したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

バトル・ロワイアル〜タッグマッチ篇〜

54 ◆L0v/w0wWP.:2008/12/29(月) 19:14:14 ID:???
それに、桐山は沼井充たちとここで待ち合わせると言ったのだ。それもなにか
考えがあるんじゃないのか?それをいまさら自分が口出ししてもなんら意味を
成さないだろうし、口に出して説明できるようなまとまった考えもなかった。
ただ、一つ、分校を出発した時、いや親友がその首を吹き飛ばされた時から
頭のなかに沸々と沸き出でる一つの感情を除いては。とにかく、ここは桐山に
とその仲間に任せればいい。雪子はそう思ったのだ。

「どうしたいって…わかんないよ、これからどうしたらいいかなんて…。
 ――でも私、政府の連中は絶対に許さない!」
「お前が政府の連中をどう思っているかなどと聞いていない。」

突き放すような桐山の物言いに雪子はムッとした。
さすがになにか文句を言ってやろうと。思った矢先、桐山は再び口を開いた。

「…そうか、お前もわからないのか。」

え?お前『も』?確かに今、桐山はそう言った。

「お前『も』って…桐山くんも何も考えていなかったの!?」
「考えてはいる…いるが、どうしたらいいのかわからないんだ。」

桐山はどことなく悲しげに呟くいた。しかし、雪子の頭はますます混乱する。

「だ、だって沼井くんたちをここに呼んだんでしょう?だったら―」
「充たちを呼んだのは、どちらにせよ都合がいいと思ったからだ。」
「ど、どちらにせよって…」
「聞いてくれるかな」

桐山はさらに疑問をぶつけようとした、雪子を遮って話を続けた。

「俺は時々何が正しいのかわからなくなるよ。今回にしてもそうだ。
 俺たちはこの島でクラスメイトとの殺し合いを強要された。人の命を
 奪うという事は、倫理学上正しく無い行為だが、この国の法律と照ら
 し合わせれば、今回の場合に限り正しい行為と言える。どちらを優先
 すればいいのか俺にはわからない。」

ここで初めて雪子は自分の軽率な発言を後悔した。
政府の理不尽な命令とクラスメイトの命、どちらが重いかなど判りきった事じゃないのか?
それに、沼井たちは自分にとっての友美子や秋也、いやそれ以上に大事な存在じゃないのか?
それにも関らず、桐山は両者を天秤にかけているのだ。この男は、この男は一体――


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板