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バトル・ロワイアル〜タッグマッチ篇〜

33 ◆L0v/w0wWP.:2008/12/20(土) 21:19:45 ID:???
聡美にせかされ充は足早にその場を離れた。道なりにしばらく走った後で、
目にしたトタン張りの粗末な作業小屋を見つけた二人はそこに身を隠し、お互いの武器を確認した。
前述の充のものと同じく、聡美に支給された武器も半自動式の小型拳銃『ワルサーPPK9ミリ』で、
装備としては申し分なかった。充と聡美は懐中電灯片手に説明書どおりに銃をいつでも撃てる状態
にしておいた。充は殺し合いに乗るつもりは無かったが、分校での死体を見る限りいつゲームに
乗った奴が襲い掛かってくるかわからない。何事も用心は必要だ。それに支給武器が銃とあれば、
少なくともボスの足手まといにはならない筈だ。
「これでよしっと!野田、ついてこいよ。島の南の端まで行くんだ!」
「南の端?そんなところ行ってどうするの?」
聡美がくいっと、ずれた眼鏡の位置を直しながら言った。
はやる気持ちを抑え、充は屈託のない表情と声で彼女の疑問に応えた。
「ボスたちと待ち合わせるんだよ。俺たちは分校を出発する前にメモを貰ったんだ。
 あの人なら、きっとなんとかしてくれる!急ごうぜ!」
「ちょ、ちょっと何言ってるのよ!桐山君たちと合流するですって!?」
「そうだよ、わかっらさっさと…」「お断りよ!そんなの!」
聡美が怒気を含んだ口調で充に大して拒絶の意思を示したことに、充は
信じられないといった風に目を見開いた。
「お、おい!なんでだよ!ボスと一緒に動くほど安全な事はないんだぜ!?」
「こっちがなんでっていいたいわよ!さっきの分校、稲田さんが死んでるの見たでしょう!
 もう殺し合いが始まってるのよ。絶対何かあるわよ!」
「待てよ!俺たちファミリーの絆は絶対なんだぜ?!こんな糞ゲームに乗るやつなんていねぇよ!」
そうだ、あの入学式の日に助けられてから、充と桐山の間には、何物にも変えがたい絶対の絆が
生まれたのだ。今の彼のトレードマークである、特徴的なオールバック。あの髪型も充がそれを
薦めてから一度も彼は変えていない。それがわからないから、こんな突飛な憶測でものがいえるのだ。この女は―。


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