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やりスギロワイアル
8
:
Mysterious-Partner-Takashi
:2012/06/19(火) 22:35:00 ID:xwSnNkXg
第五話「漁夫の利の利」
ちびまる子ちゃんのクラスメイト、大食いの小杉 太(こすぎ ふとし)は腹の虫を鳴らしながら、山道を歩いていた。
「ちっくしょ〜……腹が減ってしょうがないぜ……。
支給された飯なんかじゃ足りないぜ……こうなったら、誰かを襲って食いモン奪うしかねぇな……」
太は邪悪に笑うと、支給品のレミントンショットガンを肩に担いだ。
ずっ。
それは、山道の土を踏みしめた音だった。
音の出所は、太の背後である。
「誰だぁぁぁ!!!」
怒号と共にレミントンを音の出所に向け構える太。
そこにいたのは、熟女の色気を漂わせた杉本彩であった。
「……オバサン、カバンの中の食い物を寄越しな! 死にたくなかったらな!!」
「……分かったわ」
絶体絶命のピンチに素直に言う事を聞く彩。
支給品の入ったカバンへと手を入れる。
だが、その行動に言いようもない不安感を煽られた太は舌打ちをした。
「動くな!! ……カバンごと寄越せ!!」
警戒心を剥き出しに、怒鳴りつける太に対して、彩は、ゆっくりとカバンから手を出すと、太の方へと放り投げた。
「へへへ……もうオバサンには用はないや。死にたくないなら、とっととどっかに行け」
銃口を彩に向け、カバンを足下に寄せながら叫ぶ太。
彩は憎々しげな顔をしながら、その場から立ち去った。
その後ろ姿を見送った太は、素早くカバンの中身をぶちまけて菓子パンを手にとった。
「ん……何だ食いかけかよ……意地汚いババアだぜ……まあいいや早速いただきま――」
次の瞬間、太は気付いた。
何か、カチカチと音を立てる奇妙な機械の存在に。
次の瞬間、周囲は爆発した。
彩の仕掛けた時限爆弾のせいだ。
「馬鹿な子ね……」
彩は背後から巻き起こる爆発音を聞き呟いた。
だが、彩もまた銃撃の音と共に倒れた。
30メートル離れた崖の上からライフル銃で狙撃されたからだ。
それは、若手俳優、杉浦太陽であった。
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