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Cocytus
10
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たいむ
:2012/01/25(水) 07:09:26 ID:CzUavPTg
第一の円4ツ分ノ2
光の組の笹倉豊人はかつての知り合いとコンビになれたことに多少なりとも幸運を感じていた。
お互いに能力を理解できている。これは他の組と違って大きなアドバンテージとなる。
コンビとなった松下の「質量のある残像」。彼女が一定以上の速度で動くことができれば多大なダメージが与えられるということである。
だが一方の松下派かというと、
−やっばー・・・ササの能力って何だっけか・・・なんか光に関することだったけど全然思い出せねえって−
こんなことを考えていた。
4ツ分ケノ2は1と変わりコンクリートジャングルを模した廃墟のオフィス街といった趣の作りとなっており、廃車なども転がっている。
ここに分けられたのは金と水。運命は、皮肉だった。
―なあ、リカ。敵さん来たらどうする?まあ死にたくなきゃ殺さなきゃなんねーんだけど。向こう次第で行く?―
笹倉は迷っていた。彼女の性格はイケイケゴーゴー。おそらく突っ込んで自爆する可能性が見える。それをさせないために彼は布石を撃つことにした。
彼女の能力は確かに強力である。だが彼女が死んでしまってはひとたまりもない。
―んー・・・やっぱ突っ込むのは危ないよねぇー。でも、私は、向こうがこっちを殺す気でいると考えておく方がいいと思うの。だって、そういう実験なんでしょ?
だったら、私は闘うよ。だって、死にたくん倍し、だって、生き残りたいし、だって、ここから逃げ出したいし。だから私は、敵が来たら容赦なく、迎え撃つつもり。―
・・・。意外だった。年月とはこうも人を変えるものか。以前の弾丸娘のような彼女はそこにはいなかった。杞憂に終わった。
そしてその彼女はしっかりと意思を持って自分の目の前にいる。、以前のかわいらしい彼女とは違ったりりしい女性を見て、笹倉は心底落ち着いた。
だが聞こえた。彼女以外に、話す者の声が。
―俺は、俺は死、しにたかあねえ!ぜってーに!―
試合の幕開けだった。目の前の彼女は手にグルカナイフを構え、スっと佇んでいた。
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