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バトル・ロワイアル〜タッグマッチ篇〜

25 ◆L0v/w0wWP.:2008/12/14(日) 21:54:09 ID:???
「お、おまえ…殺したのか?い、稲田をやったのか!?」
「違うんだ新井田!これは…」
「うるせえ!言い訳なんて聞かねぇぞ!お前、殺したんだな!稲田を殺したんだな!」

秋也の言葉を遮って、和志はヒステリックに喚いた。

「違うんだ新井田!俺じゃないんだ」
「新井田くん、落ち着いて!」
「そうだよ新井田くん、七原くんがそんなことするわけ」
「うるせえ!じゃあ、そのナイフはなんなんだよ!」

典子や有香がなだめるのも聞かず、和志は秋也を指差した。
秋也は血に染まったナイフがまだ自分の手に握られていることにハッとした。
ああ、抜いたらすぐに捨てておくべきだった!これじゃあ、和志が自分を疑うのも
無理ないじゃないか!とにかく、ナイフを捨てて和志に事情を説明しないと。

「普段、正義感ぶってるくせにいざとなるとこうかよ…!いいさ、お前がそういうつもりなら…うわあああっ!!!」

と、秋也が動く前に和志は突然、手に持ったデイパックを秋也の方へぶんと振るった。
荷物がパンパンに詰まったデイパックだ。即死はしないかもしれないが、十分に殺傷力はある。
かつてワイルド・セブンの異名をとった秋也もさるもの、とっさに姿勢を低くしてそれを交わした。

―だめだ!今は、逃げないと。

「典子さん!逃げるんだ!」
「あっ、秋也くん!」

典子に大声で叫ぶと、その手をとって秋也は走り出した。
和志が叫びながら再びデイパックを振るってきたが、秋也はとっさに
ナイフを新井田の方へ投げつけた。和志は何か飛んでくるのを見ると
慌てて、それをよけた。ナイフはデイパックにカンッ、と当たって地面に落ちた。
有香がなにか叫んでいたようだったがそれも聞こえなかった。
秋也は典子の手をひきながら、自分のうかつさと不甲斐なさ
そしてこの理不尽な状況をかみ締めながら夜の林を走り続けた。

【残り 38人】


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