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放課後の吸血鬼

62:2005/05/31(火) 23:04:25
「うわっ」
動く事も忘れて見入っている少年の上に、少女はふわりと覆い被さる。
少女の身体は、思った以上に柔らかい。
二人の身体がぴったりと重なった。互いのドクンドクンという鼓動を全身で感じ取れる程に。
彼女も、期待しているんだ。そう思うと、哲晴の心臓はドクドクとより一層速く強く打つ。
いつの間にか、学ランのカラーのホックとボタンが外されていた。
その剥き出しの首筋に、生暖かい少女の吐息がハァハァとかかる。
それはまるで、血を吸う食欲への喜びよりも、むしろ少年の首筋への口付けに対する欲情のように聞こえる。
「ひ、ひゃあああっ」
哲晴は、黒目がちの目を見開いて、甲高い叫び声を挙げた。
ヌルリと、少女の舌が哲晴の肩を這う。まるで、少年の肉体をしっかり味わうように、ゆっくり、ねっとりと首筋をしゃぶる。
少女の口付けを受け続け、哲晴は耳まで真赤にしてビクンと身体を硬くする。
首筋に全身の感覚をギュッと集めたように、彼女が彼を味わっているのだけが感じられる。
敏感になった首筋から、不意にフッと舌の感覚が失せたかと思うと、灼熱の牙に貫かれた。
初めての感覚に哲晴は「あっ」と切なげな声をあげる。
炎の様にカッと熱いそれは、不思議と痛みを伴わず、哲晴の身体にズブリズブリと沈みこんで行く。
口付けを受けたところから侵入した炎は、瞬く間にぐるりと全身に回り、全身の細胞を溶岩の様にドロドロと燃えたたせた。
ズルリ、とその溶岩が流れて行く。首筋の、彼女がぽってりと柔らかな唇で、そっと口付けをしているところへだ。
血が、熱が、命が、心が、急速に溶け、流れ、吸われて行く。いや、まるで自分から彼女の中へ、熱いものを流しこんでいるようだ。
熱いものが流れ込んだせいか、重なっている少女の身体も、カッと熱くなる。
彼女の口に、溶けた自分が注ぎ込まれる。
彼女の中に、自分が入りこむ。
彼女と、溶けた自分が入り混じる。
彼女のものに、自分がなる。
彼女と、一つになる。
「あっ、ああああああっ」
その叫びは恐怖でも苦痛でもない、その叫びは……歓喜。


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