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放課後の吸血鬼

95:2005/05/31(火) 23:06:21
「どうした? 中沢」
2杯目の掛蕎麦にとりかかるために顔を上げた横口が、ふと尋ねる。
じっと凍りついたままだった哲晴が、ようやく解凍された。彼女の方は、すでにサッと目をそらしていた。
「え、いや。そこの賑やかなの、見覚えがないな、と思って…」
「あー、確か、2組に転入生が来たって、聞きましたから、それではないでしょうか」
西根も、そちらを見てポツリと漏らす。
それを聞いて哲晴は、キョロキョロと周りを見まわして、近くにいた2組の生徒に話しかけた。
「なあなあ、野上。あそこにいるの、お前のクラスの女子だろ?」
「おう、そうだ。へぇ、やっぱお前も興味あるんだな。あの転校生に」
垂れ目の野上は、ニヤニヤと笑みを浮かべる。
「名前は大日向真紀。誕生日は10月3日。血液型不明。前は岩手にいたけど、その前は東京だったらしいんで訛はなし。身長170cm以上、俺よりデカイな」
「女子の半分は、お前より背が高いだろ」
哲晴が突っ込む。
「そう言うなよ。あと、俺の見立てじゃAカップ。そこが残念だけど、まあナイチチってのもそれはそれでイイんだけどな。
 得意科目はなし。絵が趣味らしい。親が海外赴任とかで一人暮し。住んでるのは市内。
 背が高いんで女子にもてている。おかげで俺達男は近寄れなくて残念だけどな」
「あいかわらず、女に関する事だけはすげぇな」
今度は横口が突っ込む。
「あったり前だろ。女の子は俺の生き甲斐だぜ」
ガッツポーズまでしてそう言う割に、野上は誰とも付き合っているわけじゃない。いや、付き合えているわけじゃない。
「ひょっとしたら、転校生が犯人だったりするかもしれません」
突如、西根がポツリと呟く。哲晴が彼をまじまじと見る。
「え…それって、ホントに?」
「なーんてね。ほら、月曜夜にやってるじゃないですか、少女漫画原作の吸血鬼もののアニメが」
「んなモン見てんのは、おめぇくらいだっ」
横口が、パシッと西根の頭を張り、一同が笑う。が、哲晴は、笑えなかった。


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