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バトル・ロワイアル〜タッグマッチ篇〜

143 ◆L0v/w0wWP.:2010/07/29(木) 22:59:08 ID:???

(ペアを一人置いて逃げ出すなんて!逃げ出したいのはあたしのほうよ!)

恭一の走り去った方向を探したものの、佳織はその姿を見つけることができないまま、
一晩中山中をさ迷い、夜明けを迎えた。満身創痍の彼女に追い討ちをかけるように、
放送はもう1人の親友・江藤恵(女子3番)までも命を落としたこと継げた。
この事は佳織に残っていた僅かばかりの精神を刈り取るのに十分だった。

佳織は体ではまだ恭一を探していたが、頭の中は既に別の事で満たされていた。

(死ぬのか?あたしは?死ぬのか?)

いつ、突然この忌々しい首輪が死のカウントダウンをはじめるか、
その恐怖に佳織の心臓は鷲掴みにされていた。佳織は首から下げた
彼女贔屓のアイドルグループ、フリップサイドの剣崎順矢の写真が入ったロケットを握りしめた。

(お願いジュンヤ!あたしを守って!あたし…あたし、こんな所で1人で死ぬのは嫌!)

その時だった、突然前方からパンッと、かわいた銃声が聞こえたのは。

佳織は一瞬身を震わせると、直感的に銃声のした方向へと走った。。
2分もしないうちに視界が開け、元渕恭一が誰か他のクラスメイトに
銃を向けている様が、その目に飛び込んできた。。
座り込んでいる相手の方は草の陰になって誰だかは、わからなかったが、
ペアを発見した事により、多少の理性を取り戻した佳織は、数瞬、
この事態を理解するのに時間を費やし、ごくりと生唾を飲み込んだ。

(止めなきゃ…!)

元々佳織はアイドルオタクではあるが、正義感は強い方であった。
故に、江藤恵を清水比呂乃の虐めから助け、稲田瑞穂から戦士としての
称号(佳織自身はなんの事だかさっぱりわからなかったが)を得る事も出来た。
自分のペアがクラスメイトを傷つけるような事があれば、それはすなわち
自分の責任でもある。

―なんとかして恭一を止めよう。佳織はロケットを一層強く握り締めると、
茂みから飛び出そうとした。


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