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バトル・ロワイアル〜タッグマッチ篇〜

24 ◆L0v/w0wWP.:2008/12/14(日) 21:53:47 ID:???
それでも秋也は信じたくなかった。確かに稲田瑞穂はちょっと変わったところがあって
クラスでは男女問わず敬遠されているところがあったが、それでも潔癖と言っていいくらい
不正を許さない性質だったし、なにより女の子だ。そんな、瑞穂でさえクラスメイトを
殺そうとするのか?自分を待っていてくれていると思っていた杉村弘樹がいないのも
瑞穂に襲われたか…それより前に瑞穂みたいな連中がくると思って逃げたのかもしれない。
それにそうこうしている間に第二、第三の瑞穂がここへやってくるかもしれなかいのではないだろうか。
自分も三村たちを待つのを止めて、すぐこの場を立ち去るか――待て!秋也!お前は何を考えているんだ!?
疑ってばかりいたらきりがないのではないか…。今はともかく…いまは…

「や、やっぱり三村たちを待とうと思う。まずは、稲田さんを弔ってあげよう…。」
「う、うん…。」

秋也はまず、瑞穂の背中に突き立ったままになっていたナイフを抜き取った。
セーラー服に染み込んだ血はまだわずかに湿っていて、彼女が息絶えてから
そうそう時間が経っていないことがわかった。とすると、彼女を殺ったのは
自分たちのすぐ前に出発した月岡彰たち(あの不良グループの変わり者。彼の仲間たちも
そうだったがずいぶん余裕綽々といった態度で出て行ったのが見て取れた。出発前に
桐山が彼らにメモを回しているのを秋也は見た。)だろうか。いや、今は
犯人探しなどしていても意味は無かった。そして、教室で国信慶時や
日下友美子にそうしたように遺体の目を閉じさせようとして、うつ伏せに
倒れていた彼女を、仰向けに寝かせなおしたところで―

「だ、誰かいるのかっ!?」

多少裏返ってはいたが、男子のものとおぼしき声が聞こえてきた。振り返ると
分校の入り口には自分の後続の出発者、新井田和志(男子16番)と中川有香(女子16番)が
こちらに歩み寄ってきた。
「有香!」「典子!」
普段は同じグループで親しくしている典子と有香がお互いを認め合った。

「な、七原か?お前一体…!?」

和志はなにか言いかけたが、それは音にならず代わりにごくりと唾を飲み込む音が聞こえた。
その視線が稲田瑞穂の死体に向けられていることが暗がりの中でもわかった。しまった!と秋也は思った。


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