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仮面ライダー総合@エロパロ避難所
369
:
キバなごめぐ「もってる、まってる、まもってる。」
:2012/03/21(水) 04:17:48
「お待たせー」
ややあって、プレートを掲げて恵が戻って来る。二つの皿の上には、サラダとオムライスとミートボールが色良く盛り付けられていた。
「嫌いなものないよね?有り合わせで悪いけど」
それはつまり、所謂残り物か。いや、それでここまで作れるのならむしろ素晴らしいことではないか。
「出来るんだな、料理」
「適当に何でもやれるようになるわよ、母親いないもの」
照れくさいせいか素っ気なく答え、いっただきまーす!とわざと大きく手を合わせて食べ始める。そんな横顔に唇の端で笑ってから、名護もスプーンを取った。
「…、」
口にした瞬間、何とも言えない郷愁が胸を浚う。
「どうかした?」
不安げな恵をよそに、もう一口、更に一口とオムライスを崩して行った。
「懐かしい…」
「え?」
「昔、食べたことのある味だ」
そもそもオムライスなんて子供じみたものは近年さっぱり口にしていなかったから、これが標準なのか特化した出来なのかは分からない。
だが、それを抜きにしてもとても美味しい。
懐かしさだけじゃない歓びを感じるのは、きっと心が込もっているせいだろう。
「名護くんがご飯食べるとこ、見たことなかったのよね。あたし」
サラダを食みスープに手を伸ばし、夢中で食べ尽くしてしまうと、恵がぽつりと言った。
「だろうな」
正直に認める。元々食に執着がなかったし、知り合いの前では努めて物を口にしないでいたから。
名護は誰かと食事をすること、食べている場面を見られることを殊更嫌っていた。理由は分からないが、それだけ相手に隙を見せる行為のような気がして。
「食べてくれるか、実はちょっと不安だったの。嶋さんとの食事会だって、殆どまともに食べないでお皿返しちゃってたじゃない?」
「そこまで酷くはない。第一、君は食事に夢中になって他を見ていないだろう」
「だって嶋さんが連れて行ってくれるお店、何処もおいっしーんだもん!」
興奮気味の恵に同調出来ないくらい味の記憶がないのは、結局いくらも食べていなかった証拠だろうか。
改めて、舐めたようにきれいになっている皿に気恥ずかしさが募るが、恵は嬉しそうに頬を弛ませている。
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