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女子Weiβ。
1
:
関屋結記
:2002/06/20(木) 16:36
はい、そんな訳で私的女子Weiβ連載スレッドです。
Weiβ Kreuz for Girl's Sideです(爆)。
1、2行程度でしたら勝手に書き加えていただいても構いませんよ〜。
下書き段階で既に、だらだらと長くなりそうな予感全開なのですが、
少しでも付き合っていただけたら、幸せです。
2
:
御厨@死ぬまでに一度やってみたかった。
:2002/06/20(木) 22:19
今だ!2ゲットォォォォ!!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ (´´
∧∧ ) (´⌒(´
⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
 ̄ ̄ (´⌒(´⌒;;
ズザーーーーーッ
女子Weiβ、期待しております。
まとまったら.comに「関屋結記部屋」作りましょう<かなり本気。
「女子Weiβの部屋」でもいいかもですね(^^)v
んじゃ、始めて下さいです。
3
:
関屋結記
:2002/06/23(日) 15:22
血に汚れたこの手であの人を救い出して、
それは一体何になるというのだろう。
「よし、コレでOK。っと…」
ぽんっとキーを叩き、組んだ手を上げて体を伸ばす。
PCからフローッピーを抜いて素早くジャケットの内ポケットに入れた。
「オミ、早くっ」
ぱっと部屋のドアが開いて、勢いの良い女の声が響く。
呼ばれた少女は椅子から立ち上がって、
「そっちは?」
「大丈夫。でも、ちょっと火が」
女は少女の背中を軽く叩いた瞬間、駆け出した。
「急ぐよ!」
4
:
関屋結記
:2002/06/23(日) 15:29
予想以上に炎の廻りが早い。
廊下に出ると既にかなりの煙が辺りに充満していた。
少女はゴーグルを取り出し、できるだけ姿勢を低くして走りながら考えた。
今度から薄めのマスクも標準装備に加えよう。
「突き当たり、左!」
指示を出すも、女の駆ける速さは変わらず、そのまま正面のガラス窓に飛び込んだ。
勢いよくガラスの割れる音がして、少女の視界から女の姿が消えた。
5
:
関屋結記
:2002/06/23(日) 15:35
「信じらんないっ!!」
きれいに夜の星が見える枠の中に、少女も飛び込んだ。
ふわり、身体が宙に浮く。
二階からの高さなら大丈夫、
思った瞬間には、ざっ、と植え込みの中に身を沈めていた。
「ナイスダイビング」
ぱちぱちと手を叩く女の姿。
「…じゃないでしょう、一体何考えてるんですか!?」
「走るの、面倒で」
6
:
関屋結記
:2002/06/23(日) 15:41
ずるずると植え込みから抜け出して小さく怒鳴る
「アスカさんっ!」
ふらりとよろけながら詰め寄った。
アスカは至極真面目な顔で、
「あのまんま体力無いアンタが中駆け回って煙にやられて倒れて、
で、アタシはそれを担いで走る。ほら面倒」
「何ですかそれっ」
言うが早いかアスカは再び駆け出し、オミはそれを追おうと立ち上がり、
しかしすぐにもう一度ストンと膝をついた。
目の前が暗くて、ちかちかと電気が弾けるように見える。
7
:
関屋結記
:2002/06/23(日) 15:49
「ほら、またコレだ」
アスカの声が遠くに聞こえる。自分の目の前に彼女がいる、その気配は十分に
感じるのに、耳も目も遠くにしか彼女を捉えない。
息が上がっているわけでもなかったのに、酸素がなくなってしまったみたいに苦しい。
どくどくどく、と嫌になるくらい心臓が大きく跳ねているのが分かった。
「…ちょっと落ち着きな」
アスカは引き返してしゃがむと、いつものようにオミを自分の胸に抱え込んで、
背中をゆっくりと撫でてやった。大抵はそれで落ち着く。
安定剤か、アタシは。
鬱陶しいとは思いながらも、決して放り出すわけにはいかなかった。
8
:
関屋結記
:2002/06/23(日) 15:58
「チホさん、達は」
搾り出すようにようやくそれだけ声にする。
少しずつ、心臓の音が小さくなっていく。
「二人なら、放っておいたって死にやしない。
それより、自分こそしゃんとしな」
「……はい」
「ほら、深呼吸」
オミは、すうっ、と胸いっぱいに空気を吸い込んで、ゆっくりと自分の中の澱みとともに吐き出す。
それからアスカに引きずられるようにして立ち上がると、
両手で自分の顔を叩いて喝を入れた。
ふと、背後に熱い風を感じて振り返ると、
先程二人が飛び出してきた窓から炎が舞い上がり、夜天を焦がしていた。
9
:
関屋結記
:2002/07/08(月) 15:28
男の体温が日本刀の柄から自分にも伝わってくるようだと、ランは思った。
相手の体は直接自分に寄りかかってきているのに、そこからは男の、消えかけの命は彼女には感じられなかった。
肩で相手を押すと、まるで鞘が落ちるように男の体が地面に倒れる。もう微かにも動かない。
10
:
関屋結記
:2002/07/08(月) 15:35
三つ編みの解けた髪が頬に触れる。やりあっているときに男の刀が掠めたのだろう。
しかし血の着いた髪はべとべとと纏わり付くだけだ。
手で梳こうとしても、指先に絡み付いて苛々する。
髪が女の命だなんて思ってる訳じゃない。でも今の髪型は変えたくなかった。
気に入っているわけでもない。ただ、変えたくなかった。
11
:
関屋結記
:2002/07/08(月) 15:44
死体になった男の倒れた辺りに髪ゴムを見つけて、拾おうと手を伸ばす。
「ランっ!」
びくっ。
声に身体が跳ねる。
「……チホ」
「建物が持たない、早くっ」
チホは腕を取って促したが、ランはその手を激しく弾いて一睨みした。
「っ、あのね、怒るよ!」
しかしそれも無視してしゃがみ込み、髪ゴムを拾い上げる。
さすがに三つ編みは結えなくて、仕方なくそのまま括るだけにした。
それからようやく立ち上がって刀を鞘に収める。
12
:
関屋結記
:2002/07/08(月) 15:50
頬にべっとりと血のついたランの顔を見て、チホは背中に、
ぞくり、と何か冷たいものが走る感触を覚えた。
恐怖でも嫌悪でもない、得体の知れない何か。
………ちがう、あたしは、そんな、
13
:
関屋結記
:2002/07/08(月) 15:57
「チホ?」
呼びかけられて、今度はチホの身体が跳ねた。
「え、あ、…ごめん、行こう」
ちがう。あたしは、違う。
立ち込める煙が肺を侵す。駆け出せばそれは更に入り込んで身体を苦しめる。
呼吸の苦しさで自分を誤魔化して、身体に巡った感覚を、チホは必死に否定していた。
彼女たちは、限りなく澄んだ白、という意味の名をもつ、人殺しだ。
闇に沈み泥に塗れ血の雨を浴びても、それでも彼女たちは言うのだ。
自分たちは『白』………Weiβだと。
14
:
関屋結記
:2002/07/24(水) 17:04
ぱちん。ぱちん。
フローリングの地下室に鋏の音が響く。
ランは椅子に座って大人しくその音を聞いていた。
「毛先揃えるだけでいいから」
「はいはい」
ぱち、ぱちん。
アスカは器用にランの髪を切り揃えていく。
毛先だけでいいと言われても、血で汚れ火で焦げた髪ではそうもいかない。
少し古いが緑の黒髪という表現がぴったりくる。
少々もったいない気もするのだが、大胆に鋏を入れていく。
硬めで見た目より量が多く、切るのにも骨が折れる。
15
:
関屋結記
:2002/07/24(水) 17:57
ざくっ。ぱちん。
蛍光灯の明かりで光る鋏の刃を見て、アスカはランの刀のことを考えていた。
人を切り殺すのはいったいどんな感触がするのだろう。
ワイヤーで絞め殺すのとは何が違うんだろう。ボーガンなら、虎の爪なら。
………らしくないなあ。今更、ねえ。何馬鹿なこと考えてんだろ。
アスカは鋏を持つ手を休めてため息をついた。
どうしてか、時々こういう意味もないことを考えることがある。
違いなんて、あるわけないのに。
ぱちん。
ぱちん、ぱち、ぱちん。
16
:
関屋結記
:2002/07/24(水) 18:21
「………ん、こんなもんか。結構梳いたから、頭軽くなったろ」
ほら、とランに鏡を渡す。
ふわりと肩に着く程度に切り揃えられた髪に触れながら、
ランは前髪、サイド、後ろ髪と確認した後、
「短すぎる」
ぽつり無表情で可愛げなく呟き、少し仰け反るようにしてアスカの顔を覗き込んだ。
「どれくらいで元の長さに戻る?」
「そーだなぁ、半年くらいはかかるんじゃない?アンタ髪伸びるの遅いし」
「………そう」
今度は俯いて、またぽつりと呟いた。
先程と声のトーンは変わらないのに、何故か拗ねているような、
落ち込んでいるような声に聞こえて、アスカは少し苦く笑った。
相手がオミならここで頭をぐしゃぐしゃと掻き回してからからかってやる所なのだが、
ランの場合は一度機嫌を損ねると後が厄介なので止めておく。
「ごめん、助かった」
こちらからは見えない顔は、そうは言いながらもきっと、
しゅんとして眉が下がっているに違いないと思った。
ただ、それはアスカの想像というよりは願望に近いのかもしれなかったけれど。
17
:
関屋結記
:2002/07/25(木) 10:40
「ここはいつから美容室になったのかしらね?」
声がして振り返ると、
らせん階段をゆっくりと降りる赤いスーツを着た女性の姿があった。
「なんだ、マンクスか」
「なんだじゃないわよ、なんだじゃ。ほらさっさと片付けなさい」
アスカにあごで指示して追いたてる。
こういう女である。
18
:
関屋結記
:2002/07/25(木) 11:08
「んで?朝からいったい何の御用?…あ、ランそこの塵取りとって」
『マンクス』という名は、当然本名ではない。
役割はWeiβに人殺しの命令を伝えるメッセンジャーだ。
彼女のような人間が来るのはたいてい夜で、太陽のある時間から姿を見せるのは珍しい。
「ランにね、ちょっと」
手招きしてランを呼び寄せる。
手持ちのファイルから取り出した地図を渡してから、耳元で囁く。
「お兄さんの転院先。様子を見てくるといいわ」
ほんの少し、ランは考えるように眉を寄せたが、
次の瞬間には、
「………行ってくる」
階段を駆け上がったかと思うと、
バタンと勢いよくドアを閉めて部屋を出て行ってしまった。
19
:
関屋結記
:2002/07/31(水) 17:07
「なに、どうしたのアレ」
アスカは右眉だけをへの字にして、面白くなさそうにため息を吐いた。
「慌てて、デートかなにか?」
「何でも自分の基準で考えないの。貴方も男遊びばっかりじゃなくて、
たまにはまともに店番でもしたらどう?」
言いながら、ファイルで軽くアスカの頭を叩く。
「別に男遊びじゃなくても……マンクスさえよければ女遊びでもイイんだけど」
「……言ってなさい、この、バカ」
もう一度、今度は強くばしんと頭を叩いた。
ありがとうございました、と客を送り出し、店先に『ただ今休憩中』の札を下げる。
お昼の時間帯だし、何より今は桜が満開だ。今日も朝から近所の公園が騒がしい。
そんな時にわざわざ花屋にくる人間が、そうそういるはずもない。
20
:
関屋結記
:2002/07/31(水) 17:14
フラワーショップ『仔猫の住む家』。人殺し集団の昼間の顔である。
女四人と、おばあちゃんパートの百恵さんの五人が従業員だ。
「それじゃあオミちゃん、今日はこれで失礼しますね。御免なさいねえ、
チホさんもまだ戻ってこないのに、上がらせてもらって」
今日は百恵さんの孫娘の、高校の入学式だという。
これから帰って入学のお祝いをするのだそうだ。
オミは笑って首を横に振る。
「気にしなくても大丈夫ですよ。それより気をつけて帰ってくださいね?
お孫さんのご入学、おめでとうございます」
深々と頭を下げる。
はいありがとうございます、と百恵さんも挨拶を返した。
「オミちゃんも、明日が高校の入学式でしょう?今日は早く寝なくてはダメですよ。
今度お祝いしましょうね」
百恵さんの声はいつもより弾んでいて楽しそうだ。嬉しくて仕方がないらしい。
足取りも軽く、普段よりも早足で帰っていった。
21
:
関屋結記
:2002/07/31(水) 17:28
………疲れた。体がだるい。
寝不足で、正直に言えばお年寄りの相手はきつくて、
百恵さんが早めに仕事を切り上げてくれてホッしている。
ミッション、つまり人を殺した翌日はいつもこうだ。
頭痛と体のだるさと、食欲不振。いすにだらりと座って天井を仰ぐ。
(……また、無理やりご飯たべさせられるんだろうな……)
今朝、仕入れに出かける前にチホに聞かれたのだ。朝ご飯ちゃんと食べた?と。
『食べましたよー……………………………お薬は』
ふざけて答えたのがまずかった。次の瞬間には激しく怒鳴られ怒られ散々説教され、
行き掛けのコンビニで買ったおにぎりを、無理矢理車の中で食べさせられた。
『朝はちゃんと食べなきゃ駄目なの。じゃなきゃ絶対倒れるからね!?』
それ以前に、頭痛と胃の気持ち悪さと、
チホの乱暴な運転のせいで車酔いになり、本当に倒れそうだった。
もうそろそろ、昼食の買出しからチホが戻ってくる。張り切って出かけていったから、
また何かしら食べさせられるに違いない。彼女の料理は確かにおいしいけれど、
今日だけは、本当に勘弁してほしい。
22
:
関屋結記
:2002/09/06(金) 15:21
暫くぼーっと天井を天井を眺めていると、店の電話が鳴った。
…………嫌な、予感がした。
たっぷり5コール分は迷って、それでも仕方なく上体を起こすと、
スッと背後から手が伸びて、
「はい、仔猫の住む家です」
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