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仮面ライダー総合@エロパロ避難所

368キバなごめぐ「もってる、まってる、まもってる。」:2012/03/21(水) 04:17:23
たった独りで生きて来た。
いや、そのつもりでいた。

家族と死に別れ、あっという間に消え失せたまやかしの幸せ。
そのせいか否か、名護啓介は端正な顔立ちとすらりと高い身長、長い手足と女受けする容姿の持ち主にも関わらず、幼く独り善がりで強固な正義感に凝り固まった偏屈な人物だった。
パートナーである麻生恵が女だてらに特訓を重ね、母の仇を討たんと奮闘する姿にも共鳴をしないばかりか、気持ちに理解も示さず鼻で嗤い、未熟だと皮肉を振り撒いて去って行く。
典型的な男尊女卑と冷徹さ。
基本的に思いやり深い性格の恵に、生まれて初めて「人を嫌う」という感情を教えたのは、他ならぬ名護だったのだ。

だが、どれだけ疎み合っても皮肉な運命は彼らを切り離さず、常に一番近くに居続けることを求めた。
結果、訪れたのはまさに世紀のどんでん返し。
ファンガイアせん滅と同時に二人が愛し合うことになるなんて、一体誰が想像出来ただろうか。

共に過ごす時間が増えたある日、家に遊びに来ない?と恵に誘われた。
名護は驚きを隠しつつ、うん、ともあぁ、ともつかない声で承諾する。
バウンティハンターとモデル。いわばどちらも自由業なので、予定さえ入っていなければ週末など待たなくても会えるのが利点。
約束は数日のうちに果たされ、揃って恵のアパートのリビングで午後を過ごすことになった。

とはいえ、まだ手を繋ぐくらいのことしかしていない二人には、こういう場面での勝手がまるで分からない。
お互いの間に見えない壁でもあるかのようで息苦しく、距離が近い分もどかしさと切なさを煽られていた。

「えっと、お昼ご飯作って来るね」
恵がソファーを立ち、名護は大きく息を吐いて全身を弛緩させる。
傍らには、最近彼女が載ったという雑誌。ぱらぱらとめくってみて、いつもと違うよそゆき顔を不思議な気持ちで見つめた。

今日の恵の服装はざっくりしたニットとチェックのパンツ。髪はアップにしているが巻いてはおらず、地毛はストレートなのだと初めて知った。
部屋着のラフさは、また違った魅力を伝えて来る。
あの服は果たして簡単に脱がせられるものなのか…ふと過るヨコシマな考えを慌てて打ち消すが、似たような妄想が何度となく名護の思考を乱しにかかった。
家具も壁の飾りも匂いも、全て恵が作ったこの空間の中では、所詮一元である自分の理性なんてないに等しいものなのかも知れない。


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