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バトル・ロワイアル〜タッグマッチ篇〜

35 ◆L0v/w0wWP.:2008/12/20(土) 21:21:57 ID:???
そうこうしているうちに、次第に充の目の前の視界が開けて行き、砂浜へと出た。
注意して辺りをきょろきょろと見渡したが、月明かりや水平線の向こうに見える夜景
(おそらくここは瀬戸内海のどこかしらの島なのだろう。)の光はあったが、なにぶ
ん暗がりで人影は見止められない。
「…?あそこか?」
ふと、一箇所だけ、砂浜の上にゴツゴツとした岩肌がこんもり盛り上がっているのが見えた。
充は右手の拳銃や肩にかけた荷物に苦戦しながら、なんとかそれを上り切ったところで―
「充」
背後から突然と声が聞こえ、飛び上がらんばかりに驚き、手に持つ拳銃を構えて振り返ると―
ほっと肩を撫で下ろした。我らの頼もしきボス、桐山和雄がいつもと変わらぬ落ち着いた、
えらく端正な顔をこちらに向けていた。すこし後ろには―北野雪子だ。
そういえば、彼女は桐山と同じ出席番号だった。気弱で人見知りしがちな
雪子が桐山を怖がって、よく日直の仕事を日下友美子―あの分校で殺されてしまった
彼女の親友―にも手伝って貰っていたのを覚えている。今も不安げな表情で、なにやらしきりに
視線を桐山と充の間で往復させている。

「ひゅぅーっ、ボス、驚かさないで―」

とここで充の言葉が途切れた。視線を桐山の足元に釘付けになり
目を皿のように見開いた。全身の毛穴からなにかひんやりしたそれでいて
えらく気色の悪いものが吹き出してきた。彼の目線の先―――
―先に出発したファミリーの仲間・笹川竜平(男子10番)が、なにやら
ドス黒い水溜りの中で、濁った瞳をこちらに向けていた。

【残り 36人】


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