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Cocytus
8
:
たいむ
:2009/09/22(火) 05:09:41 ID:5zGLoiLk
とっさに後ろを向いた。目玉がギョロっと私を見て、物乞いをする乞食のように見開いたかと思うと、よくしなる鞭のような枝が目の前の男の後頭部を引っ叩いた。
千切れはしない、だが首の骨は砕けて修復などできないレベルだろう。「くにゃん」と前方に倒れその見えなくなった顔面から白い球体が2個落下した。
美作は植物の意思を読み取り、自分の意思を伝えることができる人間である。傍目から見ると気に喋り掛けてる変人にしかみえない。
しかし彼女はその能力を存分に発揮し森林やジャングルなどでの一人ゲリラ部隊として様々な国で暗躍していた。 らしい。
ツセ子も言伝に聞いただけなので本当かどうかはわからない。ただし一つ言えることは森林では彼女は女王となる。ということ。
−憎らしいですね。私の友達に手を出すなんて、人として最低、いえ、多細胞生物にすら劣る。あら、そんなこと言ったら単細胞生物に失礼だわ。−
狂ってる。 美作の言動にツセ子の背筋に嫌な汗が流れた。
−燃え・・ちまえ!−
海津はチューブからオイルをブチ撒けた。あたり一面、植物とかにガンガンかかるように振り回して。
美作が身構え、ツセ子は隠れていた木からパートナーのほうに吹っ飛ばされた。
出来事は一瞬だった。オイルをまき散らしながら海津はもっていたライターでジャングルに火を放った。
はずだった。
ズキュゥゥゥゥンという音とともに海津の手は珍妙な形に変形した。
ツセ子に支給された筈の「アーマライト・M16変形銃」が一本の木に取り込まれ、そこから発射されていた。
−間に・・・合った。大、丈夫?パートナー。−
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