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こちら葛飾署亀有公園前派出ロワイアル
11
:
トンダゴメンッス
:2010/05/07(金) 01:05:52 ID:???
第六話「鬼のめざめ」
「両サマ……大丈夫なのですか?」
「ああ、日暮の力をうまく使えば、勝ち残るなんて簡単だ!」
両津とマリアは人っ子一人存在しない、にこにこ独身寮の中を進んでいく。
そして、立ち止まった部屋は、密林の覆い茂る不気味な部屋だった。
表札に書かれた名前は、『日暮 熟睡男(ひぐらし ねるお)』
それは、四年に一日だけ目を覚ますといわれる超能力の使い手――サイキック刑事なのだ。
「わしらも強いが、軍人のボルボや武術の達人の左近寺、あの本田でさえバイクに乗って本気で殺しにかかってくれば、わしらでさえどうなるか分からんからな……」
「な、なるほど……」
考えてみれば、ボルボ、左近寺、本田の戦闘力は両津の言うとおり。
大原部長は柔剣道の達人だし、中川や麗子も銃の腕はプロ並みだし、この部屋の主である日暮も恐ろしい超能力の持ち主なのだ。
大半がその気になれば、それなりの戦闘力を有した存在だという事にマリアは気付き、身震いする。
そんな奴等への対抗手段として、寝ている日暮を起こし上手く利用するという作戦を両津は考えたのだった。
両津は、ドアノブをガチャガチャと回したが、部屋の中に茂る植物が邪魔で、ドアを開ける事が出来ない事を知ると、どこからともなく取り出したバーナーでドアの鍵を焼き切るのだった。
「さあ、入るぞ」
そう言って、南国に生える植物のようなもの達を掻き分けて進んでいく両津の後から、マリアが続く。
そして、リビングにたどり着いた両津達の前にいたのは、布団の上であぐらを組んで座る日暮であった。
「よ、よう、起きてたのか」
日暮が既に目ざめている事に驚きを隠しきれぬ両津は、少し上擦った口調で挨拶をした。
日暮は、鷹のような鋭い目で両津達を一瞥し、口の端をにやりと吊り上げて笑うと、口を開く。
「来ると思っていたよ、両津」
ふん、という気合と共に日暮が両津に向けて手を掲げると、両津は頭を押さえて床の上にしゃがみ込んだ。
「がああぁ! あ、頭が……痛い! ぐあ、割れるようだ……!!」
それは、日暮が超能力で、両津の脳を圧迫した為だ。
「両津、署長が俺達に殺し合うよう告げた場面を俺は念視により見ていた……ずる賢いお前が俺を利用する為にここに来る事は既に予想済みだったよ」
日暮は、遠い目をしながら語り出す。
自分の考えが見抜かれていた事に両津は心の中で舌打ちをする余裕もなく頭痛に苦しむ。
「俺は、予知夢を見た……この殺し合いで、何者かに胸を刺されて死んでしまう悪夢だった……俺を利用して、最後にはその包丁で俺を殺すつもりだったんだろうが……」
両津は、どんどん頭痛が酷くなっていき悶え苦しんでいた。
苦しみながらも日暮の方を見た両津は、日暮の視線が、自分の腰――そのベルトにさしてある包丁を見ている事に気付き焦る。
「お前の知り得ぬところで、中川、麗子さん、本田、大原部長、署長は既に死んだ……次はお前の番だ!!」
日暮は、掌に力を込めて、握り潰すように拳を作る。
ぼん、と両津の頭が風船が破裂したかのように無くなっていた。
リビングの入り口に、首のない真っ赤な人間噴水の完成である。
「りょ、りょうサマ!!!!」
マリアは絶望の声をあげる。
両津の為に生きて、死のうと決意した矢先の出来事である。
彼女の眼からは次第に光が消えていった。
だが、虚空をうつすその瞳の中に底冷えするような冷たい何かを感じ、日暮は攻撃の手を一瞬だけ躊躇した。
「……悲しむ必要はないぞ。麻里 愛、次は貴様の番だ……!!」
寮が激しく揺れ、壁や床に亀裂が出来ていく。
日暮が禍々しいオーラに包まれながら、宙に浮かびあがる。
両津勘吉 死亡 残り 6人
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