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こちら葛飾署亀有公園前派出ロワイアル

9トンダゴメンッス:2010/05/06(木) 21:43:22 ID:???






 銃声が止んで、一時間経っただろうか。
 慎重に慎重を重ねた中川は腕時計を確認して、静かに息を吐く。

「ここまで待っても動きがないという事は、ボルボさんはもういないと思ってもいいだろうな……」

 そう思い、中川がゆっくりと辺りを警戒しながら物陰から姿を現す。



 刹那、激しい銃撃音が起こった。



 中川は顔面をミンチにしながら、どさりと倒れた。


「甘いな、中川」

 同じく境内の物陰でライフルを構えたボルボ西郷は、中川を仕留めたのを確認し、ゆっくりと息を吐いた。
 元グリーンベレーである彼は、作戦の為に、密林の中で丸一日以上、待機していた事もあるのだ。
 こんな過ごしやすい場所で一時間、敵を待つ事ぐらい彼の強靭な忍耐力の前では朝飯前だった。
 アサルトライフルを両手で持ち何時でも撃てる構えのまま、ボルボは中川の遺品を回収する為に近づく。

 次の瞬間、一瞬だけボルボは目が眩んだ。
 金属を反射したような光――その光をかつて感じた事のあるボルボは、すぐさま身を伏せた。
 そして、コンマ一秒後に起こった銃撃。

 ボルボは、自分が狙撃手の的になっている事に気付き、条件反射的に身を伏せたのだ。
 そうしなければ、自分の命は既になかった事に冷や汗をかきながら、彼は周囲を観察する。
 そして、ボルボは銃撃の角度から、狙撃手の位置を割り出し、銃口を向ける。

 三百メートルほど離れた商店の二階の窓に隠れる影があり、それが犯人であるとボルボは理解した。
 同時に、ボルボはその距離が圧倒的なまでに自分の射程距離外である事に舌打ちをする。

「敵の中で狙撃の腕を最も警戒すべきだった中川は、ここで俺が始末した……狙撃手の元までの遮蔽物は幾らでもある……俺の敵ではないな」

 ボルボは、そう判断を下し、邪魔な狙撃手を始末する為の行動に移るのだった。


 中川圭一  死亡  残り 8人


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