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放課後の吸血鬼

5345:2005/06/17(金) 02:37:42
翌日、そわそわと昼休みを待つ。別に休み時間に顔を合わせる事もできるのだが、秘密の用件なわけだし、そもそも自分の気持ちを自覚してしまった以上、人前で会うのは非常に気恥ずかしい。
授業中も気もそぞろで、休み時間は昼に時間をあけるために早弁を済ます。そして待ちに待った昼休み、哲晴は南棟の屋上への階段を駆け上る。
南棟は教室のある北棟と違って、屋上に天文部の天体観測所があるので、通常は鍵が開いている。
かなりのスペースを空調設備や貯水タンクなどが、ゴチャゴチャと埋めているので居心地は良くない。
煙草を吸ったり、不純異性交遊なんぞをやらかす不心得者がいないかどうか、時々教師が見回りに来る程度で、昼飯を食いに来る酔狂な生徒もいなかったりする。
4階の仮教室から階段を駆け上がり、哲晴がガチャリとドアを空けると、昼の陽射に照らされた屋上は、ガランとしている。どうやら先についたようだ。
幸い天体観測所も無人のようだ。金網のフェンス越しに、そわそわとグラウンドを眺めながら待つことしばし、再びガチャリとドアが開いた。
「ごめん。遅くなって」
恐らくは走ってきたのだろう、はあはあと息を弾ませながら、開口一番、真紀はそう謝る。陽光の下で見る、頬を薔薇色に上気させた人間状態の彼女も眩しい。
「いや、今来たところ」
と、答えてから、何かデートの待ち合わせみたいだと心の中で呟き、心の中で赤面する。
「あはは、なんかデートみたいだね」
一方真紀は、ニコッと笑ってそれをストレートに口に出す。哲晴が本当に赤面する。
そしてそのままフェンスの前、すぐ隣に並んで立つ。正面から見つめられ、哲晴の頬がカッと熱くなる。


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