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バトル・ロワイアル〜タッグマッチ篇〜

55 ◆L0v/w0wWP.:2008/12/29(月) 19:20:27 ID:???
「だから俺はどうするか…これで決める。」
「待って!桐山く…」

そういうや、いなや桐山はポケットから何かを取り出し指で弾いき、それを手の甲で捕らえた。
桐山が甲に置いた、右手を避けると、外国製だろうか?みたこともない銀色の硬貨が
数字の書いてある面をこちらへ向けていた。

「…裏か。ならば…俺はこのゲームに乗ることにする。」

信じられないような発言に雪子は絶句した。

「な、なんで…!?なんでそんな事、それじゃあ沼井たちもみんな殺しちゃうの!?仲間じゃないの!?」
「確かに充たちは俺の仲間だ。が、一組だけが生き残れるというルールがある以上、彼らも殺さざるを得ないだろう。」
「そんな!そんなのおかしいよ!ね…、そんな、そんな事するよりみんなとここから逃げ出す方法を…。」
「脱出の方法はまだ考えていないが…それも悪くない。だが、俺はもうゲームに乗ると決めた。
 一度決めた方針を度々、翻していてはキリがない。」

グループの仲間のあっさり殺してみせると述べた桐山に雪子は返す言葉を失った。

「それとも…」

桐山が少し目を細め、こちらを凝視する。

「それとも、お前はゲームに乗らない事の方が正しいという事を俺に説明してくれるのか?」
「それは…。」

雪子は言葉に困った。あの光輪教の教えではないが、人の命は何より重いのだ。こんな事は子供でも知っている当たり前のこと。
だが、この国では度々そんなあたり前の事は度々無視される。そう、今この時のようにだ。
それを桐山は法律で決まっている事だから仕方が無いとあっさり流した。それに、人を殺すなという
事は頭で理解しなくても、常識で染み付いていること、今更それを説明しろだなんて…。
いや、出来るかもしれない。今の自分ならなお更。

「自分の大切な人が傷ついたり、死んだりしたら悲しいとは思わないの!他の人だって同じ気持ちだと思うわ!
 だから、だらかゲームに乗るなんて…。」
「それは主観的な感情論だ。それに―俺にはわからない。」
「え…?」

この人は…、この桐山和雄という人は悲しみを知らない?まさか、まさかそんな
機械みたいな人間がこの世に存在するものなのか。だが、だが、とにかく…この男は
普通じゃない。この人はどこか壊れている。とても、話は通じそうに無い。
今、自分はこの男を殺すべきなのではないだろうか。だが、それは自分の死も
意味する事になる。そんな勇気はとてもじゃないが浮かんでこなかった。

「とにかく俺はここで皆を待つ。」


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