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やりスギロワイアル

6Mysterious-Partner-Takashi:2012/06/17(日) 21:26:21 ID:xwSnNkXg

第三話「一流への道」


「おすぎです!
 殺しあえなんて、まるで映画じゃない!
 いや〜ねぇも〜う! 何だったかしら? 
 バトルロワイアル? 昔流行ったアレみたいじゃないもう!
 それに松子ったら、最近調子に乗ってるんじゃない!?
 こっちは、松子より何十年も長くオカマやってるってのにぃ!!」

 映画評論家おすぎは、プリプリと怒っていた。
 ぽっと出の巨体のオカマに殺し合えと言われた事にだ。

「芸能界の上下関係ってものを知らないのかしらもう!」

 支給品である鉈を手に砂浜を歩いていた。
 そんな彼のもとに、やや頭髪の禿げ掛けた小太りの男が歩いてくる。

「おすぎさんじゃないっすか!
 何やってはるんですか!?」

 それは、お笑い芸人のブラマヨ小杉だった。

「あら、小杉じゃない。何するも何もないわよ!
 あの松子ってコ何考えてるのかしら……生意気だわ〜!」

「ですよね〜! でも――」

「……小杉、あんた!」

「――24時間テレビの司会……メッチャ魅力的やないですか」

 ブラマヨ小杉は支給品の金属バットを構えた。

「すんません、死んで貰いますよ、おすぎさん!!」

 おすぎの頭めがけて振るわれた金属バット。
 それをおすぎは、ギリギリ受け止める。
 
 だが、30代で体格の良いブラマヨ小杉と比べると、おすぎは70歳に手の届きそうな老人である。

「きゃあ!!」

 おすぎは直ぐに力比べに負けて吹っ飛ぶ。
 砂地に転がるおすぎにトドメ

「すんません……オレらも今そこそこ売れてるんですけど、やっぱ一流ってヤツに憧れるんですわ……」

「あんた……おかしいんじゃない!?」

「すんません……オレ、このチャンスを必ずモノにしますんで……」

 おすぎの言葉は既に届かない。
 ブラマヨ小杉の金属バットが頭上に振り上げられる。

 歴代の24時間テレビの司会は一流芸能人ばかり。
 その席に並ぶというのは、ブラマヨ小杉にとっては大きい事なのだ。

「すんません……」

 グシャッ



出席番号 01 番  おすぎ          ――死亡  残り13人


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