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他人が書いた小説の一部を批評するスレ

1イラストで騙す予定の名無しさん:2004/02/20(金) 16:17
 書いてみたはいいけど、この表現どうなの?会話シーンに自信ないんだけど、ちょっと見てもらいたい・・・。
 そんな悩みを抱えるあなたは、このスレに、書いた作品の一部を載せてみましょう。
 ついでに、執筆上の悩みもガンガンぶちまけましょう。
 
 投稿する際には、あまりに長いのは避けてください。また、このスレはオリジナル限定とします。
 その他は、ライトノベルであれば、ジャンルその他は問いません。

855851:2005/12/02(金) 22:55:49
再びの書き込み、ありがとうございます。
酷評をみてちょっとだけほっとしていたりします(笑)
わなわなについて
仰せの通り、自分でも書いている途中で「あ……」と
思う事がしばしばあります。今回のご指摘の部分などは
自分だけで読み返してもさほど疑問に思っていなかった
部分ですので、おっしゃる通り、かなりの数で同様な事が
起こっていそうです。書き進める前に、その辺りのチェックを
もっともっとしてみます。
描写ですが、どんな話を書く時でも必ず苦しめられるんですよね。
自分でいうのも何ですが、このノリで逃げている面もあるな、と。
でも、どんな内容であれ、小説を書くのであれば描写はちゃんと
できないとダメですよね。もっといろいろな本を読まなきゃ。
この調子で進めたら、くどいよりも単調になる……。確かにそうですよね。
最終的には幸子がしおらしくなる予定なんですが、その辺りで進め方を
考え直してみます。
また機会がありましたら続きを出して見ます。その際はどうぞよろしくお願いします。

856イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/03(土) 00:49:30
>>851

某日日曜日>同じ漢字が被るのは避けましょう。

判断に苦しみそうな>判断に苦しむことを迷いそうな、では分かりにくいです。
苦しむ、でOKです。

こっそりと様子を伺う>どこから様子を伺っているのか分からないので、あまり想像しやすくないです。

等等>等々

そういう優しさ>『そういう』が何を指すのかあまり明確に示唆されてないので、分かりにくいです。


言返す>でも、言返す

振るえる>震える

母親に作らせるな、0点>ならば、『あまり上手く作らせても』という文章は不要だと思います。

横に振る>否定の意を少しでもいいので、書いておきましょう。

857イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/03(土) 15:58:57
 その日、僕は放課後の中庭にいた。中庭からは赤くなったグラウンドが見えて、駆け回るサッカー部の連中の姿が土の上に揺らめく空気で歪んでいた。
 7月に入ると、蝉も鳴き声で自分を主張する。蒸し暑さに溶けそうな肌をなでる風が心地よかった。プールに溶けた塩素と、しめった埃の臭いと、夏の校舎だけがもつ有機的で無機質な臭いとが僕の気持ちを落ち着くとも沈めるとも言えない気持ちにさせた。
 時間はとうに過ぎていた。待ちぼうけかと何度思ったか数えようとした時、一人の女子が校舎から駆けてくる。すぐにわかった。長く黒い髪。彼女だ。普段の白い肌は夕焼けに赤く染まっている。
 彼女は僕の目の前で止まった。うつむき、息を整えている。見慣れない懸命な仕草に胸が鳴った。
 彼女の顔が上がる。見上げる顔が夕日で影になり彼女の印象を幽かにさせている。
「秋白君、急に呼び出してごめんね。お待たせしました」
 息を落ち着かせて彼女が言った。いつもの様に明瞭な声の響きに、胸が高鳴る。心臓の音が大きい。彼女に聞こえてしまいやしないか。
「いや、いいよ」
 声が震えないよう気を使うのに精一杯のセリフの淡白さに、堪らなく恥ずかしくなる。
「えっと、そのね……言いたいことがあって」
 夕日が地平に流れていって、彼女の顔に表情が浮かびあっていく。
「付き合ってる人……いる?」
 少し太めの眉が、ちょっと困ったように、付け根に寄っている。夕焼けのせいか赤く染まっている白い頬。黒く大きい瞳は強い光を放っていて、僕を射抜く。
「え……いないけど」
 蝉の大合唱、捨てられたペットボトル、風が運ぶ彼女の甘い臭い。堪らず頭に血が上り眩暈がする。
「そっか……それなら――」
 彼女の少し湿り気を帯びた桃色の、唇が目に入った。惹きつけて離さない。
 小さく開く唇に、ゆっくりと空気が吸い込まれていく。白いシャツが空気が押し上げていき、ついに止まる。蝉の鳴く声だけが辺りを満たしている。
「――です、付き合ってください」
 辺りが静とした。心臓の音だけが浮ついている。彼女の声が頭の中でなんども繰り返す。言葉の意味を理解するまで何度と繰り返したのか、僕は気づき、焦る。彼女は僕を見つめている。頭の中では泡みたいな答えが生まれては消えていく。決まっているに決まっている答えが、泡の海に沈んでいって思考が窒息する。彼女の姿だけが意味も無く頭の中を支配した。
 あ、彼女が微笑んだ。

おながいします。

858851:2005/12/05(月) 00:03:11
>>856
書き込みいただいていたのに、気付かずに失礼しました。
またしても疑問にすら思っていないところで、ご指摘の箇所は
言われてみて初めて気付いたものばかりでした。
やはり、書いたものはこうして添削して頂かないと、いろいろな
あらが見えてこないものなのですね。
今回頂いたアドバイスを胸に、日々精進します。どうもありがとうございました。

859イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/05(月) 22:44:04
>>829

俺も>>833の意見に賛成。

あと、言おうか言うまいか、迷ったけど、言ってしまおう。

文章が削った分に、ぐんと引き締まった。それはいい。

でも、代わりに、読者に与える時間間隔があまりにも短く
なりすぎて、真人の苦痛が伝わりにくくなっている。

腹を刺されたら、どうなるかの話で、時間を稼いでほしい。

空手の試合でレバーに後ろ蹴りをカウンターで叩き込まれて
ダウンした個人的経験から推測するに……。

痛いこともあるだろうけど、その痛みで呼吸ができなくなって、
しまう。これが辛い。

痛みで筋肉が痙攣してしまって、肺が作動不能状態。
ともかく酸素がほしい。
頭の中は、そればかり。
首に手をかけられて締められる方がまし。

腹の中に重い石が入っているというか、そういう痛み?

うわ、やっぱ、人間、酸素が必要ダヨ。

おそらく腹を刺された場合にも、そういう呼吸困難の苦しみ
があると思う。

860イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/05(月) 22:54:18
>>857
批評とかあんましたことないから感想だけど。
主人公の緊張というかいっぱいいっぱいな感じは伝わってると思う。

気になったのは、彼女の名前。
伏せなきゃならない理由がないなら名前を出した方がいいんじゃないか。
顔見知りで「彼女」とだけ呼ぶのはちょっと他人行儀すぎる気がする。

861イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/06(火) 15:56:27
俺のもお願いします。以前本スレまわりで上げたことがある奴の微修正版。


 稲妻のように駆ける赤毛の犬が、獲物を捕らえた。
 騎乗した猟師と勢子、十数匹の猟犬に追われながら、獲物の野兎はよく逃げ回っていたほうだった。
 だが、安全な木々の下生え、暗い茂みへの逃走路は、常に先行する騎手か犬によって塞がれていた。数十頭もの馬と犬。野兎は知らず知らずのうちに、追う者達が狩猟場と呼ぶ場所をぐるぐると駆けめぐって、彼らの思う壺に嵌まっていた。
「マヴルーシカ!」
ひときわ、大きな掛け声が狩猟場に響いた。反応したのは、それほど見栄えの良くない、赤毛の猟犬だった。マヴルーシカは疾走する騎手達の足もとを恐れる風もなく駆けぬけると、他のどの犬よりも速く、隙を見せた獲物へと飛びかかった。
「よおし、よし、よし!」
赤毛と野兎がごろごろと転がり、追いついた他の犬どもがそれを囲んだ。マヴルーシカが取り押さえたところで、ころあいを見て下馬していた猟師の一人が、手早く野兎を縛り上げた。力強く尾を降る赤毛の頭をひと撫でして、猟師は周囲に集まってきた仲間に見えるようにと、獲物を高々と持ち上げた。何十もの好奇の視線が集まる中で、脚を縛られ身動きをとれなくなった野兎は、透きとおった目で周囲の者たちを見つめていた。
 ざわめき、興奮して甲高くしゃべる皆の間を抜けて、狩りの主催者である子爵令嬢が姿を見せた。すでに両親をなくしており、戦争でただ一人の兄も失った令嬢は、子爵家の事実上の主人であると見なされていた。遠慮する皆に片手で楽にするようにと示して、令嬢は乗っていた鹿毛の上から腕を伸ばした。とらわれの野兎を受け取った令嬢は、野兎を顔の前にぶらさげてまじまじと見つめて、満足そうな笑みを浮かべた。
「よし」
傍らの騎手に獲物をほおって、令嬢は言った。
「よくやった。皆の酒代を上乗せする。マヴルーシカにはあとで脚を一本おやり」
猟師と勢子が上げる歓びの声をうけて、もう一度にこりと微笑んでから、令嬢は鹿毛の頭をめぐらせた。マヴルーシカを遣っていた猟師が、仲間に背中を叩かれていた。

 夏から秋にかけての、毎日が変化に富んだ、あの魔法のような時季のことだった。明け方に降った雨はほどなく止んで、狩猟には絶好の上天気になっていた。
 子爵家の有する狩猟場は、いまだひとの手の入ったことのない森の脇の、さほど広くない一角だった。周辺には村の一つもなく、子爵家の領地における邸宅からは、馬で二時間ほどの場所にあった。
 令嬢は次の狩りの段取りをつけるために、馬丁と猟犬監督の姿を探した。馬丁には勢子の仕切りを、猟犬監督には猟師と猟犬のそれを任せていた。
 令嬢を乗せた鹿毛は狩猟場をゆるゆると進んでいった。さほど広くはないとはいっても、そこは貴族の有する場所だった。緩やかに起伏する狩猟場の各処に、この狩猟に参加しているひとびとの姿が散見できた。放した犬をまとめている猟師の一団。先の獲物のことをしゃべっている何人かの手隙の騎手。馬から下りて蹄鉄の具合を調べている勢子の奥手では、今回の狩りの獲物を鞍にくくりつける作業がつづけられていた。令嬢は狩猟場を見渡した。
 ほどなく、令嬢は思い思いの格好をして猟師達の指示を待つ犬どもの向こうに、猟師の一人と放す馬丁の姿を見出した。鹿毛の首筋をひとつ優しく叩いて、令嬢は馬丁のもとへと馬を進めた。

「猟犬監督からの知らせです」
話していた猟師を示しながら、馬丁が言った。
「少し向こうの、森に入ったところです。猟犬監督が、お嬢さんに来てほしいと」
 うなずき、令嬢は知らせを持ってきた猟師と馬丁と共に、猟犬監督のところへと馬を駆った。

862イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/06(火) 18:56:05
>>860
感想ありがとうございます。好感触を得られたようなのでなによりです。
もう少し描写を足して削って質を高めたいと思います。
名前もどうにもリズムを悪くしてしまうので、書くか書かないか考えていたのですが、やっぱり書くべきですね。
気合いれて作ってきます。

863イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/06(火) 19:11:48
>>861

猟師⇒近隣の貴族(騎士階級以上)とその子弟
勢子⇒従者
子爵令嬢⇒女伯爵

にしておけ……。

ただの猟師の財力では、馬ほど食う動物を飼育し続ける
ことはできない。
仮にできたとしても、猟師は、高い身分の女性の前に
出して恥ずかしくないだけの礼儀作法やマナーを心得て
いない。

ちょっと検索してみたが、
貴族の狩りについては、「トム・ジョーンズの華麗な冒険」
とかいう映画が参考になるっぽいぞ。

864イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/06(火) 20:42:59
>>863
猟師の財力っつっても、放牧してるなら餌代はかからなくない?
現代日本とかで馬を飼うとなると、餌の問題はあるだろうが。
背景からするとそう難しいとはおもわないけど、やっぱきついものなの?

あと、俺は馬丁がいちいち間に入ってるのが雰囲気出てていいと思ったけどなぁ。
身分の低い物にどう令嬢が当たるかでキャラ立ても出来てるし。
それなりに扱う、貴族にしては礼儀がなってる人と読んだ。

ところで、これ誰がやってる狩りなんだろ?
お嬢さんは犬を遣ってないし、楽しいんだろうか。

865863:2005/12/06(火) 21:33:33
>>864
もしも、作品舞台が、野生の馬を放牧できるような草原地帯だとしたら、
それは遊牧民の世界だよ。

遊牧民は、家畜が牧草を食い尽くしたら、次から次へと移動しつづける。
その結果として、領土に結びついた封建貴族制度は、普通ありえない。

このあたりの関係は、多少、勉強していなければ、わからないか……。

でも、↓は常識的なセンスでわかってほしい。

ぶっちゃけた話、ウサギ狩りみたいなことに馬を使うのは
あくまでヨーロッパ貴族のお遊びのスタイルであり、
狩りとして実用性は、全くと言っていいほど、ない。

狩猟でメシを食っている猟師ならば、そんな金と時間と労力のかかる
ような手法はとらないよ。

866イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/06(火) 22:10:52
あー、狩猟シーンは全体的にトルストイの戦争と平和の影響を受けています。
当時のロシア貴族の場合、猟師も勢子も猟犬も馬匹も「貴族のお遊び」のための、
自分持ちの雇い人だったりします。貴族が狩りをしないときは食卓を豊かにするために頑張ります。
贅沢なもんです。そりゃ革命も起こるわい。

>>863氏の意見は概ね正しいっつーか俺がorzな感じなのですが、一つ反論すると、
封建社会が拡張過程で遊牧民族の生活圏を領土に組み込むと、封建制と遊牧民の存在が両立します。
また、大規模な放浪型社会が拡張過程で定住型社会を領土に組込み、影響を受ける事例はよくあります。
(前者はロシア帝国、後者はモンゴル帝国)

867861,866:2005/12/06(火) 22:26:01
あ、ロシア帝国の場合タタールのくびきがあるから逆かも。
そして名前ミス

868863:2005/12/06(火) 22:34:13
>>866
一応、ロシア帝国などの例外の存在は想定していたよ。
だから、>>865では「普通」ありえない……と書いた。
でも、そんな感じですな。

>封建社会が拡張過程で遊牧民族の生活圏を領土に組み込むと、
>封建制と遊牧民の存在が両立します。

そのあたり、資料を集めて、世界をつくりこめば、真面目に
面白いね。
ただ、年齢の若いライトノベルの読者はついていけないかも
しれない。

869イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/06(火) 22:56:12
>>865
あれ、そうなのか。
なんかヨーロッパの貴族が狩りをしてるっていうイメージだと、
黒い森だの出てくるようで、なんとなく馬も飼えるだけの緑があるんだと勘違いしてたよ。

んでさ、ウサギ狩りに馬遣うのは貴族の遊び、っていうのは分かる。
イギリスのキツネ狩りとかもそうだよね。
でも、>>861って猟師が狩りしてるんだよ。
普通、スポーツとして楽しむなら貴族様が犬を使って追い込みまでしないか?って
思ったんだ。(少なくとも止めは貴族がとらないか?と)
それとも、これも思いこみで実は貴族は見てるだけ?

870861,866:2005/12/07(水) 00:03:20
だいたい869氏の認識で合っています。が、地域・文化にもよりますが、
貴族の狩猟の場合、スポーツとしての側面の他に、尚武的な、軍事訓練的な側面もあります。
大勢の騎乗した部下を駆って目的を達成するという手段自体が、もう一つの目的だったりするのです。

俺が書いたシチュでは、お嬢は暇をかこっていた狩猟用の被雇用者のために
狩猟をやっとるわけです(本来彼らを率いるはずの彼女の兄は戦死している)。
猟師が犬を遣うように、彼女は部下を遣っている訳です。
まぁ、そのあたりは裏設定的というか書いている人間だけ知っていればいい情報なので
>>861では特に描写していませんが。
読んだ方にそういう疑問を抱かせたなら、説明を入れるべきなんじゃろか。

871イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/07(水) 00:22:03
>>870
ああ、なるほど。
書き込んだあとにその可能性もあるな、と思ったんだけど。

この時代は出てくる猟師はお囲い、ってのは説明入れて、
夜あたりに令嬢が狩りについてなにか感想を洩らすといいかもね。

使用人Aが夜風に吹かれる令嬢に近づき、
「お嬢、一日中馬に乗ってお疲れでしょう。明日もあることですし、おやすみになられてはどうですか?」
ぼんやりとした顔で令嬢は振り返り、ため息を吐く。
「……あれで良かったのかしら? 私は兄さんの代わりになれてた?」

みたいな。
もしくは、野ウサギに同情するとか。その辺は令嬢のキャラクター次第で。

ただ、これをやるなら狩りのシーンのあとに猟犬監督と話す場面を入れる、ってのは辛いかな。
>>861を一段落、二段落、三段落と分けて、
一段落、夜のシーン、次の日にかわって二段落、三段落って感じか、
二段落の状況説明は一段落のすぐあとに持ってきて、次に繋がる部分を三段落の頭にくっつけるとか。

872イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/07(水) 00:31:05
嫌々じゃなければ、「楽しそうだったから、明日は追い込みに参加する」ぐらいかな。

873イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/08(木) 01:33:24
 正直言って、設定に口を挟むのは見当違いでは無いかな。まだ書いてないだけで、
背後にどんな設定が有るのか知れたものでは無いし、時代や地域によって条件が違う。
作者が資料を集め設定を練り込むのと、読者の嗜好には因果関係が無いんだし。
 違和感を感じない限り、普通はお抱えかも知れない猟師が、馬を持てる程豊かか
そうで無いかなど気にしない。同様に、お嬢が直々に狩りをしないのが変とも思うまい。
 ただ描写された内容から、背景の設定を推察するだけで、その意図は達成されてる。

874よろしく。:2005/12/09(金) 22:10:42
パサパサと、髪を軽く叩かれる感触があった。
寝ぼけたまま、机に突っ伏した顔を上げると、髪の毛に紙が貼り付けてあった。
授業は既に終わってしまっているらしいのだが、窓は開けっ放しで、そこから入る海風が紙を揺すっていた。
その海風が無神経にも午後の惰眠を貪る僕を起こしたらしい。
紙を手に取ると、そこには素っ気ないルーズリーフに見覚えの筆跡が綴られていた。書かれている内容は。
『最後のロケット・ライダー募集中 至急、裏山のガレージに来たれ』
 
彼女は僕の前に誇らしげに立つと。
「じゃっじゃーん。これが前世紀の廃棄物、宇宙への夢の遺骸、ロケットで〜す」と宣言した。
ガレージから台車に乗って現われたロケットは白く塗装され、外壁にはUSAの文字が赤色に刻み込まれていた。
アポロ計画で使用されたサターンVロケットを模したデザインなのだろうか。
海風で補強の甘いパーツが揺れているという欠点を除けば総ダンボール製とは思えない、なかなかのできだ。
「さぁ、乗りなさい」
「えっ? どこから乗るの?」
彼女は黙ってサターンVに近づくと、第二段ロケットの壁面を外した。
雰囲気ぶち壊しだよと思いつつ、中をのぞくと、そこには自転車の車体があった。
ロケットの下部の隙間からタイヤが地面に付いていた。
外壁をなんなく乗り越えて、サドルに座るとペダルに足を乗せた。
心の中で『準備完了かな』と唱える。
「もしかしたら、ロケットエンジンなのかと淡い期待をしてしまった自分が恥ずかしい」
「それはいくらなんでも私でも無理」
「君はどうするの? この恥ずかしいさまを見ているだけ?」
彼女は第一段ロケットの壁面を外すと、僕の後ろに座った。
「万事オーケー」
「で、このあとはどうするの?」
「サカキ山から海岸までの下り坂をノーブレーキで突っ走る」
前の席に座る僕が間抜けな疑問を尋ねた。
「とりあえず、ロケットの中で遊んでないで、ロケットから降りて、これをサカキ台まで運ばないとね」
「うん」
後ろの席に座る彼女ははっきりとした間抜けな返答をよこした。
サカキ山のチキンレースというのは、この辺では有名な話だ。
年に一、二回は開かれる子供たちだけの秘密の遊び。
サカキ山の頂上から開眼へと続く坂道をノーブレーキで下り、波打ち際でぴったりと停車するというゲーム。
前輪に海水が付いたら負け。
もしも、坂の途中でブレーキを使おうものなら問答無用にチキンと呼ばれる。
そして、最も波打ち際に近づくことの出来た、このゲームの真の勝者は、この年、最も勇気を持つ者という栄誉が与えられる。
が、そんなことをしているのがもしも大人にばれたら、大変。
次の日には学校で臨時集会が開かれ、校長があの話をするのだ。
チキンレース中、失踪してしまった少年の話を。
海岸に着いてもブレーキをかけず、そのまま、波打ち際を越えて、その海のむこう、地平線の果てまで自転車で走り抜けて行った少年の話を。
その話を僕も彼女も一度は聴いたはずだ。
忘れもしない、その少年の友人たちが、彼がブレーキをかけないことを不審に思い始めたくだりだ、そこで彼女は。
『それは浮いたままいったのですか? それと潜水して行ってしまったのですか?』と話の展開を見抜いた質問を、全校生徒の前で校長に訊いてしまった。

875イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/09(金) 22:27:17
>>874
掴みとしてはけっこう面白いと思う。
ただ、展開が早すぎて(場面が変わりすぎて)ちょっと理解するまでに時間を要する。

あとは……「手紙の内容は。」は要らない気がする

876イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/10(土) 03:02:48
 オリジナル作品を人の前に出すのは初めてなのですが、批評の方をよろしく
お願いいたします。あんまりラノベらしくないかもしれませんが……では次レ
スから始めさせていただきます。

877イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/10(土) 03:04:37
 出会いなんて、たいしたきっかけが必要なわけじゃない。
 パンをくえた女子高生と曲がり角でぶつかったりだとか、幼馴染がいるだとか、そんな夢みたいなことは
龍二の人生に起きなかったし、起きることを期待もしていなかった。

 厳密に言えば彼には、幼馴染がいないわけではない。ただそれは男で、幸いにも男好きというわけでは
なかった。幼稚園の頃に知り合って、小学校、中学校、高校と、クラスが別なことはあっても、家が近かっ
たから、互いの家を行き来して遊んでいた。

 ただ最近、雄太というその幼馴染とツルむことは少なくなっていた。それは彼に、恋人が出来たから。美幸
という名前のその少女は、龍二と雄太、共通の知り合いで、高校のクラスメイトだった。龍二もまた美人だな、とは
思っていて、仄かに憧れを覚えていたから、幼馴染と彼女が付き合いだしたと聞いた時は、軽くショックでは
あった。だがまだ、好きという程までには深入りしていなかったから、割とあっさりと諦めることも出来たし、二
人を祝福することも出来た。
 とはいえ、二人の仲に入りづらくなったのもまた、事実だった。雄太は相変わらず誘いの電話をくれるし、
美幸もまた、
「龍二君も一緒に遊ぼうよ」
 と声をかけてくれるのだが、何となく気が引けて、適当な言い訳を付けて三回に二回は断るようにしていた。
「悪いな、何か」
 二人きりの時に雄太からそう言われて、龍二は苦笑で返す。そして、
「気にすんなよ。美幸ちゃんのこと、大事にしてやれって」
 本心からの言葉ではあったが、どこか嘘っぽいな、と彼はふと思う。が、他に言いようがないのも、また事実
なのだった。

 そんな彼が、最近、気になり出したのは、クラスで隣に座る少女、美咲だった。

878イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/10(土) 03:04:57
『町田君、タバコ吸ってた?』
 そう書かれた紙を美咲から手渡されたのは、夏休みも近い、うだるような暑さに龍二が吐き気を覚えて
いた午後のことだった。もっともその気持ち悪さは、昼休みに生まれて初めて吸ったマイルド
セブンのせいかもしれなかったが。
 渡された紙に目を通し、その内容を理解して、龍二の背中に冷や汗がにじむ。それでも何とか驚きの
声を挙げるのを押し殺し、隣を睨むが、美咲は何事もなかったかのように前を見ている。が、彼の反応には
気付いていたのだろう。ノートの切れ端にまた、何かを書き込むと、龍二の方を見ることなくそれをこっそ
りと回す。
『放課後、待ってて』
 今度はその内容を理解することが出来ず、戸惑ったまま彼女を見つめるが、美咲はやはり、それに何の
反応も示さなかった。


「ん……くぅ」
 何度目になるかわからない試行錯誤の後、ようやく龍二は美咲の中に自分の分身を突き刺すことが出来た。
「……痛いのか?」
 唇を噛み締め、スーツを強く握り締める彼女の様子に、ホテルに入って初めて彼は言葉を発する。緊張に
口の中が渇いていたせいか、ややかすれたその声は、それでも美咲の耳に届いたらしい。
「だい、じょうぶ……」
 明らかに嘘とわかるその言葉と共に、涙のにじんだ目で美咲は彼自身を見つめてくる。深い黒の瞳の中に
透けて見える少女の必死さに、龍二は言葉を失う。
「いい、よ……動いて」
 むしろ自ら腰を押し付けるような美咲に、彼はただ彼女の髪を優しく撫でることしか出来なかった。

 安いラブホテルの一室に、二人が来ているのは、美咲が誘ったからだった。
 わけもわからぬままに、龍二は彼女の言葉どおり教室に残っていた。誰もいなくなった頃に、一度教室を
出て戻って来た美咲が、こう告げたのだ。

「町田君。私のバージン、もらってくれない?」

879イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/10(土) 03:05:17
 気になっていた少女からの言葉に、龍二は驚くと同時に、幻滅を覚えもした。美咲は美人とは言えない
までも整った顔立ちで、少し染めたのだろう、淡い茶色の髪を肩の長さまで伸ばしている。やや大人びた
印象と清楚な雰囲気に、龍二は惹かれていたのだった。
 だからこそ、反動から来る失望は激しかった。何だよ、それ。そう心の中で呟く、いや、吐き捨てる。
「タバコのこと、黙っててあげるから。お願い」
 彼の沈黙を勘違いしたのだろうか、そう続ける美咲から目をそらして、龍二は言った。
「いいぜ、わかった」

 そのまま二人は、学校を出てホテル街へと向かう。龍二が先を歩き、美咲がその後に続く。一度、彼が
振り向くと、彼女は俯いたまま立ち止まった。
「何?」
 か細い声で言われるのに、龍二は答えず、また歩き始めた。

 龍二と美咲、二人の持ち金を合わせても大したことはなく、結局いつ建ったのかわからないような古い
ラブホテルしか見つからなかった。もっとも、学生服を着たままの二人が引き止められなかったのは、
そのせいかもしれなかったが。
 鍵を受け取り、上るエレベーターの中でも、二人は言葉を交わさない。少しずつ冷静さを取り戻して
きていた龍二は、この状況に異常さを覚えてきてもいたが、かといってここで引き返すのは癪だった。
抱かれたいんだったら、抱いてやるよ。そんな風に心の中で言ってみても、何だか言い訳のような気が
して、余計に苛立つばかりだった。

 部屋は狭く、ただベッドと、申し訳程度のバスルームがあるばかりだった。
「シャワー浴びてくる」
 そう言う美咲を、龍二はベッドに押し倒す。
「ちょ、町田君」
 構わず彼は、少女の制服を脱がし始める。わずかばかりの抵抗も、すぐにあきらめたかのように止ん
で、程なく龍二の目の前には、美咲の眩しいばかりに白い裸体が露になっていた。
「電気……消して」
 一瞬、見惚れていた彼は、彼女の言葉に頷いて、電気を消す。真っ暗な部屋の中、それでも龍二の
瞳には、少女の美しい姿が残っていた。

880イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/10(土) 03:05:38
「大丈夫か?」
「う、ん……痛く、なくなってきた」
 嘘だと、龍二にはすぐにわかった。涙は流れ続けているし、声もかすれている。AVでしか知識のない龍二
だったが、それでも美咲が感じてなどいないことぐらいは察することが出来た。
「止めるか?」
「ううん……本当に、大丈夫だから」
 気丈な少女の言葉が、あまりに胸をしめつけてきて。
 龍二は彼女を強く抱きしめながら、激しく腰を振り始める。
「……ん!……ぅ!……ぁ!」
 声にならない悲鳴をあげながら、それでも美咲は彼の抱擁に答えるように、抱きしめ返す。あまりに意地ら
しくて、龍二は早く果てようとするが、緊張しているせいか、全く射精の瞬間は来ない。気持ちよさも、また。
ただ突く度に、彼女の体を傷つけている、そんな罪悪感と後ろめたさが襲うばかり。
「……ん!んぅぅ!」
 ようやく彼が果てたのは、挿入からどれぐらいの時間が経ってからのことだろう。快感のない射精は、自慰
よりも空しい思いだけを、彼の心に刻んだのだった。


「初めて、だったんだね。町田君も」
 後始末を終えた後、シャワーを浴びて出てきた美咲は、まだ上半身裸の龍二から、恥ずかしそうに目をそら
して言った。
「ん……ああ」
 改めて見た少女の、意外に豊満な胸と、その先の小さな突起に目を奪われかけた彼は、曖昧にそう答える。
が、すぐに、
「俺も、初めてだったから……その、悪いな」
 言わないといけないような気がして、龍二は言った。それは彼が、罪悪感から逃れようとして口にしたのかも
しれなかったが。

881イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/10(土) 03:06:00
「いいよ、別に……こっちこそ、ゴメン」
 そう言ってから、恥ずかしそうに自分の体をバスタオルで隠した美咲は、そのままベッドに潜り込んでくる。
そして端に腰掛けていた龍二の背中に、そっと額を押し当てた。
「本当に、ゴメン。無理なお願いして」
「だから、いいって」
 理由を、聞きたいと龍二は思った。だが、何故か、聞くのが怖かった。
 あの時……二人が、繋がっていた時。セックスの快感も、一つになることの高揚も、いわゆるセックスで
得られると言われている感覚を、彼は何も得られなかった。
 だが、確かに、あの瞬間は、特別なものだったのだ。
 果てる寸前に、美咲の方から求めてきたキス。そのぬくもりは、まだ龍二の唇に残っている。


 その日、結局、二人は会話らしい会話をすることもなく、別れた。何事もなかったかのように家に戻った
龍二が、部屋に戻って携帯を見ると、メールが一通、届いていた。差出人は、アドレスを交換したばかりの、
美咲からだった。
「今日は、本当にありがとう。また明日、学校でね」

 どう返事を返そうか、迷って龍二は結局、何も送らないことにした。

 夜、彼の夢の中に、美咲が出てきた。だが一度も、彼女はその顔をこちらに見せることがなかった。

882イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/10(土) 03:07:02
 以上です。導入部なのですが、どうかよろしくお願いいたしますm(_ _)m

883イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/10(土) 15:42:26
 短い間に時系列が行ったり来たりして、話の流れが理解し辛い。特に最初の濡れ場は、
始め何が起きているのか、すんなり分からなかった。そもそも告白して、いきなり肉体
関係を要求するのは、流石に不自然で違和感を感じる。
 煙草と肉体関係。ブギーポップに似たシチュエーションが有ったが、あれは独特の
乾いた文体に合わせたものだし、女性の方が放煩な性格で、しかも交際を進めた末に、
という仄めかしが有ったはず。

884イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/10(土) 23:46:36
しかし、ここで晒す人も本当に様々だね。
ある程度のレベルに達していると思われる人も居れば
>>829なんかはこれにあてはまると俺は思うのだが)、
本当にいかにも「自信ありません」という感じの人もいる
(これは具体例を挙げると失礼になるので自粛しとく)。
むろんその中間も居る(ここで晒すほとんどの人がここにあてはまるだろう)。
俺も一応小説書いてるけど、俺は中間よりちょっと下ぐらいかな。
「良き作家であるためには、良き評論家であれ」という言葉を信じてここを覗いてるんだが、
たまに自信なくしそうになったりするから悲しい。

885イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/11(日) 00:01:04
濡れ場は書かないほうがいい気がするけどね。
これじゃ、それなんてエロゲ? って話になっちまうから。
具体的に作品名を挙げておくと「SEXFRIEND」つーエロゲがあって、
切ない感じのなかなか良いゲームだった。

で、こっからちょっと真面目に言うと、
導入としての引きが弱い。
理由は、キャラクターの行動が意味不明、無味乾燥としてる、エロシーンとして面白くない(描写がたりてないし、エロくないし、テンプレート的過ぎ等など)、主人公の心の痛みに共感できない(リアリズムが無い)
読みづらい、文頭と回想に矛盾を感じる、文章的な強弱が無いので読んでるだけでの面白さがない等々。
感想としては、
ライトノベルに濡れ場はイラネ、かな。エロゲだったら続けるけど、本だったら閉じる。

886イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/11(日) 00:24:48
>>884
文章力なんて主観的な判断なんだから(文章力という言葉の定義自体があやふやだし)
気にしないで書いて書いて直して直せば良いんじゃなかろうか。
で、ここに書き込むのは1つ2つくらいしか突っ込みも無いだろうと思った時とかじゃない。
それで、自分の主観と世間の主観が噛み合ってるか噛み合ってないか、確かめる手段と言う感じじゃないかと。

887829:2005/12/12(月) 19:54:42
>>859
しばらくここを覗いてなかったもので……返信が遅れてしまって申し訳ありません。

少し考えた結果、「こんな戦国時代みたいな……」の部分を消して、そこに感覚の描写を入れることにしました。
戦国時代うんぬんの部分は主人公が正気を失っている感じを出そうと思って入れていたのですが、
死にかけのくせにやたら落ち着いてるな、
というのは他の部分で十分に伝わると思うので敢えて入れる必要はないかなと。

888イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/13(火) 02:54:05
専門用語解説でひっかかったので、ツッコミお願いします。前後の流れを崩しすぎてないかが特に知りたいです。



「牡って……あ、タマついてるんだ。タマ」
「里香……あんたも一応は女子高生なんだから、そういうセリフを平気で吐くっていうのはどうかと思うけど」
「他に言いようがないでしょ」
「セン馬じゃないんだ、とか」
シルフの股間を覗き込んで言う里香に、綾華の冷静なツッコミが入る。
もっとも綾華も慣れっこなのか、一瞬呆れた顔をした後、すぐにいつもの表情に戻った。
セン馬――闘争心を抑えるために去勢された牡馬のことである。
闘争心が重要な要素を占める競争馬と違って、穏やかな気性が必要とされる乗用馬は、大半がこのセン馬で構成される。“ついている”牡馬は珍しいのだ。
「ま、やんちゃな子だったらタマとっちゃえばいいんだけど」
「いや、だからそういうことをあっさりと言う女子高生ってどうかと思う」

889888:2005/12/13(火) 02:56:20
すいません、あと一つ

知らない人にもきちんと理解させられるような解説になっているか

これも知りたいです

890イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/13(火) 03:12:27
僕は競馬漫画大好きなのではっきりしたことは言えませんが、問題ないと思い
ますよ。でもシルフと聞いてシルフィードを思い浮かべた僕は末期なのか?

891888:2005/12/13(火) 03:28:01
>>890
まあ、風の妖精という意味は同じなんで…
一応、馬術風の名前(できるだけ簡潔な名前)で設定してみました

892イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/13(火) 16:46:20
競馬関連さっぱりな人間ですが、特に分からないという点はないです。

893888:2005/12/14(水) 19:52:32
>>892
ありがとうございます

ではこれで行きます

894イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 20:55:58
「2ch文章アリの穴」
http://ana.vis.ne.jp/ali/index.html
に投稿したプロローグを改訂したものです。台本か設定資料じみていた文体を工夫し、
会話を増やして、小説らしく成るよう手を加えました。どうか宜しくご指導下さい。


運命の交差路〈ラスプーチ〉

 世界は死の断末魔に喘いでいた。迷信に満ちてはいるが、古き良き浪漫の時代が。そして不死鳥が自らを火にくべるかの様に、再誕の鉄火に身を投げようとしていた。
 この時代〈トキ〉この帝国〈バショ〉の中心に居たのは、延び放題の髪と総髭を生やした、肩幅の広い痩せた中背の男で、不潔な体に地味な黒い僧服を纏った姿からは”奇跡の人”と呼ばれた偉大な霊能力も、一国を左右する権力も想像出来ない。
 グリゴリー・エフィモビッチ・ノヴィーク。トボリスクとチウメンの交差路(ラスプーチ)に位置するポクロフスコエ村出身。元々は住民の大半と同じラスプーチン姓だったが、難病の皇太子を救った功績から、皇帝より豪華な邸宅とノヴィークの姓を下賜されている。
 そしてこの成り上がりの似非僧侶こそ、この年代〈アイオーン〉の中心の一つであり、歴史の転換点そのものであった。それ故にそれを知る一人の男の深慮と、それを知らぬ多数の者達の短慮とで、彼自身も運命の交差路に立たされる事と成ったのである。

895イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 20:57:29
 服をまさぐられているのに気付いて、グレゴリーは目を覚ました。自分がなぜ横たわっているのかは分からなかったが、茶菓子〈ケーキ〉を食べながらマディラワインを一瓶空け、良い気分に成って食前の……実際には少し摘んだ後だったが……祈りをしたのは覚えている。
 ただ茶菓子もワインも、妙な苦みが舌を刺激し、お世辞にも美味いとは言いかねた。グレゴリーは口直しにお代わりを要求したが、ユスポフ公爵は声を裏変えして、抗議の叫びを上げたものだ。
 ワインが傷んでいると仄めかしたのが、貴族の矜恃を傷付けたのかも知れない。だからと言って接待役の主人〈ホスト〉が、招待客に凄むなど無礼極まりない話だが。まして後ろから殴り掛かるなど、帝国屈指の大貴族だとて許されがたい……殴り掛かる?
 怒りがグレゴリーの意識を鮮明にさせ、何が起こったのかを思い出させた。殴られた拍子に受けた、耳が麻痺する程の衝撃。あれは銃声だ。と言う事は彼の背を殴りつけ、息を詰まらせたのは銃弾だったのだろう。
 その時、服をまさぐっていた男が宣言した。
「呼吸、心拍共に確かに停止しています」
 グレゴリーはその声に聞き覚えが有った。確かラゾヴェルトとか言う藪医者だ。その博士に遮られて良く見えないが、視界の陰にもう一人居るのに気が付く。
「本当に確かだろうな? 君の調合した青酸カリは効かなかったぞ」
 その声こそユスポフ公爵だった。彼の会話の内容が引っ掛かる。医者がここに居るのは、激昂して思わず”奇跡の人”に不敬を働き、後悔して治療を任せたからでは無いのか?
 グレゴリーは暫し迷った。事情が飲み込めるまでもう一度目を瞑って死んだふりをするか、それとも雰囲気タップリに起きあがり、2人に事情を説明させるか。しかし先程から金縛りに遭った様に体の自由が効か無い。息も苦しい、と言うより息をしていない。
 このままでは、本当に死んだと思われて埋葬されかねない。
 グレゴリーが迷っていると、公爵がヒョイと博士を避けて、グレゴリーの視界に歩み出た。 目が合う。
「ぎゃぁ!」
「うわっ」
 途端にユスポフ公が仰け反って短く悲鳴を上げた。公爵も驚いた事だろうが、その反応にグレゴリー自身も驚いて声を上げる。それでようやく、歯車が噛み合う様に、グレゴリーの体が正常な活動を開始した。息を吸い起きあがろうとする。
 振り向いたラゾヴェルト博士が、グレゴリーを見て腰を浮かし、呟いた。
「そ、そんな馬鹿な! 有り得ない」
「だから聞いたんだ。お前には何一つ確かなものが無いのか!」
 ユスポフ公は博士を間に挟む位置に後退した。
「”復活”を信じぬ不信心者め等が!」
 大体ご大層な医者が役に立たぬから、自分の様な者が帝国に必要となるのだ。公爵がグレゴリーを招待したのも、奇跡の力で夫人の治療を願ったからではないか。 
 公爵がポケットから銃を取り出すのを見て、グレゴリーは博士を突き飛ばした。浮き足だっていたラゾヴェルト博士は、転びかけて公爵にしがみ付こうとしたが、銃把で頭を殴られて気を失い、床に倒れ込んだ。
 グレゴリーは哀れなラゾヴェルトを踏み付て、公爵目掛けて突進した。だがユスポフ公は、グレゴリーより一瞬早く、銃のスライドを引いて身構える。銃を突きつけられ、ギクリと立ち止まるグレゴリー。2人の間に緊張が走った。

896イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 20:59:55
毒入りの”最後の晩餐”はお気に召さなかった様だな」
「毒入りだと!」
 ユスポフ公爵は初めから彼を暗殺する積もりだったのだ。グレゴリーは、公爵の口車に乗った事に後悔した。公爵夫人のイリーナはニコライ2世の姪で、美女と名高かったのだ。
「クソ! それでか。儂の神通力が弱ったのも、この頭痛・腹痛・生理痛も」
「生理痛は違うだろ、意味分かって言っているのか?」
「ぶっ無礼者、文字くらい読めるわい!」
 実際には、公爵達が茶菓子とワインに仕込んだ青酸カリは、常人の致死量を遙かに超えていた。体調不良位で済むはずも無かったのだが、それでもグレゴリーは平然とし、お代わりまで要求したのだ! 焦った公爵が背後から銃撃しても、仮死状態に成っただけで蘇生してのけた。
 このグレゴリーの不死身ぶりに、ユスポフ公は迷信的な恐怖心を抱いていたが、全く効いてない訳でも無いと気を取り直した。公爵は改めて抹殺の決意を固めた。もはや病死に見せ掛けられずともやむを得ない。
「槍の代わりに鉛弾をくれてやる。十字架に張り付けるのは省略だ」
 余裕を取り戻した公爵は、不敵な勝利の笑みを浮かべて引き金を引いた。カチリッと撃鉄が落ちる小さな音がして……いや、それだけだ。何も起きない。
 肩透かしを食らったグレゴリーとユスポフは、キョトンとした顔をして、2人を遮る銃に視線を下げた。ユスポフが手首を捻ると、弾倉が抜けて空に成ったグリップが見えた。
 ブローニング32口径。サラエボ事件でも使われた最新の自動拳銃だが、この銃はマガジン・キャッチがグリップの下に有る。ユスポフが博士を殴りつけた際に、その固定が解除され、弾倉が抜け落ちてしまったのだ。
 2人の視線が床を彷徨い、ラゾヴェルトの腹の上、落ちた弾倉で止まった。
 再び視線を合わせる2人。ユスポフがばつの悪い思いを笑って誤魔化せば、グレゴリーも応じて愛想笑いを返す。
「アハハハッ……」
「ホッホッホッホ……」
 っと、緊張が戻り死闘が再開された。
 ユスポフ公は素早くグレゴリーの脇を潜り抜け、地下室を閉ざす扉に飛び付いた。取手を回し、力一杯押したが開かない。
 扉はグレゴリーが生きていた場合に備え、逃亡を防ぐため外から閉ざされていたのだ。
 ユスポフ公は扉を叩き、外に向かって解錠を求めた。
「外の者、扉を開けよ。私だ、フェリックス・ユスポフの命令だ!」
 誰も居ないのか?
 情報漏れを防ぐ為に、衛兵を遠ざけたのは間違いだった。空し取っ手を握る彼の心に、後悔の念が過ぎる。だが後悔していられたのは束の間だった。
 グレゴリーが背後に詰め寄り、猫を持ち上げる様に襟首を掴み上げたのだ。公爵の悲鳴は喉元で詰まり、押し殺したか細い呼吸と、少量の唾となって口から溢れた。
「待たせたな、荒縄と銀貨30枚は省略じゃ」
 ユスポフ公が不自由な首を回すと、グレゴリーの顔が間近に迫って見えた。痘痕だらけの不潔な顔に、瞳孔の窄まった不気味な視線。必死に空気を求める彼の鼻腔に、グレゴリーの不快な体臭が飛び込んできた。
 これまでか? ユスポフ公の瞳が絶望に曇った。彼は君側の奸を取り除き、英雄と成る事を夢想していたのだ。
 帝国の貴族男子は、軍務か宮廷に付くのを慣例としている。彼は命の危険の無い宮廷勤務を選んでいたが、内心ではオリンピック選手にして近衛軍将校の、親友ドミトリーの名声を羨んでいた。

897イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 21:00:56
 しかしその時扉が開いて、外の光が地下室に飛び込んできた。
「そこまでだ。テーブルを下ろせ、黒い悪魔め!」
 ユスポフ公爵の同士、国会議員のウラジミール・プリュシケヴイッチが到着したのだ。
「恩知らずめが! そなたが議員に成れたのも、儂が陛下に国会の開催を言上したからだぞ」
 腹を立てたグレゴリーは、銃を構えたプリュシケヴイッチに、ユスポフ公を放り投げた。
 地下室に再び轟音が鳴り響き、グレゴリーは踏鞴を踏んだ。プリュシケヴイッチは吹き飛ばされながらも発砲し、その内一発が運良く命中したのである。
 屋敷から逃げなくてはならない。体の前後に被弾して、流石の彼も弱気に成った。かつて短剣で刺されながらも、刺した相手を即座に呪殺してのけた彼だが、今日はどうにも体調が悪い。毒を盛られたせいだろうか?
 ユスポフ公爵が燭台に取りすがって立ち、配下の衛兵を呼ぶ声び寄せる。
「ラスプーチンを殺し帝国を救え!」
 グレゴリーは臼に跨る己の姿を想像〈イネージ〉した。両手にそれぞれ杵と箒を持ち、森を飛翔する姿を連想する。
 ユスポフ公とプリュシケヴイッチ議員、そして意識を取り戻したラゾヴェルト博士ら3人は、公爵邸の地下室に、暗いタイガの森林の光景が重なるのを見ておののいた。彼等は不思議と、それがロシア民謡の魔女「バーバ・ヤーガ」が住むという、ザグの森だと確信していた。
 黒い森の木陰とグレゴリーの僧服が解け合い、その遙か向こうに異形の館が陰を見せる。人骨の柵に囲まれて、一本の巨大な鶏の脚に支えられた小屋が。窓に覗く人影は……
 突如として地下室に突風が吹き荒れ、グレゴリーは姿を消していた。暗殺者達は呆然として、声も無く立ちつくしている。衛兵達が到着したが、今の出来事を説明する気に成れなかった。

898イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 21:21:04
あくまでも個人的な意見

フリガナでカタカナ連発はちょっと厨臭く感じる
ついでに、少し読みづらいかも

899イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 21:32:17
キャラの発言について相談です。
多少世間ズレしたキャラですが、以下の文章で発言に違和感を感じたら教えて下さい。
ついでに文章について意見をいただけたら幸いです。



「合理主義は優香にはわからないかもね。空手なんて非合理的なものをやってる時点で」
「空手まで馬鹿にしないでよ。少ない手数でいかにして相手を倒すか。十分合理的……」
「礼は無し。いや、それ以前に試合会場も時間も決めずに不意打ちで相手を倒す。それが一番合理的でしょ?」
いかにも度の強そうなメガネをかけながら、優香の反論をぴしゃりと封じる。確かに正論ではある。それがすでにスポーツではなくなっているという問題点を除けば。
「お姉……私に特殊部隊にでも入れと?」

900イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 21:34:58
文章、主述関係がはっきりしていないのでかなり読みにくい

901イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 21:36:18
会話には違和感を覚えないけど、字の文の補填がちょっと気になる。
視点と主語の関係がはっきりすればわかりやすくなるかも。

902イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 21:38:44
>いかにも度の強そうなメガネをかけながら、
↑これが意味不明なんだが。どこかに容姿に関する描写を入れたくて無理やり
挿入したのかな?

903イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 21:43:15
特に違和感無い。
ついでに、合法・非合法でのやり返しも入れてみたら?
スポーツなら、合法的に殴り合えて、「不幸な事故」がおこっても仕方ないが、
スポーツでない場合、それは犯罪でこれほど非合理極まりないものはない。
殴り合いを総合的に合理化したものが空手とかボクシング。
とか何とか言い返したり。

904イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 21:44:51
>>900-901
じゃあそこに気をつけて修正します
>>902
当初は「メガネをかけながら」だったけど、目が極度に悪いってことを強調するためにやりました

やめたほうがよかったかな…

905899:2005/12/15(木) 21:50:11
>>904も自分です

>>903
場面は主人公と妹の会話シーンなんですが、
妹が主人公の好物にケチつける→合理性をとく→妹「わからん」
→主人公「空手とか、非合理的よね」→妹「合理的だし」→主人公に強引な理論に論破されて妹黙る
っていう流れです

あ、でも妹の強気さを強調するには再反論させたほうがいいかな…

906イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 21:53:40
>>904
分厚い度の強そうな〜〜
牛乳瓶の瓶底みたいな眼鏡を〜〜
とかの方が通じる気がする。

あと「礼はなし」より「まず挨拶から入るなんて非合理的よ、」のが良いかもしれん。
なんだかお前さんの文は一言足りなく感じる。

907899:2005/12/15(木) 21:55:51
>>906
だったら多少しつこいくらいの描写のほうがいいっすかね?

練り直ししてみます

908イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:02:36
>>899
いや、そうじゃなくて描写を挿入する場所がおかしい。
眼鏡かけていることにその時点まで気づかなかったのか?

909イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:06:08
>>908
いや、言葉のまま。どこからか取り出した眼鏡をかけたんじゃないのか?
流石に「かけている」くらいのボキャブラリーはあるだろうし。


と適当ぶっこいてみる

910899:2005/12/15(木) 22:07:36
>>908
いや、ここで初めてメガネをかけます

……もう少し描写力を向上させないと

911イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:09:42
お? ほんとにその時点でかけたのか。じゃあ眼鏡を取り出す描写を入れた方がいいよ。

912899:2005/12/15(木) 22:13:31
>>911
・メガネを取り出す描写を加える
・メガネに関する描写が変
・発言はもう少しわかりやすく
・主語と述語をもう少しわかりやすく

こんな感じかな。後は自分アレンジすればいいか

913イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:18:13
勝手にリライトしてみる。

「優香には『合理主義』はわからないかもね。空手なんて非合理的なものやってるし」
「空手まで馬鹿にしないで。十分合理的だよ。少ない手数でどうやって相手を倒すかって」
 お姉は度の強そうな眼鏡を胸ポケットから取りだしてかけた。
「まず試合前の礼とか必要ないでしょう。それ以前に、試合会場も時間も決めずに不意打ちで
相手を倒す。それが一番合理的でしょ?」
 優香の反論をぴしゃりと封じる。
 確かに正論ではある。それがすでにスポーツではなくなっているという問題点を除けば。
「お姉……特殊部隊にでも入れと?」

914イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:20:00
>>894-897
目を覚ましたら、虫になってたわけじゃないのか。
まぁ、それはともかく、一番初めに思ったのは読みにくい。誤字はおいとくとして、文章の長さとリズムが一番の問題かね。

>この時代〈トキ〉この帝国〈バショ〉の中心に居たのは、延び放題の髪と総髭を生やした、肩幅の広い痩せた中背の男で、不潔な体に地味な黒い僧服を纏った姿からは”奇跡の人”と呼ばれた偉大な霊能力も、一国を左右する権力も想像出来ない。

例えばこの文章だと、二つの文章に簡単に分けられる。けど、分けてないから一息に読まなくてはいけなくなって、読みづらさを感じさせている。他に、
>それ故にそれを知る
であるとか、
>ユスポフ公が仰け反って短く悲鳴を上げた。公爵も驚いた
であるとか、ところどころに読者を混乱させる作用を持つ言葉の使い方が見られる。
また、風景や気候、心理等などの描写がない為、ストーリーを「解読」しなければならなくなっている。
もう少し、読者の目を意識して、書いてみるべきではないだろうか。

915イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:23:01
なんで眼鏡を掛けるのか分からない、というとあれだろうか?
視力が悪いなら普段から掛けてるはず。

916899:2005/12/15(木) 22:24:32
>>913
一瞬、なぜに一人称? とか思った。
ここでは主人公の名前が出てないから当たり前か……
妹の口調はそっちのほうがらしいような気もしてきた
基本設定は「強気なスポーツ少女」だからなあ…

917イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:25:03
「ありがとうございます」も言えない人間に、みんな優しいな。
お礼なんて、非合理的か?

918899:2005/12/15(木) 22:26:13
>>915
晒してない部分で描写しているんですが、これ朝食シーンです

919イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:27:33
>>918
お前さん眼鏡かけてる?

眼鏡の世話になってる人間が起きてまずすることは眼鏡を掛けることなんだ。
特に、視力が弱ければ弱いほど。

920899:2005/12/15(木) 22:28:21
>>917
すいません。落ちる前に言うつもりだったんですが……

921イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:30:35
>>919
そうなのか?
俺も目が悪くてメガネかけてるが、左目と右目の視力が一緒じゃないのと、
左目がまさにビンゾコなんで、授業中であるとか以外メガネかけないが。

922899:2005/12/15(木) 22:31:13
>>919
免許は要眼鏡等ですけど、私生活には支障が無い程度の視力です

根本から変えて、あんまり視力悪くないor最初からかけてる設定にしたほうがいいかなあ

923イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:31:26
>>899
一人称じゃないぞ。地の文に一人称出てないだろ。お姉の名前がわからんから
お姉って書いただけだ。つーか主人公(妹)って優香だろ?

>>917
べつだん口調悪くないから気にならない。お礼が言って欲しくてやってるわけじゃないし。

924イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:32:46
オネエって名前にしちゃえよ。
苗字は地主で

925イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:33:18
レス見てて思うんだが、弱気な香具師だな

神g(ryみたいに妙なつっかかりされても困るけど

926イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:35:15
>>922
まあそれが無難かなー。
少なくとも朝食の時にわざわざ眼鏡を掛けることはないと思う。

927899:2005/12/15(木) 22:35:32
>>923
妹が優香です

>>924
主人公は妹とセットでネーミングしてあるんで、あんまり変えたくないです……

928イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:38:08
つか、本スレIDと照らし合わせると怪人の人?

929イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:39:22
なに? 視点キャラ(妹)が主人公ちゃうのか。

930924:2005/12/15(木) 22:39:37
>>927
いや、ネタにマジレスされても……悪い事した気分になるじゃないか。

931899:2005/12/15(木) 22:43:19
>>928
そうですよ
>>929
いや、「お姉」が主人公……
>>930
えー……とにかくごめんなさい。空気嫁をリアルで言われますorz

932イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:46:05
>>899が神器と別の意味で心配な件
もう少し強気にならないと作家にはなれないぞ
ゼ○や神g(ryみたいにはならないでいいけど

933イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:46:52
普通、視点キャラと主人公を別にしたりはしないものなんだが、まあいいか。
会話文は書き慣れてない感じがするよ。一度、自分の書いた会話文を音読すると
いいよ。「こんなん実際の会話じゃ言わねー」っていう無駄な部分がすぐわかる。

934イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:49:45
結構良くある手法じゃなかった?
たしかホームズもそうだと聞いた気が。

935899:2005/12/15(木) 22:51:09
>>933
一応、妹もサブ主人公的立場ではあるんですけど……(主人公の年齢(25)が高すぎっていう不安があるんで)
場面転換までは場を動かすのは妹だし

会話文に関しては、女が女言葉杉って言われたことが……

936イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:52:12
>>899の人気に嫉妬

937イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:53:43
視点キャラをそのまま主人公にする方が圧倒的に多いよ。だって読んでる方に
すぐ主人公だってわかってもらえるから。ホームズとかポワロは特例。あれは
ミステリじゃん? 読者と視点や考え方のレベルが同じ、愚者としての視点キャラが
必要だから、ワトスンやヘイスティングズがいるわけなのですよ。
逆に言えば特別な理由が必要だってこと。

938899:2005/12/15(木) 22:58:24
ちょっと長居しすぎなので落ちます

アドバイスありがとうございました

939イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 23:11:24
ふふ、眼鏡の扱いは気を付けてくれよ?

940イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 23:13:52
>>939
貴様は同士メガネスキー!

941イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/16(金) 15:10:25
雑談スレに成ってきたな。

942那賀 健比古:2005/12/17(土) 00:19:02
 それでは私めが晒します。不評だった前作を三人称に直し、ストーリーも変えてみました。
「長過ぎる那賀」との称号を頂戴した事もあり、冒頭の1センテンスのみとします。


仏印武力処理

 昭和20年3月9日。夕方にも係わらず、明号作戦を控えたフエの帝国陸軍基地は、喧騒に満ちていた。
 滑走路上には暖機運転しているキ21『97式重爆』と、本土から急遽送られたキ58特襲機『降龍』の翼影が並び、護衛に付く中島一式戦闘機『隼』は、今まさに発動機を回すところであった。
 九七式中戦車『チハ』が、サイレンの様な冷却ファンの音を奏で、派手な排煙を炊き上げる。その脇にはアステカ帝国謹製の、人型歩行兵器『強者〈ヤグウァ〉』を装着した装甲歩兵が、98式装甲運搬車『ソダ』に乗り込んでいく姿が見えた。
 同盟独逸から寄贈された虎の子を投入する辺りに、第38軍司令官・土橋中将の入れ込み様が見て取れようというものだ。
 虎の子と言うなら、自分たち帝国術法部の特選隊もそうだ、と公字〈コードネーム〉黒羽中尉はは考えた。或いは鬼子と言うべきかも知れないが。
「構わん、作業を続けろ」
 黒羽に気付いて敬礼する兵士達に、鞭打つ様に鋭い声を掛けて先を急いだ。
 いや本人は気遣っている積もりなのだが、引き締まった長身と整った白皙の顔、隠し事の多い大本営直属の士官とあって、黒羽は兵士達に敬遠されていた。凛とした澄んだ声までもが、黒羽の人物造形に一役買っているかの様だ。

943イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/17(土) 01:21:53
台詞の前に兵士達の敬礼を入れた方が良いと思った。

 黒羽に気づいて作業を止めた兵士達が、姿勢を正そうとしているのが目に入った。
「構わん、作業を続けろ」
 無感動に兵士達へ鞭打つような鋭い声を掛けて、黒羽は先を急いだ。

って感じで。何もないと急に兵士達が湧いたようで、ちょいとおかしい。

「いや本人は〜」がちょっと説明的で浮いてるというか。
まず「いや」は要らない。あと「整った、白皙の、顔」ってのがちょっともにょった。
「引き締まった、長身」と同列に並べてるんだから、修飾1に被修飾1でリズムを整えてはどうか。
その後の、「凛とした〜」はちょっと言いたいことが分かりにくいな。
間違ってたら悪いけど、黒羽が場違いな印象を与えてる、と読み解いていいんだよね?
以上を元にちょいと弄ってみました。

 本人は気遣っている積もりなのだが、引き締まった長身と白皙の美貌、覚悟との多い大本営の士官とあって黒羽は敬遠されている。
凛として澄んだ声も、華族の社交界ならばともかく雑多な軍隊の中では距離を取られる要因となっていた。


あんま自分の出来も良いとは思えないけど、まあこんな感じにしては如何でしょうか?

944イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/17(土) 20:47:54
うわ、今見直したら「覚悟との多い」ってなんだ……。
隠し事の多い、です。

945874:2005/12/18(日) 01:21:11
>>875
批評アンガト。
う〜ん、センテンスを少し長く取ったのが悪く出たかな。
もうちょっと短くすれば、テンポも良くなり
その分、場面転換の速さに適応しやすいと思いました。
略したほうが良いよといわれた部分も
文章の息を長く取らせたいという思惑で付け足した部分でしたが、蛇足でしたか。

946829:2005/12/18(日) 17:51:36
ここもにぎやかになってきましたね。嬉しいことです。
ところで、>>829の続きの第一章が出来上がりました。
需要があるとは思えませんが、一応晒しておきます。
暇つぶしにでもしてやって下さい。
批評のほうは無理にして下さらなくても結構です。
どうしても言いたいことがあれば……ということで。

ttp://wannabee.mine.nu/uploader/files/up0078.txt

あと、word形式もあります。word特有の煩わしさみたいなのはありますが、
上記のテキスト形式は一部ルビなどが変になっているのに気がつきましたので念のため。

ttp://wannabee.mine.nu/uploader/files/up0079.doc

947イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/18(日) 18:43:04
長い! くどい!
きっと全体的に半分で済む。間違いない。

「ああ、やっぱりこうなってしまうのか」
のフックも弱い。
「やっぱりこうなってしまうのか」や、「やらなければならないこと」、
「世界の全部から見捨てられたようだ」
など、方向性が複数あって散漫。
あと、自嘲はいらないような。感情が複数並ぶことになってこれも散漫。
感情は「やらなければならないことがある」の義務一発でいいだろ。

この冒頭なら、
「何かやらなくてはならないことがある、
でも出血で意識朦朧で分からなくなりつつある、
そこへ足音がやってきて、やらねばならないことを思い出す」
という一本の流れで整理したほうがいいんでない?

948イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/18(日) 19:58:57
>>947
何故今さら>>829を見てるんだ? 直すと言ってただろうに。
どのレスかは忘れたけど。

というか、俺も>>946のリンク先を見たわけじゃないので、どの程度変えたのかは知らんけど。

949イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/18(日) 20:12:19
>>946

>プロローグ

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
痛みは思ったほどでもないが、その痛みのために横隔膜の
上下運動が制限されてしまい、肺が動かない。呼吸できない。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
最低限にこの程度の解説はいるように思った。

>青原

相手の目の色が銀色って、さすがに、それは顔を見た瞬間
に気がつくと思うぞ。

>OH

まじめに頑張ってトレーニングしているひとがいても、
ちっとも報われない世界だね…… (´・ω・`)ショボーン
個人的な好みとしては萎える。

950イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/18(日) 20:30:43
現代もので能力バトルって、たいていその能力の存在は公になってないよね。
だからそのOHとやらで世界観を作ってるのはちょっと新鮮ではあるが、
設定そのものが斬新ではないので(本人も分かってるだろうが)それだけで勝負できるものではない。
やはり文章力はあると思うが、これも特別秀でているわけでもない。
となるとあとはストーリーだが、一章というぐらいだからこれはまだ序盤だよな?
だとしたらまだストーリーに関してはなんとも言えない。

以上から、批評は無理に……とか言われるまでもなく、批評のしようがなかったり。
>>949みたいな細かい問題点はプロの作品にも多少はあるものだが、
気になるようなら直すといいだろう。

一章を晒したということは、当然続きも晒すつもりなんだよな?
出来上がりを見て、それから批評したい。

951947:2005/12/18(日) 20:32:36
>>948
>>946のTXT版読んだ感想。

952イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/18(日) 20:42:22
>>951
それに自嘲はないよ。どうでもいいけど。

953キャンタマの人:2005/12/18(日) 22:57:01
向こうのスレで宣言した通り、晒しますのでお願いします

――――――――――
「あー! ムカつくムカつくムカつく!」
「それ、クラブの備品だから破らない!」
 叫ぶと同時に雑誌を破ろうとした少女を、同じような年頃の、やはり少女が止めに入った。
「だって綾華! この記事!」
 ばん! と大きな音をたて、見るからに気の強そうな少女が、開いた雑誌を机に叩きつける。
 開かれたページには、一つの写真と二つの記事が載っていた。
 止めに入った少女――綾華は雑誌を手にとり、
「なになに……? 姫野里香さん(15)とブラックダイヤ号、優勝。危なげない飛越、巧みなコーナーワークで……特に問題のある記事じゃないと思うけど」
 眉をひそめ、なぜか怒っている少女――里香に雑誌を返す。
「そっちじゃない! こっちが問題なの!」
 渡された雑誌を破れんばかりの勢いで広げると、もう一つの記事を指さす里香。彼女の優勝を知らせるそれよりも、二回りほど大きな記事。
「大井弓江さん(15)とシンフォニー号、まさかの敗北。やはり人馬の調整不足が……」
「それよ!」

954キャンタマの人:2005/12/18(日) 23:05:51
だん! という音が響いた。里香が机を叩いた音だ。思わず後ずさる綾華を無視して、里香が続ける。
「まるで調整不足が敗因みたいじゃない!」
「それはそうでしょ。弓やシンフォニーの実力を考えると、本調子であんなにミスをしまくること自体が考え辛いし」
「……そうだけど…………いや、それ以前に“まさかの敗北”ってなによ。まるで、私が勝ったのがまぐれみたいに聞こえるじゃない」
「……里香、弓との今までの対戦成績は?」
 綾華の言葉に、勢いよく文句を言っていた里香の体が硬直した。追い討ちをかけるように、
「大井弓江さんとの対戦成績は?」
 冷静な一言。




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