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やりスギロワイアル

13Mysterious-Partner-Takashi:2012/07/07(土) 23:14:46 ID:UzVg1EBs

第九話「夜間激闘」


 山中にある目立たない山小屋で男が支給品のフランスパンをかじる。

「Fuck you.....松子め……俺は未だ誰も殺しちゃいないぜ……!」

 全身をボンデージルックに身を包んだTDNコスギは吐き捨てるように言った。
 半日で19人中12人も死んだ。
 残った人間は、敵から武装を奪ったりしてるだろうし、かなりの武器を持っている可能性がある。
 TDNの支給品は青酸カリだったが、銃や刃物を持った相手と戦うのは余りにも辛い。
 故にレミントンショットガンを入手できた事はラッキーであった。

「あのスナイパーごっこしてるガキは注意しとかないとな……」

 不機嫌そうに独り言をつぶやく。
 辺りは既に闇夜に包まれており、明かりもない今から戦闘行為を行うのは危険だ。
 彼は早朝から行動を開始するために、体を休めようと腰を下ろす。

 だが、簡単に安息の時間はやってこない。
 山小屋の戸がいきなり開いたのだ。

「……誰かいるのか?」

 それは声優の杉田智和であった。
 手には血の付いた槍を持っている。

「Fuck you...!! 恥知らずの人殺しが安息の地を求めてここまで来たってかい!?」

 不愉快そうな表情を浮かべたまま、TDNはレミントンを発射した。
 咄嗟にそれを避ける杉田。
 入口の戸がはじけ飛び、木片が杉田に飛び散った。
 だが杉田はそんな事おかまいなしに腰のベルトに挿していたベレッタを発砲した。

「……ぬぅッ!」

 それはTDNの肩を撃ちぬく。
 苦悶の声を漏らすTDN。

「ざまぁみろ!」

 杉田は顔を歪めて笑う。
 そして、身体を隠しながらベレッタでの銃撃を続ける。
 TDNはすぐさまテーブルを蹴り倒し、それを盾に籠城の構えを取った。

「……何てこった……油断しちまったぜ……Shit!!」

 TDNは肩の痛みを堪えて打開策を考える。
 しかし、思い浮かばない。

「……捨て身で突っ込むか?」

 そう思って、自分の愚策を捨てる。
 今はまだ肩を負傷しただけだ。
 まだ十分戦える。
 ここで致命傷を負ってしまっては、あとは死ぬのを待つだけだ。
 ここは、これ以上傷を負わずに勝つ。
 最悪、これ以上の被害を追わずに逃げるのが上策だとTDNは考えた。

 だが、全ては彼の頭の中で考えられた事であった。
 彼はまだ杉田のすべての手の内を知らない。


 ぱららららららら。
 ベレッタの銃声が鳴りやみ、ウージーサブマシンガンの弾がガシガシと分厚いテーブルを削っていった。
 そして、あっという間に貫通。
 TDNの腹部が血に染まる。

「Fuck.......」

 TDNは終わったと思った。
 だが、最後に敵も一緒に地獄に叩き落とす。
 そう考えて、ショットガンを構えて立ち上がった。

「...Fuck you!」

 レミントンを構えて、ドアへ特攻した。

「……何!?」

 ドアまでは、ほんの4メートル。
 数秒の出来事であった。
 杉田は一瞬呆けるが、すぐさまウージーをTDNに撃った。
 足から腹部、胸、そして頭を撃ちぬいていく。
 だが、頭へ――そこへ到達する寸前に放たれた散弾が杉田の頭を吹っ飛ばしていた。


「......Fcck you..........つまんねぇ幕切れだぜ……」

 最後まで不愉快そうな表情のまま、TDNは息を引き取った。




出席番号 12 番  杉田智和
出席番号 04 番  TDNコスギ        ――死亡  残り4人


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