したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

こちら葛飾署亀有公園前派出ロワイアル

4トンダゴメンッス:2009/12/12(土) 23:39:20 ID:???

 第一話「よろしく愛愁」


「両サマ……どこにいるのですか?」

 麻里愛こと、マリアは愛する男、両津を探していた。

「おっ、マリアじゃないか」

「両サマ! 会えて嬉しいですわ!」

 マリアは不安と戸惑いの表情が崩れ、微かな喜びを浮かべる。
 抱き合う二人。
 はたから見れば、恋人同士のように見えたかもしれない。

 だが、金の亡者でああり、先程、同僚の戸塚の死を目の前にした両津の感覚は麻痺していた。

「悪いな」

 誰にも聞こえぬであろう声で謝罪を述べる両津。
 彼はマリアを殺害するために、隠し持った出刃包丁を取り出し、マリアの背中に振り下ろした。

「っ!?」
「うおっ!?」

 マリアは、違和感を感じたのか、間一髪で両津を突き飛ばした。
 咄嗟の出来事で、両津はマリアを放してしまった。

「な……何をなさるのですか、両サマ?」

 戸惑いの表情で、条件反射で得意のキックボクシングの構えを取るマリア。

「くそっ……わしは、死にたくないんだ……悪いな……」

 両津は動揺を押し隠すように出刃包丁を構え、再びマリアを仕留める為に距離を詰めるようににじり寄る。
 マリアは、両津に対する構えを解く。

「分かりましたわ……両サマ」

「何が分かった、というんだ?」

「両サマは、人を殺せないという事を」

「わしの運動神経とタフさは、お前も知ってるだろう?」

「ええ、ですが、両サマも私がキックボクシングのチャンプだった事を知ってますでしょう?」

「ああ、そうだな」

「なら、私と両サマが組めば、誰にも負けませんわよね?」

「何だと?」

 驚く両津に、淡々と話すマリア。

「生き残れるのは、一人なんだぞ?」

「ええ、そうですわね……だから」




「だから、最後の一人になったら、両サマ、私を殺して下さい」


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板