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バトル・ロワイアル〜タッグマッチ篇〜

53 ◆L0v/w0wWP.:2008/12/29(月) 19:12:21 ID:???
「大丈夫か」

桐山は自分に手をかしてくれた。ああ、意外と優しいところもあるんだな。と雪子は
彼には失礼だが意外に思った。そういえば、二年の家庭科の調理実習に、桐山が珍し
く参加した時は、―桐山は授業をさぼる事が多々あり特に家庭科や美術、音楽と言っ
たものは、月岡彰を除いた彼の仲間たちも一緒に教室から消えているのが常だった―
黙々とだが、率先して調理を手伝っていたし(そしてそれは料理好きの自分でさえ、
味わったことの無い美味なものだった)、派手に喧嘩をしたという噂はよく聞くものの、
教室での彼は静かになにやら難しい本を読んでいたり、仲間の話を静かに聞いている事が
多かったので、そんなに悪い人じゃないかもしれない。雪子はそう思った。ああ、
そういえば友美子が口癖のように言っていたっけ。「このクラスはいい子ばかりだ」って。

「あ、ありがとう…桐山君」

雪子が桐山に礼を言うと、桐山は一瞬目をしばたたかせた後こう言った。

「北野、お前はこれからどうしたい。」

えっ?と雪子は思った。親友を目の前で殺されてしまい、先程まで頭が真っ白。
しかも社交的で、他の男子や女子ともそれなりに付き合いのあった友美子と違い、
内向的な雪子は他のクラスメイトと話す機会もそれほど多くなく、誰か特別に
頼るような相手もいない。自分の想い人、七原秋也なら…と思ったが、出発順は
かなり離れてしまっており、彼を探し出す事は困難に思えた。これからの展望
なんてあるわけがなかった。


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