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仮面ライダー総合@エロパロ避難所
372
:
キバなごめぐ「もってる、まってる、まもってる。」
:2012/03/21(水) 04:18:57
* * * * *
背後から髪を梳く。
いつものふわふわした感触も好ましいが、指の間を滑って行くこんな繊細さも悪くなかった。
「ん。あ…ごめん、寝ちゃってた」
「いや…俺も今、起きた」
さすがにソファーでは狭いからと、慌ただしく移動したベッドルーム。
すっかり暮れた空の下、唯一の光源であるスタンド程度では、無我夢中で脱ぎ散らかした服が何処にあるのかさっぱり分からない。
肌寒さと独特の気だるさも手伝って、二人は小鳥のように身を寄せ合ったまま動けずにいた。
小さなシングルベッドは縦の長さが名護の身長に満たず、足先が出てしまう。
それを避ける為に膝を折ると恵を蹴ってしまうので、身体を内側に導いて重なり合うことでどうにかはみ出ずに布団に留まっていた。
互いが命綱のような状態だが、愛情は不自由さの中でこそ深まる。
見事な仕掛けだな、と訳もなく運命に感嘆した。
「ねぇ、」
「ん」
「後悔してる?」
「……。」
行動の一つ一つを、言葉で確かめる。恵は大胆なようで、実は臆病なのだと改めて知らされた。
「していると言ったら、どうするんだ?」
だが、名護としては無条件に信じて欲しい。ここまで晒け出し合って、今更何を怖がることがあるのかとすら思ってしまう。
だから意地悪もしたくなる、これは本能みたいなものだから仕方がない。
「そうね…自由をあげる、かな。あたしは後悔してないから、胸を張っていればいいもの」
「らしくないな、あっさり諦めるなんて」
「違うってば。好きにさせてあげるだけ」
取り戻す為にね、と付け足され、どんな歪んだプライドなのかと苦笑する。
離れないように努力するより、離れたものを再び引き寄せる方が何倍も大変ではないか。
「大した自信だ」
「だから言ったでしょ、名護くんの荷物をいっぱい持って担保にするんだって」
「…なるほど」
そういうことだったか。
さっき話したばかりなのに、もう随分前のことのような気がする。
考えてみれば、ほんの数時間前まで恵のあんな表情や声、身体の特徴も何も知らなかったのだ。
何だかじわじわと感慨深いものがある、男として。
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