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バトル・ロワイアル〜タッグマッチ篇〜

121 ◆L0v/w0wWP.:2009/08/16(日) 20:30:13 ID:???
「……いいよ…。結局竜平を見捨てちまったのは俺だし…」

実際博も本来臆病な気質で余りにも静かな分校に長くとどまりたくなかったという心理と、
まさか強い竜平がこうも簡単に死んでしまうなど思いもしなかったので、
結局あの場を離れてしまったのだ。竜平が死んだ責任は自分にもある。

「ごめんなさい…。本当に…ごめんなさい…」

そう言ったきり祐子は俯いてしまった。気の利いた慰めがそれ以上浮かぶはずも無く
そのまま気まずい雰囲気となる。

(にしても…これからどうするんだよ……)

とりあえず先の放送が真実なら、竜平以外のメンバーとそのペアの女子は生きているはずである。
なぜ竜平だけが死んでしまったのか、見当もつかないが、他の3人とそれと同じ番号の女子は
まだ無事という事である。一応、博にはS&W M39という自動拳銃が支給されており(ちなみに
祐子に支給されていたのはただのカッターナイフだった。ご丁寧にも替え刃が3枚入っていた)
決して武器が貧弱というわけではないが、体力、頭脳どの面でも博は凡庸である。
とても自分ひとりでこの先どうこうできるとは思えない。

(やっぱり充たちを探さないと…榊も言えばわかってくれる…よな?)

やはり、頼れるファミリーのメンバーを探すのが先決だ。おそらく充には殴られるくらいは
覚悟しなければならないだろうが、このまま榊祐子と二人でいても死をまつだけである。

「あのさ…榊……」

そう、博が告げようとした瞬間である。パンッという乾いた音とともにすぐ脇の木の樹皮がはじけ飛び、煙を上げた。
博と、呼びかけに振り向いた祐子は瞬時に硬直し――――マネキン人形のように、首だけを「ソレ」が飛んできた方向に
動かすと―――視線の先、草原の向こうに銃を構えた眼鏡の男子生徒――元渕恭一(男子20番)が立っていた。

【残り 34人】


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