バトル・ロワイアル～タッグマッチ篇～

138： ◆L0v/w0wWP.：2010/04/17(土) 21:53:31 ID:???: しかし、引こうとした引き金は最初の位置から下がることは無かった。
博の全身から血の気が引いた。ますます混乱した脳の命令系統を
フル活動させ、同じ動作を繰り返すも、結果は変わらなかった。

「くっそ！なんだよ！これどうなってんだよ！」

思わず叫んだ声に反応して、恭一が血走った目と、手にした銃を
祐子から博に移した。

「ひっ！」
目を瞑った博の脳内を様々なことが駆け巡った。

（あぁ、くそ、最後の最後までパッとしなかったなぁ。
　そういや、集めた漫画本とCDどうなるんだろ。畜生、竜平からまだ
　ジュース代もらってねぇよ、あぁ、あいつ死んじまったんだっけ。）

これが走馬灯というやつなのだろうか？それにしても他愛も無い事ばかり
浮かんできて、漫画や映画のように人生のハイライトがフラッシュバックするなんて
事はなかった。自分の送ってきたつまらない人生ではこんなものなのだろうか。

「やめろ！」

しかし死を覚悟した博の思考に大音声が割って入った。
博だけでなく、祐子も恭一も声の方向に顔を向けると、
少し離れた神社の祠の影から、大型のショットガンを構えた
大柄な生徒が現れた。坊主頭に眉の上の大きな傷、
とても同学年とは思えないごつい顔と筋肉（その中学生離れした風貌は、
仲間の月岡彰といい勝負だ）は、転校生の川田章吾（男子5番）だとすぐにわかった。

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