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Cocytus

4たいむ:2009/05/23(土) 02:45:38 ID:5zGLoiLk
ガ  ォん。

轟音とともに目の前の木々が吹き飛ぶ。
ツセ子は危険察知のおかげで吹き飛ばない木の陰に隠れることができた。
ヘタりとその場にしゃがみこむ。否、腰が抜けたと言ったほうが些か正しいように思える。
それもそうだ。木から出て、相方を探した瞬間。衝撃波で吹き飛んだ木の根が突き刺さった相方をすぐに発見してしまったのだから。
それほど遠くない近く。美作の口から真っ赤な血が・・・漏れない。むしろハア、と溜息すらついた。ツセ子は目を疑った。

―大丈夫?可哀想に。何の罪もないあなたが人を殺すための道具に使われそうになるなんて、ね。―

ツセ子はあいた口がふさがらなかった。だが、横に敵対者がいると思いだすと我に返り、火の二人組を見た。

−え、なんなの。馬鹿じゃないの?何で死んでねーの?キモちわりぃよ!!!!―

−そういう人間は、殺しちゃってもいいの。よ?−

美作が自身に腹に刺さった樹に対し優しく喋り掛ける。全長としては1,5M程の樹がその言葉に呼応しするりと地面に立ち直る。
火の組、そしてツセ子はただ茫然とその奇妙奇天烈摩訶不思議な光景を見ているだけであった。否、見ているしかできない。何が起きているのか、よく分かっていないのだから。

ざわ・・・  ざわ・・・

Cainaの中に風が吹いているわけでもなく木擦れの音がざわりと響く。


段々と。吹き飛ばされた木々が生き物のように蠢き、己がもと居た場所に「戻って」きた。
すると、全く傷口の空いていない美作が立ち上がり、鼓舞する戦乙女のように言葉、いや、言霊を放った。

−殺すのです。貴方達が今最も憎く、憎悪の念を抱いている人間を、殺すのです!−





海津の後ろにいた矢玉の「心の臓」を木の槍が貫いた。


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