっても証明することはできない…」

18:2002/08/26(月) 22:50
①の補足2;証明の内実

経験のうちで目的論に属していると見出されるものは、次の1,2を、つまり
1 もっぱら判断力に対する 経験の諸対象 の関係を 含み
2 反省的判断力としての判断力の 原則 と経験の諸対象との 関係を 含み
この原則により判断力は自分自身に対して(自然に対してではなく)立法的である

という証明

19我が輩は名無しである:2002/08/26(月) 22:55
②目的、合目的性と理性の関係

XX234「諸目的および合目的性の概念は、理性に客観の可能性の根拠が付与される
限り、理性の概念ではある。しかしながら、自然の合目的性は、あるいは自然諸目的
としての諸物の概念は、原因としての理性をこうした諸物と関係づけるのである。
この関係のうちで我々は経験により理性をこれらの物の可能性の根拠として知ることは
できない。」

20:2002/08/26(月) 23:00
③物の可能性の根拠としての理性。
「理性を」技巧的と呼ぶこと。

(これは「判断力は元来技巧的である」→判断力「が」技巧的であるという
スタンスとは大きく異なる)

「…技術の諸産物についてのみ我々は諸客観についての理性の原因性を意識
することができるようになるのであり、このために技術の諸産物は合目的的
であるとか諸目的とか呼ばれ、また技術の諸産物に関して 理 性 を 技巧的
と名づけることは、我々固有の能力の原因性についての経験に適合している…」

21:2002/08/26(月) 23:07
④技巧を巡る理性と判断力のそれぞれの位相。

「…しかしながら理性と同様に自然を技巧的として表象することは(こうして自然
そのものに合目的性を付与し、そのうえ諸目的すら付与することは)ある特殊な概念である。」
我々は経験のうちにこの概念を見出すことはできない。判断力だけが、この概念の指示に従って
特殊な諸法則に従う経験を試みるために、すなわち、一つの体系の可能性の諸法則に従う
経験を試みるために、
諸対象に対する反省のなかにこの概念を置くのである…」

22我が輩は名無しである:2002/08/26(月) 23:10
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今日はここまで。
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