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新人賞スレッド@避難所

290イラストで騙す予定の名無しさん:2005/11/15(火) 21:14:22
275に触発されて、書いてみた。

土手の上から眺める川は陽光を照り返し、キラキラと輝いていた。
その流れは酷く緩やかで、靴を脱ぎ、その流れに足を浸して、一時の休息する事を私に勧めているようでもあった。
ささやかな水音に耳を傾けながら、河原に降り、満ちた砂石を踏む。
靴の裏から伝わる、ゴツゴツとした感触が奇妙にくすぐったくもあり、周囲に満ちる空気と相まって、
眠気のような、何ともいえない穏やかな気分を誘う。
私は目を瞑り、一時、その心地よい感触に身を任せた。
しばらくすると、ぶぅんという高いとも低いとも言えない音が耳横をよぎり、微睡みから引き戻される。
何かと思って、視線を動かしてみると、目の端に小さな蜂の姿が映った。
忙しく舞っているのは――おそらく、蜜を集めているためだろう。
蜂が飛び回るその場所には、ひっそりと花が咲いていた。
小さな花であり、それこそ、そばに蜂でもいなければ見逃してしまいそうな程に、ひっそりと。
だが、目を凝らしてみれば、その小さい丈からは考えられない程に花弁が力強く開いている事がわかる。
何とはなしに、蜂が好みそうな花だな、と私は思った。
あまり見慣れない事もあり、蜂が飛び去るのを待って、私はその花を摘んで、持ち帰り、観察する事にした。
手に取って、まじまじと見てみると、遠目にはわからなかった雌雄の蘂が黄色いことがわかった。
蘂の色は、それを包む花弁の赤と互いに引き立てあい、目が醒めるような鮮やかさを持っていた。
一通り観察が終わったら、この花を栞にしようと思う。
なかなかの思いつきに、私は良い気分になったが、ただ、この鮮やかな色がくすんでしまう事を考えると、少し物悲しくもなった。

しかし、どうしても、ぎこちなさが抜けない。
流れぶった切り+お目汚し、すまん。




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