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放課後の吸血鬼
59
:
プロローグ
:2005/06/29(水) 01:26:04
「どうですか?
今まで普通に生活していた場が、実は凶悪な殺人事件の現場だったんです。
つまり、平和な日常と殺人事件という非日常、これらは一見対極の様に見えて、それはほんの薄皮一枚で隔てられていたに過ぎず、その仕切りは、今こうして突然破れるわけですよ。
ね、そう考えるとなかなか面白いでしょ」
ニッと得意げに語る。
「やっぱ、キモイだけじゃんかっ」
横口が西根の頭をペシリと引っぱたく。身長差があるので、叩くのに丁度良いみたいだ。
「なんか、気味悪くなってきたな」
「そうだね…」
「では、帰りましょうか。薄暗くなった殺人現場なんて、正直気持ちのいいものじゃありませんしね」
「テメェの仕業だろーが」
三人とも意見は一致した。それぞれの鞄を抱えていそいそと1階に向かう。
昇降口についたちょうどその時、哲晴は不意に思い出した。
「あ、やべ。宮崎に借りたCD、教室に忘れた」
放課後の人気の無い校舎はガランとしてて、昼間の賑わいとのギャップでかなり寂しい。
しかも、日は西に傾いたせいで、校舎には光が入りづらい。そのせいでたった今歩いてきた廊下は、薄ぼんやりと影に包まれていて、不気味な雰囲気を漂わせている。
「はい、行ってらっしゃい」
「達者でな〜。骨は拾ってやるぞ〜」
カパッと靴箱を開けつつ、二人は答える。気味の悪い教室に戻るのは御免だ、という事だ。
「はっくじょーも〜ん」
そういう声を残して、哲晴は2階の教室へ向かってダッと駆け出す。
日常と非日常の差はほんの紙一重で、奇奇怪怪な魑魅魍魎蠢く日々は、すぐそこでパックリと顎を開いて待ち構えている。哲晴はまだ、それを知るはずもなかった。
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